説経「小栗判官照手姫」で、エジンバラ、N.Y.、香港、シンガポール、シビウ(ルーマニア)、モルドバなど各地の演劇祭で評価されてきた横浜ボートシアターが、人と人形と仮面を用いた壮大なスケールの舞台作品『説経「愛護の若」より −恋に狂ひて−』の再演に挑戦します。

▼横浜ボートシアターについて

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横浜ボートシアターは1981年、横浜・元町の裏を流れる中村川に浮かぶ木造ダルマ船を改造した“ふね劇場”を拠点として活動を開始いたしました。
以来、「小栗判官照手姫」(1982~2005)やマハーバーラタ三部作(「若きアビマニュの死」初演1985、「王サルヨの誓約」初演1987、「耳の王子」東京・インドネシア公演1997、「王サルヨの婚礼」横浜トリエンナーレ公演2001)、「賢治讃の仮面劇」(初演2011~2014毎年一回上演)などアジア的な世界観の作品を発表しております。
木造ダルマ船は沈没しましたが、現在は鋼鉄製の艀を劇場として改造し拠点として活動しています。
昨年3月には、当プロジェクトのタイトルにもある『説経「愛護の若」より −恋に狂ひて−』(以下「恋に狂ひて」)を横浜・東京で上演いたしました。

代表
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遠藤啄郎(えんどう たくお)
構成・演出・人形デザイン製作・仮面デザイン製作
横浜ボートシアター代表、脚本、演出家、舞台使用の仮面のデザイン・製作者など多方面で活躍中。 (詳細は後述のため割愛いたします)

▼プロジェクトについて

2014年3月に初演された「恋に狂ひて」は、説経節という日本の伝統芸能をベースに古文を用い、人と人形と仮面、そして生演奏の音楽のオリジナリティあふれる舞台です。およそ1年半の製作期間をかけて作られたこの作品は、“ギリシャ悲劇のようなスケールを持った作品”“いつの時代も変わらない人間の普遍的な感情が、とてもストレートに伝わってきた”“新しいジャンルの芸術として新鮮に感じた”などと評され、10代から80代まで幅広い年齢層の観客より高い評価を得ることが出来ました。

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脚本の持つ力を引き出す訓練された語りや台詞の技術、シンプルな舞台美術と衣装を利用し何もない空間に様々なものを生み出す演出、手作りの人形を使った象徴性の高い演技、作品のために作られた音楽の生演奏によって、観客を中世世界に誘うスケールの大きな舞台です。
「恋に狂ひて」には演劇の新しい可能性が秘められています。一人でも多くの人にその面白さ可能性を伝えたいと思っております。

▼具体的になぜ資金が必要なのか?その資金がどう使われるのか?

作品をパワーアップするため、そして作品に関わる方々の負担を軽減するために資金を必要としています。集まった資金は、振付、音楽、照明プラン、舞台監督、制作、人形製作のスタッフ人件費、及び宣伝費用、横浜での再演後に企画されている「恋に狂ひて」関西・岡山・四国ツアーを実現させるための費用として使わせていただきます。
すでに一度上演した野心的かつ挑戦的な舞台「恋に狂ひて」をよりパワーアップさせて再演するため、新たに振付を加え、演出や音楽、演技もブラッシュアップします。これらのクリエイティブ面でかかる人件費を確保することが、再演を成功させるためには必須です。
また、作品関係者20名超の負担を少しでも減らしたいと考えております。現在、「恋に狂ひて」は出演者やスタッフの皆様の善意に大きく助けられている状況です。しかし、上演形態の特殊性(1ステージ最大100名程度の収容)ゆえ、自助努力による収入増には自ずと限界があります。しかも、お客様へのご負担を考えるとチケット料金を大幅に上げることも難しい状況です。

▼「恋に狂ひて」の特徴



「恋に狂ひて」は「語る」ことを重視した芝居です。語り手や役者が語ることでお客様の想像を喚起し、壮大な作品世界を感じ取っていただくことを目指しています。しかし、実は舞台上で語っているのは役者や語り手だけではありません。人形、美術、衣装、音楽等のあらゆる要素が観客の想像を促すために奉仕しています。

