「冬は朝5時に起きて、必死に机に向かいました。」高校受験を控えた女の子
「私は母子家庭で暮らしています。小さいころ、父の借金が原因で両親は離婚しました。それから、母は女手ひとつで私と2人の兄を育ててくれました。
母はなんとか暮らしぶりを変えようと、あるとき看護師になることを目指して看護学校で勉強を始めました。家事を終えた後、夜遅くまで一生懸命に勉強していた母の姿をよく覚えています。しかし、そんな矢先、これまでの無理がたたってか、母はうつ病にかかり、寝たきりになってしまいました。それからは、疎遠になっていた祖母の助けと生活保護で日々暮らしています。
中学3年生になり、高校受験が近づいたとき、周囲の友達たちは塾に行き始めました。家庭の経済的な事情で塾には行けないし、滑り止めの私立高校は受けられない、そんな環境の中で焦りが募りました。そんなとき、インターネットでチャンス・フォー・チルドレンの活動を知り、支援に応募し、無事「教育クーポン」を利用できるようになりました。
家事の手伝いをしなければならず、交通費ももったいないので、いただいた「教育クーポン」では、自宅でできる受験対策の通信講座を受けることにしました。夏に体調を崩して入院してしまったので、退院してから寒い冬にかけては朝5時に起きて約1時間半、夜は3時間半、必死に机に向かいました。そのおかげで、無事に希望していた高校に合格することができました。
高校生になった今も、授業の進度に遅れないよう、朝5時に起きて通信講座で予習をしてから高校に向かうようにしています。将来は、母が目指していた医療現場で働くことを目標に、毎日勉強にはげんでいます。」
▼日本では、6人に1人の子どもが貧困状態にあります。
こんにちは、チャンス・フォー・チルドレンの今井と申します。私たちはリーマンショック後の2009年から、経済困窮世帯の子どもたちに対して教育支援を続けてきました。
厚生労働省が2014年にまとめた報告書によると、日本の子ども(17歳以下)の相対的貧困率は16.3%(2012年)でした。これは、日本の子どもの約6人に1人が貧困状態にあることを示しています 。
貧困家庭で育つ子どもたちは、 学習塾や習い事など学校外で十分な教育機会を得ることができません。それが学力や体験の格差を招く一因となり、将来の就労も難しくなって、なかなか貧困状態から抜け出せないという悪循環に陥ります。親世代の貧困が子どもの将来にまで影響を及ぼしてしまうのです。
特に、文部科学省「平成26年度子供の学習費調査」によると、高校受験を控えた中学3年生には年平均40万円以上の学校外活動費がかかっていることが明らかになっており、子どもたちの将来の進路選択には、学校外教育の機会が重要な役割を担っています。今回のプロジェクトは、特に冬に受験を控えた中学3年生、高校3年生を応援するために開始しました。
私たちチャンス・フォー・ チルドレンは、「教育格差」を解消することこそが、貧困の連鎖を断ち切るカギと考え、家庭の事情や災害によって経済的な困難を抱えている家庭の子どもたちに、学習塾や習い事で利用できる「教育クーポン」(CFCクーポン) を提供しています。リーマンショック後の2009年から活動を始め、これまで延べ1400名以上の子どもたちの学ぶ機会を支えてきました。
【活動の特徴】
・特長1: 現金給付と違い、クーポンの使途は教育サービスに限定できます。
クーポンを支給することで教育以外の目的に使用されることはなく、確実に教育機会を提供することができます。また、有効期限を設けることで、貯蓄することができず、教育費用としてのみ消費されます。
※クーポン支給額:年額15~30万円 (文部科学省「子どもの学習費調査」等を参考に設定)
・特長2: 子どもは幅広い教育サービスの中から自分の受けたいサービスを選択できます。
1.教科学習(塾、予備校、家庭教師、通信教育など)
2.スポーツ(スイミング、スポーツ教室など)
3.文化活動(ピアノ教室、音楽教室、絵画教室など)
4.体験活動(キャンプ、野外活動、社会体験など)
5.習い事(習字、そろばん、パソコン教室、外国語教室など)
・特長3: 大学生ボランティアが子どもたちを継続的に見守ります。
大学生ボランティアが月に一度、面談を通して学習や進路の相談にのる「ブラザー・ シスター制度」を導入しています。クーポンの利用に関するアドバイスを行うことで、 クーポンの有効利用を促進します。
▼経済的自立を果たした卒業生が社会に巣立っていっています。
クーポンの原資は、個人や企業の皆さまからの寄付となっています。このため、クーポンを利用している子どもたちからは、「全く見ず知らずの方が自分に寄付をし、応援してくれている。そう思うと明るい気持ちになり、受験勉強で辛いとき精神的に支えられました」といった声も届いています。
そして、7年間の活動を通して、進学後に希望の就職を果たし、経済的自立を果たした卒業生もでてきています。彼らは、決して「可哀想な子どもたち」ではありません。学ぶチャンスさえあれば、社会を支える人材に成長する可能性を秘めた「仲間」なのです。
(画像)昨年受験に合格した高校3年生から支援者の方への感謝のお手紙
▼資金不足で1000人以上が落選。一人でも多くの子どもたちにチャンスを届けたい!
