▼「M.G」とは

「M.G」は東京半蔵門にある、みんなのギャラリーが発行するギャラリー機関誌としてスタートし、これまでに計6回発行して参りました。

みんなのギャラリーで開催される展覧会情報や出展作家インタビュー、また展覧会のテーマに関係する学術的な記事などを掲載し、ギャラリーの活動を様々な角度からご紹介して参りました。

これまでに、「みんなのギャラリー」広報用の機関誌として計6回発刊

 

「M.G」の編集を務めております、田森葉一です。

みんなのギャラリーにてアートディレクターをしております。

どうぞよろしくお願い致します。 

 

▼「M.G」のコンセプトは以下の3つです。

・若手アーティストのキャリアアップに繋がる紹介を行うこと。

・アートを身近に捉えてもらうため、専門的な知識を分かり易く解説すること。

・アート以外の業種とのコラボレーション企画など、実験的なメディアとして、様々な人に対して機能すること。

 

それではこれから、以上のコンセプトを立てた経緯をご説明してまいります。

 

▼「M.G」創刊の経緯

みんなのギャラリー広報の一環としてスタートした「M.G」ですが、創刊のきっかけとなったのは、ギャラリーでドローイングの展覧会を開催することになった際、「ドローイング」という言葉が、多くの人にとってよく分からない言葉なのではないか、という疑問からでした。

一口にドローイングと言っても、その形は様々です…

ドローイング展会場風景

 

11人の作家による100点以上のドローイングを出展

 

そこで、「ドローイングとは何か?」という事について、我々の考えるコンセプトを記事にして、実際の展覧会と共に見てもらい、理解を深めてもらおう、という事になりました。

この時出来上がったものが機関誌「M.G」の第1号です。

「M.G」第1号(2013年9月発刊)

メイン特集「ドローイング展 初めてのアートとの出会い

 

みんなのギャラリーでは、その特徴に、ギャラリーに作家が在廊して、お客様に作品の説明を行うという事があります。「M.G」の創刊が重要だったことは、アーティスト自らが、より積極的に展覧会作りに関わったということにあります。

つまり、制作から広報活動、そして展覧会設営と接客販売までを行う体制を、これを機に形成することができたという事です。

このように、会場にて説明をすることはもちろん、展覧会のコンセプトを作家自身の言葉で、分かり易く解説していくことは、以後発刊していく機関誌を通しても、続いていく事になります。

 

▼「M.G」の可能性

全8ページだった第1号から、内容は徐々に充実していき、最新号では全20ページまで増量することができました。

そして、号数を増やしていく中で、私たちは「M.G」というものが、ギャラリーの機関誌としてよりも、もっと大きな可能性があることに気付きました。

それは、

このようなアートにおける状況を、少しでも変えていくための、作家が自らの活動の情報発信を、「M.G」を通して積極的に行うことができる、という事です。

 

「M.G」に登場する作家は、みんなのギャラリーで展示する作家たちが中心なのですが、彼らは皆、プロを目指す若手です。

プロになるには、制作だけしていればいい。

そんなことは決してありません。

待っているだけでは、誰も取り上げてはくれません。

自分の活動は自分で説明していかなければならないのです。

 

 

▼アーティストの活動

出口雄樹という作家がいます。

「M.G」の企画・執筆担当です。

彼は現在アメリカ、ニューヨーク在住なのですが、現地で活動しながら、「M.G」に色々な情報を提供してくれます。 

 

彼が届けてくれる記事には、アートの中心地ニューヨークで起こっているリアルな情報と、作家として彼がどのように日々格闘しているのかという活動報告とが一緒になっていて、とても刺激的です。

 

各地で行われる大規模なアートプロジェクトをレポート

 

フランスに滞在した際には、その時のリサーチを元に、パリのアートの歴史について執筆しました。

彼は大学で日本画を学んだのですが、日本の美術を世界に通用させるために、まずは相手を知ることからと言って、その国の歴史や現状について調べることに余念がありません。

そうした活動が、「M.G」の記事となっていきます。

「M.G」Vol.6(2015/3発刊)「遠くへ行くものは、馬をいたわる」出口雄樹

 

作品というものは、その作家が見たもの、聞いたこと、感じたこと全てが元となって創り出されます。

作家が制作する「M.G」では、その過程を写し出すことができるのです。

The Comforter’s Head Never Ached (部分) / 出口雄樹

 

いざ作品を見るときに、作家がどのような事を考えて制作しているのかという部分を知ってもらうことはとても大切です。

作家へのインタビュー記事では作家自身の言葉で語ってもらい、また作家の制作スタジオを写真で紹介しています。

「M.G」Vol.6(2015/3発刊) 「5月出展作家 杉田陽平」

 

「M.G」Vol.4(2014/7発刊) 「福島万里子インタビュー 彼女のみている世界とは何なのか?」

 

アーティストの活動は時に、全く異なる分野に渡って行われることもあります。

 

原麻奈美という作家が、老人ホームで行ったアートイベントを、レポート記事として掲載しました。

原は色鉛筆を使って作品を作る作家なのですが、この時は、老人ホームの入居者の方々に塗り絵をしてもらって、1枚の絵を完成させました。

「M.G」Vol.6(2015/3発刊)「アートのじかん-塗ってつなげて一つの作品-」

 

「いったん作り始めてしまえば、そこには年齢も性別も関係ない対等な時間が生まれる」と彼女は語ります。

ギャラリーの外から出て、アートが社会の中でどのように機能することができるのか、「M.G」はその可能性を探っていきます。

 

「M.G」ではこの他にも、アートコレクターさんへのインタビューや、作家のイラスト掲載、また美術史を専攻する学生に執筆を依頼するなど、多くの方の協力を得ながら、進んで参りました。 