・人形
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「恋に狂ひて」に出てくる人形は、すべて劇団のオリジナルです。和紙や粘土などを使い劇団代表遠藤啄郎と出演者である吉岡紗矢が製作しました。

・説経節
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中世日本で盛んに行われていた芸能である説教節が「恋に狂ひて」の元になっております。原作は「愛護の若」と言う作品ですが、元の曲はすでに失われています。「恋に狂ひて」は説教節の伝承者である説経節政大夫師と遠藤啄郎が語り作品として「愛護の若」の脚本を作るところからスタートしました。その後の舞台稽古では、俳優たちが両者の指導を受け、徹底した言葉の訓練を1年以上にわたって積みました。

・美術・音楽・衣装
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舞台装置は金の壁というシンプルなセット

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黒子のようにも思える衣装

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俳優たちの演技に呼応する生演奏の音楽



それらが物語と融和することで、今まで見たことのない想像の世界を観客の心へ届けます。「恋に狂ひて」は観客の中に生まれる物語であり、観客一人ひとりが手に入れる世界なのです。

▼上演概要

~説経 愛護の若より~人と人形と仮面の劇「恋に狂ひて」
日時:2015年4月10日(金)~12日(日)
会場:横浜ボートシアター(最寄駅:みなとみらい線 元町中華街駅)

公演日程
       14時~  18時30分~
4月10日(金)       ○
4月11日(土)  ○     ○
4月12日(日)  ○
※表内で“○”のある時間より開演します。合計4公演致します。

横浜ボートシアター
HP:http://www.yokohama-boattheatre.org/
Facebook:https://ja-jp.facebook.com/boattheatre.yokohama
Twitter:@YBT_PR

▼あらすじ

第一幕
七十三代嵯峨天皇(実際は52代目の天皇)の時代、前の左大臣・二条の清平は、宮中での子くらべの席で、かねがね敵対視していた六条の判官行重に、子がない者は先の栄ゆる事なしと辱めを受ける。(原作では清平と行重との桂川での戦が語られるが省略)

清平夫婦は長谷寺に籠り、子を授けたまえと祈った。すると観音が現れ、お前達夫婦には子種がないから諦めるようにと告げ消え去る。それでもと祈り続けると観音が再び現れ、お前達夫婦どちらか一人の命と引き換えでもよいならばと告げる。それでもと願うと、月満ちて一人の男の子が生まれた。その子を愛護の若と名付け大切に育てる。しかし母親は観音との約束どおり愛護十三歳の時病に倒れ、一命を失う。



二条家一門は清平に後添えをと、八条家の姫君・雲居の前を妻に迎える。
だがあろう事か愛護の若を一目見て、雲居の前は心を奪われ病の床に就いてしまう。侍女・月小夜は、あの方は清平様の一人息子、諦めるようにと諭すが、益々思いが募り、一命に関わりそうな成り行き。侍女月小夜、雲居の前の命を助けんと、恋文を書くよう勧め、それを愛護の若のもとへ運ぶ。

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愛護の若はその美しい恋文に心を奪われるが、それが父清平の後添え、継母と知ると驚き、恋文を破り捨ててしまう。

第二幕
恋文を送り続ける雲居の前。困り果てた愛護の若はこの事を父清平に知らせると告げる。もし清平に知れたなら命に関わると狂乱する雲居の前。侍女月小夜困り果て、二条家の宝・やいばの太刀を盗み出し、自らの夫に京の町で売らせ、愛護の若金に困り売らせたもうと清平へ告げさせる。



清平怒り愛護の若を桜の古木に吊り上げ、縄解く者あれば罰するべしと告げる。



冥土でこの事を知った愛護の母は、閻魔大王に申し出で、いたちの姿となり娑婆に現れ、愛護を縛った縄を解き、比叡山に「阿闍梨」(僧の師範)となった伯父がいるから訪ねて行き、御身も髪を剃り母の供養をと言い残し、あの世に帰って行く。
愛護の若は雨の中を比叡山に向かい、途中で皮細工職人に助けられお山にまで辿りつくが、怪しき者と伯父に思われ、門番に追ったてられてしまう。