私たちのところには、毎年学ぶ意欲の高い子どもたちから支援の応募が殺到します。しかし、寄付金が十分に集まっておらず、多くの子どもたちが落選せざるを得ません。2016年度は、定員215人に対し、1,534名もの子どもから応募が寄せられ、1,000名以上の子どもたちが落選してしまいました。落選してしまった子どもたちが希望を捨ててしまわないように、一刻も早く支援を届けることが私たちとしても急務だと考えています。
特にこの春に受験を控える中学3年生・高校3年生にとって、冬は受験勉強の追い込みにとても重要な時期になります。今回のプロジェクトでは、ひとりでも多くの子どもたちに支援を届けるため、250万円を目標に寄付を募ります。子どもたちが希望の春を迎えられるように、どうぞご支援・ご協力をよろしくお願いします。
【いただいたご支援の使い道】
▼寄付型クラウドファンディングの税制優遇について
チャンス・フォー・チルドレンは「公益社団法人」として認定されています。個人が公益社団法人に対し、事業に関連する寄付をした場合には、 所得税(国税)の計算において、寄付金控除(所得控除)又は税額控除のいずれかを選択して確定申告を行うことにより、所得税の控除を受けることができます。
※「寄付金控除」をお受けいただくためには、確定申告の際に、当法人が発行した「領収証」の提出が必要となります。領収証はプロジェクト期間終了後、当法人口座へのご寄付の入金を確認してから発送させていただきます。
※領収証はGoodMorningではなく当法人が発行・郵送いたします。
最新の活動報告
もっと見るお礼とご報告
2017/01/13 17:5812月1日から実施していた「子どもの貧困を解決する冬の教育募金」プロジェクト期間が終了しましたので、ご支援いただいた皆さまにご報告をさせていただきます。 CFCは、経済的な困難を抱えている家庭の子どもたちに、学習塾や習い事で利用できる「教育クーポン」を提供しており、今回の冬の教育募金プロジェクトは、特に冬に受験を控える中学3年生、高校3年生を応援するために開始しました。 そしてこの度、個人・団体の皆さまから、目標としていた250万円を上回る、総額3,167,996円ものご寄付をいただきました。温かいご支援をいただいた皆さま、お知り合いに当法人の活動を紹介してくださった皆さまには、心から感謝申し上げます。ご寄付は大切に、子どもたちの学習の機会に活用させていただきます。 また今回ご寄付をいただいた方には、子どもたちへ「ためらいなく、希望通りの進路を選択できますように。」「たまには息抜きもしてくださいね。」といった、たくさんの応援の言葉をいただきました。早くも1月半ばとなり、これから子どもたちも受験本番を迎えます。ひとりでも多くの子どもたちが希望の進路を叶えられるよう、スタッフ一同、今後とも全力でサポートしてまいります。 ◆冬の教育募金 実施報告・実施期間: 2016年12月1日(木)〜2017年1月10日(火)・寄付総額: 3,167,996円 もっと見る
「いつか僕を支援してくれた方々のように、人のためになれる大人になりたい」(子どもからの感謝の声)
2017/01/06 16:01【プロジェクトの進捗のご報告】 新年あけましておめでとうございます。昨年、温かいご支援をいただいた皆様には、深くお礼申し上げます。私たちは、2017年も皆さまと一緒に、経済的な事情によって子どもたちの夢や進路が閉ざされない社会の実現に向けて、より一層精進してまいります。本年もどうぞよろしくお願いいたします。 さて本日、皆さまの温かいご支援のおかげで、目標としていた250万円に到達することができました。本サイトには皆さまから1,624,000円ものご寄付を、この他の現金等でいただいたご寄付も合わせると総額2,512,996円ものご寄付をいただいています。この度、温かいご支援をいただいた皆さま、お知り合いに活動を紹介してくださった皆さまには、心から感謝申し上げます。 なお、すでに目標金額は達成いたしましたが、本サイトでは1月10日まで引き続きご寄付を募集しております。当然、目標金額を超えた部分につきましても、教育クーポンの提供以外の目的に使用することはなく、一人でも多くの子どもたちに支援を届けるためのご寄付として大切に使用させていただきます。