こんにちは、京田辺シュタイナー学校12年生(高校3年生)です!

シュタイナー学校とは、ドイツの思想家ルドルフ・シュタイナーの理念に基づくカリキュラムで学ぶ学校です。(下記”学校紹介”をご参照下さい。)僕たちの学校は12年一貫校で、小学1年生から高校3年生までが共に学んでいます。12年生は毎年、12年間の学びの集大成として「卒業演劇」に取り組みます。僕たちは香月日輪(こうづきひのわ)作の『エル・シオン』という作品を選び、11年生の春から1年以上の期間取り組んできました。

演劇にかける思いの熱いクラスで、学校史上初の進み具合だと驚かれていた矢先、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態で練習は突如休止となりました。公演は4ヶ月延期され、地元のホールでの上演も断念することになりました。一度は落ち込んだ僕たちでしたが、話し合いを重ねる中で「こんな状況だからこそ出来ることがあるのでは」と発想を転換し、校舎に屋外舞台を附設する、演劇作りの”プロセス”も公開する、本番を配信するなどの、新しい挑戦に乗り出すことにしました。このクラウドファンディングは、この中の”プロセス公開”にあたる「メイキング動画の制作・配信」のために企画し、みなさまのご賛同とご協力をいただきたいと考えました。それを実現させるための資金が必要です。よろしくお願いします!


現在、世界には1000校以上のシュタイナー学校があります。日本でも北海道から九州まで、全国に7校の全日制シュタイナー学校があり、そのうちの1つが僕たちの学校、京田辺シュタイナー学校です。

京田辺シュタイナー学校は、2001年に、わが子にシュタイナー教育を受けさせたいという思いを持った保護者と、この教育に可能性を見出し学んだ教員によって、ここ京都府京田辺の地に設立されました。そこから今に至るまで、僕たちの学校はずっと、保護者と教員が力を合わせて運営しています。

低学年からあらゆる学びに芸術や工芸の要素が取り込まれていたり、どの学年でも一つの科目を数週間ずつ集中して学ぶ授業形式であったりと、僕らの学校の学び方はかなりユニークです。高等部では、学ぶことと活動することの統合がさらに求められ、様々な企画を立て実行する中で「世界を知り、自分と出会う」体験を重ねます。そうしたカリキュラムの集大成の一つが、12年生で取り組む卒業演劇なのです。


昨年の4月からクラス全員で題材となる作品を探し、話し合いを重ねました。僕たちの学校では意思決定の際は多数決ではなく、全員が納得して初めて先へ進むというやり方をとっています。そのため決定までには時間がかかりますが、決まった後は一丸となって行動することができます。演目を探す中で小説『エル・シオン』に出会い、夢を持つこと、強大な力から自立することの意味を考え伝えようと、この作品に決めました。題材選びの後は脚本や大小道具、衣装から劇中の音楽まで、全て自分たちの手で作り上げていきます。

全体統括

クラスの”司令塔”。各制作班の進捗を確かめつつ、全体が予定通りに進むよう心血を注ぐ!


大小道具

会場が屋外になっても挫けない!ーー静かな佇まいに遊び心を秘めた、舞台設計の職人たち。


衣装

70もの役柄に合わせた衣装を、流れるようなカッティングと正確無比な針さばきで創り出す!


音響

それぞれの得意楽器を生かして、こだわりの主題歌を仕上げる。


演出

作品の流れや深みに迫る演出を、各グループの制作を活かしつつ、日々考案中。


脚本

今使用しているのは第4稿。作品の持つメッセージを伝えられるよう、一人黙々推敲を続けています。


広報

まずはポスター、それから……? 今年ならではの広報活動に励みます。

『エル・シオン』 香月 日輪 著

昼は薬屋、夜は盗賊を生業とする青年バルキスは自由気ままに暮らしていた。死にゆく母親が残した「オルムランデは魔王を封じ込めた地…」という言葉に導かれるように向かった廃教会。そこで彼が出会ったのは、子どもの姿をした魔王、フップだった。図らずも封印を解き、魔王の支配者となってしまったバルキスは、「支配者の夢を叶えるのが仕事だ」と言うフップを「夢なんてない」と突き放す。しかしその頃、世界征服をもくろむ残虐な王ドオブレが、魔王を手に入れようとオルムランデにその手を伸ばしてきていた。故郷を守るという「夢」のために今、バルキスは立ち上がる……!