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一人山中をさまよい歩く愛護の若は衣服も破れ、手足も傷つき、きりふりの瀧に辿り着く。そして衣を引きちぎり、指を喰い切って流した血を岩のくぼみに溜め、柳の小枝で遺書をしたため、瀧に身を投げてしまう。
この事を知った僧達、遺書を伯父の阿闍梨に手渡すと、直ちに父清平にも届ける。
遺書を見た父は全てを知り、雲居の前を簀巻きにし、河に沈め、侍女月小夜は京の町を引き回し処刑し、愛護の若の身を投げたきりふりの瀧に向かう。
伯父の阿闍梨も僧達を引き連れ瀧に向かい、滝壺に向かい護摩を焚き祈ると、瀧の中から愛護の亡骸を抱き、大蛇(龍)となった雲居の前が現れ、愛護の亡骸を父親に渡し、自分共々供養して下さいと願い、再び瀧の中にきえる。



父清平は嘆き悲しみ、愛護の亡骸を抱き、瀧に身を投げてしまう。そして伯父の阿闍梨も弟子の僧達も皮細工職人、その他愛護の若に関わりを持った人々百八人、次々に入水してしまう。
これを南谷の大僧正は聞き、前代未聞と、愛護の若を山王大権現としてお祭りになった。
▼支援のお願いとイメージ付きでリターンの説明

●500円
・劇団から感謝のメッセージをお送りいたします。

●1000円
・メンバー直筆メッセージ入りポストカード

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(ポストカード)

●3000円
・メンバー直筆メッセージ入りポストカード
・缶バッジ(三種類のうちいずれか一つ)
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(缶バッヂ3種)

●5000円
・メンバー直筆メッセージ入りポストカード
・缶バッジ(三種類のうちいずれか一つ)
・サウンドトラック
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(サウンドトラック)

●10000円
・メンバー直筆メッセージ入りポストカード
・缶バッジ(三種類のうちいずれか一つ)
・ワークショップ招待券or稽古場招待
(ワークショップ招待券は、2015年内に定期的に行われている“語りワークショップ1回2500円+仮面ワークショップ1回3000円”にご招待いたします。語りワークショップは大森の劇団事務所にて、仮面ワークショップは横浜ボートシアターにて行われます。詳細は劇団ホームページをご確認ください。稽古場招待は、2016年に行われる次回作「アメリカ!」の稽古へ招待いたします。稽古場はみなとみらい線元町中華街駅より徒歩15分のところにあります。開催は2015年11月~12月を予定。)
・オフショットアルバム(画像電子媒体)
(出演者およびスタッフの稽古の様子を撮影し画像ファイルとして、電子媒体にお送りいたします)

●30000円
・メンバー直筆メッセージ入りポストカード
・缶バッジ(三種類のうちいずれか一つ)
・オフショットアルバム(画像電子媒体)
・稽古場招待
・メイキングDVD(動画)
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●50000円
・メンバー直筆メッセージ入りポストカード
・缶バッジ(三種類のうちいずれか一つ)
・オフショットアルバム(画像電子媒体)
・稽古場招待
・メイキングDVD(動画)
・オリジナル台本(舞台写真入りの「恋に狂ひて」オリジナル台本です。劇団代表の遠藤啄郎と出演者である吉岡紗矢が手作りで表紙をつくる台本です。当然、表紙のデザインは一つ一つ異なります)
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●100000円
・メンバー直筆メッセージ入りポストカード
・缶バッジ(三種類のうちいずれか一つ)
・オフショットアルバム(画像電子媒体)
・稽古場招待
・メイキングDVD(動画)
・オリジナル台本
・公演回数券5+1枚(過去公演の写真などを用いたオリジナルデザインの公演回数券です。回数券自体が記念品ですので、一般販売は致しておりません。有効期限2017年3月末日)

(各優待券はご本人とご家族の使用のみ有効)
*画像は見本です。実物とは異なりますのでご注意ください。特に、オリジナル台本は遠藤啄郎、吉岡紗矢の手作りですので、デザインが一つずつ異なります。