引き続きプロジェクト終了まで、ご支援・ご協力のほどよろしくお願いいたします。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------- 【子どもから支援者の皆さまへの感謝の声】 僕は高校受験をひかえた中学3年生です。CFCクーポンを利用させていただけることになり、塾へ通わせていただいています。東日本大震災後、父は転職を余儀なくされ、経済的に塾に通うことが難しくなり、以前通っていた塾をやめざるを得ませんでした。それからは、成績も下がる一方で勉強を頑張る気持ちがなくなりつつありました。しかし、そんな時にまた塾に通う機会を与えていただき、志望校合格のため毎日勉強に励んでいます。いつか僕を支援してくれた方々のように、人のためになれる大人になりたいです。僕たちにたくさんの支援をしてくださり、本当にありがとうございました。(宮城県 中3 男子) もっと見る
クーポンで夢を取り戻した女の子(大学生ボランティアからの活動のご報告)
2016/12/28 18:56【プロジェクトの進捗のご報告】 12月も残すところあと数日となりました。 現在、皆さまから1,553,000円もの温かいご寄付をいただいております(進捗率62%)。また、この他にも現金等でご寄付をお預かりしており、総額では2,328,996円ものご支援をいただいています。この度、ご支援をいただいた皆様には改めて深くお礼申し上げます。 プロジェクト終了まであと2週間。目標金額の250万円まであと17万円のご寄付が必要です。引き続き、一人でも多くの子どもたちが希望の春を迎えられるよう、ご支援・ご協力のほどよろしくお願いいたします。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------- 【大学生ボランティアからの活動のご報告】 (チャンス・フォー・チルドレンの活動の重要な役割を担っているのが、定期的に子どもたちの学習や進路相談にのっている大学生ボランティア「ブラザー・シスター」です。本日は、とある大学生ボランティアから子どもたちの様子をご報告します。) ◆クーポンで夢を取り戻した女の子 今日は、私が担当している高校2年生の女の子についてお話しします。部活や生徒会活動も勉強と同じくらい頑張っている子です。 クーポンは塾で、苦手な数学を克服するために使っています。そして「クーポンのおかげで、諦めかけていた夢を追うことができて嬉しい」と言っています。その夢とは、一級建築士になることです。 彼女は高校の国際コミュニケーションコースに通っているので、当初、私はてっきり将来英語に関わる仕事に就きたいのだと思っていました。しかし、実は、彼女は子どものころから工作好きで、牛乳パックで家の模型を作ったりしていたそうです。一級建築士になって、大好きなおばあちゃんのために、家を作ることが彼女の目標です。 しかし、建築士になるためには理系でなければなりません。文系の彼女は数学が苦手ですが、以前は塾に行く余裕もなく、一度は建築士という夢を諦めかけたと言っていました。 そんな時、お父さんに勧められてチャンス・フォー・チルドレンに応募。応募書類には米粒ほどの小さな文字をぎっしり並べ自分の思いを綴ったそうです。クーポンを手にして、彼女は再び一級建築士の夢を追い始めています。 ◆塾に行き始めて・・・子どもに起きた変化 「塾に行き始めて変わったんです、私」。 それが前回の電話面談で出た言葉でした。彼女の通う塾には、生徒が自由に使える学習室があります。先生に教わるだけではなく、自学自習に励む仲間の姿を目にして、「自分も負けていられない」と思ったそうです。 ひとりで勉強していた頃は注意散漫になることもよくあったそうですが、周囲に刺激を受けて、今は集中して勉強できるようになったと教えてくれました。 苦手な数学の克服だけでなく、得意な英語力を磨くことにも余念がありません。いつかはアメリカ留学してみたいとも言っています。建築と英語。2つの武器を身に付けて世界に羽ばたく彼女を見る日が来るかもしれない。私はそう信じています。 もっと見る
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