カメラが入った状態で、いつも通りの自分で動き、話し、表現することは出来るのか?――何度も問い直し、話し合いました。「ありのまま」を伝えることは難しい。そのことを明確に認識した上で、見ていただける価値のある「真実」、そして、メイキングとしてのおもしろさを追求したいと考えています。

「話し合い、動き、形にする過程」や「苦労を含めとことん楽しむ姿」を伝えたい。そんなクラスの総意で制作を決意しました。等身大の自分たちでただ一生懸命に、しかし構えることなく、この歩みを刻んでいこうと思います。



クラス全員が演者であり舞台制作者であるため、撮影はプロの方にお願いすることにしました。皆さんからのご支援は、このメイキング動画の撮影・編集料として大切に使わせていただきます。僕たち生徒自身も主体的に企画・編集に関わり、作り上げていこうと思います。

8月・9月・10月の末に各5分程度、11月に総集編として15分程度のメイキング動画を計4作、YouTubeまたはVimeoなどの動画配信サイトより配信する予定です。

1000円   限定ポストカード(写真参照)

この劇のオリジナルポストカードです。試行錯誤を重ねて描いたポスターを、ポストカードに印刷しました。風になびく剣の帯で、物語のテーマである”自立”や、”夢に向かっていく主人公”をイメージしています。

3000円   主題歌歌唱動画

作品の雰囲気や原作の歌詞を参考に作り上げた合唱曲を、クラス全員で歌った動画です。幼い頃から共に歌ってきた僕たちの、この劇への想いがつまった歌声をどうぞお聞きください。

5000円  トランスパレントスター(写真参照)

陽の光に透ける色紙を用いた装飾品です。光が差し込むと美しい幾何学模様が浮かび上がります。窓に飾ってお楽しみください。

10000円  ローズウィンドウ、糸掛グラフィックのしおり(写真参照)         

ローズウィンドウとは、丸い縁にローズウインドウペーパーを重ねて作った円形の飾りです。縁があるので、窓に飾るだけでなく洗面台や玄関などに置いて楽しむこともできます。糸掛けグラフィックとは細い糸で幾何学模様を刺繍したものです。

*今回ご支援して下さった全ての方に、メイキング映像配信のご連絡を差し上げます。

*一つ一つ心を込めて作りますので発送まで少しお時間を頂戴します。ご了承ください。


メイキング映像    1本目公開日  2020年8月31日(月曜日)

           2本目公開日  2020年 9月 30日(水曜日)  

           3本目公開日  2020年 10月 26日(月曜日)

リターン発送   2020年9月末まで

本番公演日    2020年 11月2/3/4日(新型コロナウイルス感染拡大の状況により、事前に入場の制限/調整を行う可能性があります。最新情報はプロフィール欄下のリンクにあります卒業演劇ブログをご参照ください。)



メイキング映像を制作すると決めるまでには、紆余曲折がありました。演劇そのものが大変なのにメイキングを撮っている場合なのかと、躊躇や迷いもありました。しかし、こんなコロナ禍の状況だからこそ、自分たちの育ってきたこの学校、みんなで力を尽くすこの演劇を多くの人に知ってもらいたい。多くの人に想いを伝えたいという気持ちで、ここまで進んできました。

”手作り”で創立された学校で、僕たちは濃く充実した12年間を送ってきました。その集大成を、悔いなく全力でやり遂げたい。もっと多くの方にこの学校を知ってほしい。そして、皆さんに自分たちが演劇に込めた想いを届けたい。その気持ちから、僕たちはメイキング映像制作に挑戦します。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!

※本プロジェクトはAll-or-Nothing方式で実施します。

  • 2021/05/18 09:18

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • 2020/09/30 14:53

    肌寒く感じる日も多くなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。演劇本番まで約一ヶ月。僕たちは日々様々な壁にぶつかり、焦りながらも演劇練習に取り組んでいます。ご報告が遅れましたが、先日クラウドファンディングのリターンの発送も完了いたしました。ひとつひとつ感謝の気持ちを込めて制作しました。さ...

  • 2020/08/30 13:57

    このたびは、私たちのプロジェクトにたくさんのご支援をありがとうございました!まず、お礼と報告が遅れましたこと、お詫び申し上げます。  私たちにとってクラウドファンディングは初めての試みでした。そのため、高校生の私たちが皆さまに想いを届けられるのか、と始まる前はとても不安でした。しかし多くの方々...

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