▼「恋に狂ひて」主なスタッフ紹介

脚本・演出・人形・仮面



遠藤啄郎(えんどう たくお)

1928年、神奈川県平塚に生まれる。
1952年、東京藝術大学油絵科卒業後、個展グループ展などで作品を発表。1959年頃より、ラジオ、オペラ、ミュージカル、舞踊、人形劇、演劇などの脚本ならびに演出家に転向。舞台作品の海外公演も多く、ヨーロッパ、アメリカ、アジアなど三十都市におよぶ。長期公演としては、パリ・オルセイ劇場での、人と人形の劇「極楽金魚」の一か月公演がある。
1981年、横浜の運河に浮ぶ、木造船を劇場とし、横浜ボートシアターを結成。横浜ボートシアターでの代表作には仮面劇「小栗判官照手姫」(第十八回紀伊国屋演劇賞受賞)、仮面劇「若きアビマニュの死」、仮面劇「王サルヨの婚礼」などがあり、他に「仮面の四季」(セゾン劇場特別公演)、「夏の夜の夢」(シアターコクーン、プロデュース公演)、「龍の子太郎」(青山劇場五周年記念公演)、「耳の王子」(横浜ボートシアター・インドネシア国立芸術大学共同作品)などがある。
多摩美術大学映像演劇科、日本オペラ振興会、オペラ歌手育成部、桐朋音大演劇科などでの講師をつとめる。横浜ボートシアター代表。
著作には「極楽金魚」(フレーベル館)、写真集「横浜ボートシアターの世界」(リブロポート)、脚本集「仮面の声」(新宿書房)がある。横浜市民文化賞 受賞。

節付け・弾き語り

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説経節政大夫(せっきょうぶし まさだゆう)
二代目若松若太夫に師事。政太夫の名を許され、師匠若太夫と共に舞台を勤める。ベルギーでの「ユーロパリアJAPAN」に出演。説経節政大夫に改名。見世 物学会などにも出席している。小栗の物語の現存するもっとも古いテキスト『せつきよう・をくり』全段を遠藤啄郎演出で復元上演。他に遠藤演出による宮澤賢治『二十六夜』『土神と狐』や、『極楽金魚』、『小栗と照手』(シアターΧプロデュース)等に出演している。

音楽:説経節政大夫、松本利洋
舞台装置:堀尾幸雄
振付:森田守恒
衣装:佐々波雅子
照明:竹内右史
舞台監督:山梨信次
演出助手:垣花理恵子
舞台装置助手:濱田優衣、湯浅美穂里
人形美術助手:吉岡紗矢、長井望美
グラフィックデザイン:遠藤享
記録映像:古屋均
制作:斎藤朋、奥本聡+横浜ボートシアター
主催:横浜ボーシアター

出演:玉寄長政、吉岡紗矢、近藤春菜、綾香詳三、柿澤あゆみ、奥本聡
演奏:説経節政大夫、松本利洋、村上洋司
スタッフ・出演者の詳しいプロフィールについてはこちらをご参照ください
http://koinikuruite.com/index.php/staff

▼「恋に狂ひて」初演の成果

「恋に狂ひて」の上演は様々な反響がありました。

アンケートより感想
・凄いものを観たとしか言いようがない。人が人形に感応し人形が人に感応する。かつて存在しなかった「人形劇」。説教節、パーカッション、エレキの生演奏と、ふね劇場ならではの波にもまれる揺蕩いが、夢幻を増幅する。 (男性、Twitter)

3月7日(横浜ボートシアター)
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・空間と言葉と語り、人形と演者の方々、音楽。とても心地よく一体となっていた。(20代・女性)
とても面白い!滝の場面が特に。芝居の魅力をあらためて感じました。(60代・女性)
・病鬼の演出がとても良かったです。人形と役者の表情が二重映しになる感覚が面白いと思いました。仮面も様式的でありつつ生々しい力強いものを感じます。パーカッションも良かったです。観終わったときの感触が能と同じで、死者が自らいかに死んだかを語ったような、そういうカタルシスが居並んだ人形にあった。(30代・男性)
・狂言と演劇そして人形劇をいっぺんに観られたようでお得感に満ち溢れる。(10代・男性)
・非常に楽しませていただきました。試演会からの進化・発展をすべての面に感じます。完成度が高く素晴らしかった。(女性)
・清平妻の命が失われる演出が動きがあってよかったです。はるばる来てよかった。観られて良かった。これにつきます。(女性)
・ボートシアターをずっと楽しみにしていて、今日やっと来ることができました。とても良かったです。(30代・女性) 