「M.G」Vol.6(2015/3発刊) 「作品は、内省する時間を与えてくれるもの」

 

「M.G」Vol.2(2013/12発刊) 「名雪大河の蛙日記」

 

ここまで、「M.G」がどのような経緯で始まり、そして、どのようなコンセプトで制作を行ってきたかについて、ご説明して参りました。

今後、「M.G」をフリーマガジン化するにあたり、以上のような活動姿勢を維持しながら、より多くの方々に楽しんでいけるような誌面作りを目指して参ります。

それでは次に、皆様から頂いた資金とリターンについてご説明致します。

 

▼機関誌からフリーマガジン化するということ

ギャラリーの広報としてスタートした「M.G」は当初収入を目的としたものではありませんでした。

しかし、今後「M.G」をみんなのギャラリーの独立した1部門として成立させ、より広範囲に渡る発信展開を目指すため、機関誌から、フリーマガジンという位置付けで再スタートし、将来的に広告収入を中心とした制作体制にシフトしていきます。

そのための初期制作にかかる印刷費、取材費として、皆様からご支援いただく資金を使用していきます。

 

▼リターンにつきましては、次のようにご提案させて頂きます。

●マガジンの定期購読者様としてご登録させて頂き、定期購読者様限定の記事をつけて「M.G」本誌を毎号お届け致します。

現在、年4回の発刊を予定しております。

ご希望の方にはPDFデータとしてもお送りさせて頂きます。

※国内発送のみとさせて頂きます。予めご了承ください。

 

 

●ご支援頂いた皆様のお名前を、誌面にクレジットさせて頂きます。

 

●みんなのギャラリーで行われる展覧会の内覧会にご招待致します。

内覧会は会期前に行われますので、いち早く作品をご覧頂くことができます。

みんなのギャラリーでは月に一度展覧会を開催しています。

展覧会は若手作家の個展が中心です。

ギャラリーは東京メトロ半蔵門駅1番出口を出て徒歩1分のところにございます。

http://minnanog.wix.com/minna

「漆ノカタチ2014」 2014/5

 

松下徹個展「WRECKAGE」 2014/10

 

こばやしまな個展「インド・ミティラー画 祈りのつづき」 2014/11

 

白鳥純司個展「ハリネズミのKOTETSU」 2014/12

 

●みんなのギャラリー過去出展作家、松浦進の限定版画を贈呈致します。

松浦 進 Susumu Matsuura
1989年旭川市出身 / 札幌を拠点として活動中

松浦進HP http://susumumatsuura.tumblr.com/

 

作品イメージ(部分) サイズはハガキサイズ(148×100mm)になります。

 

●みんなのギャラリー過去出展作家、こばやしまな限定銅版画を贈呈致します。

こばやしまな

1985年東京都出身 / 写真は銅版画制作中、刷り上がりのところ

 こばやしまなHP http://komana.jimdo.com/

 

作品イメージ

※実際の作品は只今制作中です。イメージとは異なりますので何卒ご了承ください。

 

●みんなのギャラリー過去出展作家作成のドローイングを贈呈致します。

※1点ものにつき、内容はこちらで指定させて頂きます。予めご了承ください。

作品イメージ(部分) サイズはA4サイズ(297×210mm)になります。

 

▼最後までお読み頂き、ありがとうございました。

今や美術系大学を卒業するアーティスト志望者は年間2万人とも言われますが、当然ながら、プロを目指し制作を続けていくことは容易ではありません。

同時にアートと社会とが接続できる部分もまだまだ不透明です。

 

最後に少しだけ、私自身の事をお話させて頂きますと、私は、みんなのギャラリーのディレクターになるまで、多くの作家志望者と同じく、一人黙々と制作をしながらのフリーター生活を送っていました。

今、みんなのギャラリーでの経験を通して強く思うのは、人と人とが結びつくことの重要性です。

ギャラリーそして、「M.G」を通して、私が出会う人々全てと、何か一緒に作り出せるものがあるかも知れない。

そう思えることが楽しくて仕方ありません。

「M.G」は、作家が作る新しいメディアとして、プロを目指すアーティストたちはどんな事を考え、行動しているのかということを、皆様に紹介していきます。

アートに関心がなかった人にも、アートをもっと知りたいと思う人にも、より多くの人の目に触れられるようになっていくことを目指します。

そして、何かワクワクするような新たなアイディアを皆様と一緒に作っていければと思います。

フリーマガジン「M.G」の実現にご興味を持って頂きたく、また皆様からのご支援を賜りたく、心よりお願いを申し上げます。

 

みんなのギャラリー

アートディレクター・田森葉一

企画、執筆・出口雄樹

  • 2015/05/08 05:44

    新刊の表紙(一部)ができました! 少しレトロな印象があるのは、日本の近代に活動した前衛芸術集団「MAVO」マヴォが当時発行していた機関誌を参考にしていることと、メイン特集のサガキケイタが7月に行う個展のテーマにも関係しています! プロジェクトの資金募集締め切りが近づいて参りました。 新刊...

  • 2015/04/20 12:42

    7月発行予定の「M.G」のメイン特集はアーティストのサガキケイタ特集です! サガキは極細ペンを用いて超細密な絵を描く作家です。 http://sagakikeita.com/index.html 昨年はフジテレビ新発見アートバラエティ『アーホ!』に出演、最近も千代田3331アートフェアで...

  • 2015/04/19 13:08

    M.Gを発刊している、みんなのギャラリーでは毎月展示を行っています。 ここでの活動が元になり、機関誌という形でM.Gが誕生しました。 現在は日本画の鈴木奈緒の個展を開催しています。 会期は4/27(月)までです。 これまでのM.G Vol.1~6をギャラリーにてお配りしています。 ...

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