3月8日(横浜ボートシアター)

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・人形も人物も圧倒されました!(60代・女性)
・語りあり。歌あり。踊りがある。愛、憎しみ、裏切り、怒り、絶望すべて。情念が浄化されていく。仮面、人形。中世・現代。ジャンルや時空を融合していることに感動しました。(60代・男性)
・文語調の語りに耳が慣れるにつれ、その歯切れの良さと力強さにひきこまれました。人形と人とが一体化し、楽しませてもらいました。(女性)
・good! 今回で3回目の『恋に狂ひて』でした。役者・人形・語り・音楽・仕掛け全て良かったです。(男性)
・船で「マハーバーラタ」以来の満足感です。(男性)
・ダイナミックな舞台で、大変感動しました。(60代・男性)
・ボートシアターでの上演、観劇を心待ちにしていました。ようやく、初めて観ることが出来ました。説経節と絡み、舞台装置、人形、仮面の構成の妙はもちろんですが、話がすごいですね。ここまで無常観のある話とは思っていなかったので、驚きました。人形と人、人が作る現象の表現が楽しかったです。救いの無さがたまらなかった。(40代・男性)
・静的なものを想像していたのですが、テンポも良く、曲も現代的で飽きずに楽しめました。古い日本の思想に基づくお芝居は(文楽なども)見ていて、あまりにも理不尽なのでつらくなりますが、笑いもまじえて軽やかに扱っていただいたのが救いでした。役者さんたら、ひとり何役も、スゴイ(60代・女性)
・楽しく拝見しました。折口論文も読んで、全文を読みましたがわけがわかりませんでした。今日芝居を見て、ようやくストーリーがわかりました。(50代・男性)
・人形劇を劇場で観るのは初めてでしたが、想像以上に迫力があり驚きました。役者や音楽のパワーを身近に感じられたことが第一印象として残っています。個人的に一番驚いたのは、役者と人形が一心同体のようになっていたことです。

3月9日(横浜ボートシアター)
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・語りの楽しさがいっぱいでした。人形の扱いもよかった。あらすじの一部、フランス古典フェードルと似ていますね。両方構造分析をしてみたくなりました。(50代・男性)
・本当に素晴らしく感動致しました。どれだけ時間を積み重ねてきたことか……集大成というより、新しい世界に一歩踏み出したのではないでしょうか。生身の人間そのものが語って、感情が見えてしまうよりも、物語を自分で想像したり、ふくよかになるのが不思議です。コトバの力、場、音楽、人形……すべてが混在し、また、それを勉強するのではなく、遊んでしまうに近いところの力加減が、観る者も、肩の力が抜け、とてもよいと思いました。本当に良かった。(参った、参った、まずいぞ私。くそー年寄りに負けていられない)(女性)
・素敵です!! どんな形になるのか想像ができませんでしたが、人形も音楽も芝居も衣装もせりふもみんな素敵です。札幌公演、ぜひ実現して欲しいです。鳥の話でやまびこ座に来て以来いらしてないのでは? 群読、ユニゾンの台詞大好きです。衣装の森になったり、道になったり素敵です。札幌ぜひ来てください!!(50代・女性)
・はじめて観ましたが、感動しました。人形も素晴らしく、演者もとても良かったです。語る“ことば”にいやされました。素敵な体験をさせてもらいました。(60代・女性)
・シンプルな演出と声、セリフがよく通り、心に響くものでした。(50代・女性)
・場の設定、舞台空間、人形、仮面、と人、音など、全てが一体となった異空間でおりなされる因果。素晴らしい舞台でした。(60代・男性)
・このような公演ははじめてみました。すばらしかった!!の一言です。(不明)
・ボートシアターの『小栗判官・照手姫』を初めて観てからもう20数年。説経をもとにした公演が今回で2回目というのに驚いた。人形劇というので、どのように演じるのか興味があった。仮面でなく人形というところに新鮮味があったし、また演劇的にも成功していた。静的な第1部、動的な第2部の演出も興味深い。女優さん3人がとくに熱演で素晴らしかった。台詞はだいたいわかったので、脚本はこれで良いと思う。それにしても登場人物がよく泣きましたね。結末が人形の整列なのもよかった。『小栗』に引き続いて、説経を題材としたところに意味がある。(60代・男性)
・物語の悲愴さがひしひしと伝わるお芝居でした。エンマ様の動きが印象に残っています。(10代・女性)

3月14日(シアターΧ)
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・声・人形・身体と言葉の表現の可能性に興味を持ちました。文語体とエレキギターの融合が表現として良いと思います。日頃仕事で忙しくしていますが文化は人が生きていく上で不可欠と再認識しました。(20代・男性)
・人形劇は初めてでした。素晴らしい!の一言に尽きます。黒子の衣装が機能的で斬新です。龍神の瀧の布の使い方が上手い!はじめどうなる事かと思ったが引き込まれていった。台詞が聴きやすく通る語りで最高でした。(70代・男性)
・もっと人形を振り回さない方がよかったと思いました(置きっ放しにするとか)。役者の方の演技がいい分そこが気になりました。(不明)
・素晴らしい!言葉が難しくても言葉の持つエネルギーがそのまま語りかけてくる様なとてもエキサイティングな舞台でした。役者の皆様も素晴らしい!演出も、人形も、舞台におさまりきらない素晴らしい作品です。今日はドキドキして眠れそうにありません!(女性)
・もう、大興奮でした。改めて人形劇の可能性を感じました。(20代・女性)
・春菜さんかっこよかったです。人形と、人形を動かし、体で表現している人が、2つあって1つの役になっているのがちょっと不思議な感じでした。いたち、さる、えんま大王などの笑いや、最後の集団自殺など、ちょっと今までの自分のイメージとは違う、でもどこかなるほどという日本を感じました。(男性)

3月15日昼(シアターΧ)
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・是非再演を(シアターΧで)(70代・女性)
・去年のボートシアターでの公演を観ての観劇でした。役者さんたちが人形と同化し、また、舞台の一部にもなる演出は見事でした。(不明)
・以前、文楽をよく観ていたのでなおさら感じたのですが、演じる人の表情が豊かなのに、人形そのものが語り、感情を表出しているようにぐいぐいと引きこまれました。(不明)
・世界のどこにもない舞台。そう思えるほど、オリジナルな作品だった。横浜ボートシアターの「恋に狂ひて」両国公演。演出の遠藤啄郎さんが製作した人形が美しい。くすんだ黄金の壁の装置の存在感も抜群。それがあるだけで、中世の京の都から、比叡山の山の中まで物語の場を成り立たせてしまう。
文楽とは違い、人形を遣う役者たちは、登場人物と一体化し、嘆いたり、祈ったり、恋に胸をかきむしられる様子を顔でも全身でも、言葉でも表す。運命に翻弄され、生きることがかなわなくなる主人公、愛護の若を演じる女優が客席を支配する力はとりわけ大きい。若を思うあまり、黄泉の国からいたちに化身して現世に戻る母、御台所の女優も、情念の深さと滑稽が入り交じって秀逸。 それにしても、6人の俳優陣の層の厚く、多芸なこと。前妻の子、若を愛してしまう女の凄みはやがて最後は竜に身を変えるが、閻魔大王の使いの「見る目童子」の滑稽も、別の場面で演じてしまう。若を愛しながら死に追いやってしまう二条清平役の役者の演技からも、非情な運命に操られた犠牲者であることが伝わってくる。長谷観音や閻魔大王といった「異形の怪人」や、孤独な若と心を通わせる細工師や猿の脇もいい。
弾き語りと音楽の力はむろん、大きい。文楽の三味線のような、交響曲を聴くような圧倒的なものとは違うが、3人だけで進行しているとは信じられないほど。
演劇王国、ロシアの人たちに見てもらいたいと思った。もう少し練り上げられれば、モスクワやペテルブルクの芝居好きに絶賛されるだろう。演技、美術、音楽、そしてそれらを統合する演出の閃きと知性と厳しい目。あらためて演劇が総合芸術であることを実感する。(50代 男性)

以上、2014年3月の横浜・東京公演アンケートより抜粋いたしました。その他の感想はこちら
http://togetter.com/li/640629

また、大正大学表現学科の授業の一環として取り上げられ、学生たちによってホームページも作成されました。
http://koinikuruite.com/

「恋に狂ひて」上演記録
http://www.yokohama-boattheatre.org/company-information/works/koinikuruite

▼最後にプロジェクトにかける思いやページを見てくれたひとへのお礼のコメント

担当者より
当プロジェクトについて、最後までお読みくださりありがとうございます。横浜ボートシアターの舞台は常に“手作り”です。「恋に狂ひて」の準備には1年半以上時間をかけており、仮面や人形、衣装、装置、などの舞台美術は公演に参加しているメンバーが自分たちで作っています。また、音楽も作曲から行い、俳優たちの演技もじっくりと練られたものです。 このような作り方は、採算を度外視した作り方で、次々に新作を期待される昨今の状況には合わないかもしれません。けれども、丁寧に時間をかけて作品を作るということに私は価値を見出しています。時間をかけて作ったものを再演を繰り返すことによって、多くの人へと届けるこのスタイルは一つの作品を大切にしていると考えられるからです。我々が再演を行うのは単に興行的な目的ではありません。再演を通して、作品を磨き上げることを目指しています。再演とは作品が持っている可能性を広げることだと考えています。 一方で、このスタイルにも欠点があります。時間をかけるということは、本当は費用がかかっていることに他なりません。現在は、参加者の善意に甘えている状態です。けれども、公演の収支次第で、参加者に耐えられない程の負担がかかってしまうかもしれません。そうなってしまっては、時間をかけて作った「恋に狂ひて」を多くの人に届けることが出来なくなってしまいます。つまり、作品の可能性が閉じられるということです。
今回、このサイトでプロジェクトを開始した理由は、3点あります。“1.「恋に狂ひて」の面白さを広く知ってもらいたい”“2.我々の作品(作品作り)に対する考え方を知ってもらい賛意を得たい”“3.「恋に狂ひて」の参加者の負担を減らし、作品の可能性を広げたい”この3つです。
クラウドファンディングは私たちにとっても初めてのことです。どのようなことになるのか、想像もつきません。だからこそ、多くの可能性が秘められているのだと思います。このサイトを通じて新たな出会いがあることを願っております。

プロジェクト担当 奥本聡

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奥本聡(おくもと さとし)
1987年生まれ。2009年慶應義塾大学商学部卒。
2004年高校在籍時にギリシャ・ケファロニア島リクスーリ市との演劇を通じた青少年交流企画に参加。大学在籍時より横浜ボートシアターへ入団し現在に至る。「恋に狂ひて」初演では、俳優として出演するのみならず、制作スタッフとして稽古場の確保や資金調達なども行った。
主な出演作品に「賢治讃へ」「火山の王宮」「賢治讃の仮面劇」「恋に狂ひて」、「小栗と照手」(シアターΧプロデュース 東京・ルーマニア公演)

  • 2015/04/11 01:52

    本日、無事に初日を明けることが出来ました。横浜での公演は短いですが、あと二日しっかり努めようと思います。

  • 2015/03/23 15:21

    本日も、稽古を行います。振付や、歌の場面、演出の変わったシーンなどを中心により質を高めていきます!

  • 2015/03/14 22:07

    本日は、横浜周辺の劇場回りを行ってきました。 先日、こちらでもアップロードしたチラシを赤レンガ倉庫やジャック&ベティなど劇場や映画館においてもらいました。良い結果が出てくれると助かるのですが。

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