▼はじめに
昭和二十年代、故郷福岡の多賀・高宮地区はまだ樹林の多い丘陵でした。
酒造家の祖父が別荘として建てた私の生家も、敷地の半分は森で、受験勉強を始めるまで、毎日ままごとをして遊んでいました。
ままごとの材料を調達しに森の中に入って、植物の香り、形、色、手触り、痛さ、危なさ、空気の色、光、乾きを身をもって覚えました。
その家も今はなく、四十年ぶりに訪れた多賀・高宮には炭鉱王の屋敷だけが昔の姿で残っていました。
そこで私は六十歳を過ぎて入った大学の卒論テーマを故郷の在来種調査と決めました。
炭鉱王の屋敷は現在は福岡市の所有。東京から毎月通って植生地図を作っていくと、懐かしい草木にいくつも再会しました。
<マツブサ> <キランソウ> <キケマン>
<クサイチゴ> <ニワゼキショウ> <ヒナギキョウ>
<ハマクサギ> <サネカズラ> <アリドオシ>
<オヤシキヤマネコ?> <ツグミ?> <ヒヨドリ?>
なかでも東京や京都では見ることのなかった多賀・高宮の在来種、ヤブムラサキ、チシャノキ、ハクサンボクを見つけた時は声を上げて誰かに知らせたいほどでした。
<ヤブムラサキ> <チシャノキ> <ハクサンボク>
そうしていくうちに、この貴重な屋敷と樹林を正しく整備して保全してもらいたいと思うようになり、福岡市に働きかけました。
大学卒業後も植生調査を続け、仲間を集めて庭木の剪定ボランティアも始めました。
そして2015年に市議会でも整備案がまとまりました。
早ければ2016年春に管理運営者の公募と工事のスケジュールがが発表されます。
▼このプロジェクトで実現したいこと
お屋敷にある多様な在来植物を工事の前に保護しておきたい。
▼プロジェクトをやろうと思った理由
都市の緑地として希少で貴重な生物多様性のある在来植物の多い環境を、保全して次の世代に在来種とは何かを伝えたいから。
▼これまでの活動
2011年から協力者とともに26回の植生調査と植生地図の作成。
2013年から協力者とともに6回のボランティア剪定。
▼資金の使い道
整備工事の前に、樹林の中の在来植物を隔離したり、採取して移植したり鉢植えにしたりする、バックアップ用の材料と道具、人件費、運送料。
在来種の写真を撮って記録に残す絵葉書の作成。
▼リターンについて
応援して下さった皆様へは、プロジェクトの遂行がうまく行くことが一番のお礼ですが、心ばかりの品を送らせて頂きます。
3000円 お手紙と植物の写真はがき3枚
5000円 お手紙と植物の写真はがき5枚
10000円 お手紙と植物の写真はがき5枚と日本一おいしいと評判の自家製マーマレード1瓶
30000円 お手紙と植物の写真はがき5枚と日本一おいしいと評判の自家製マーマレード1瓶と殻むき小豆の上品な灰紫あん1瓶
50000円 お手紙と植物の写真はがき5枚と日本一おいしいと評判の自家製マーマレード2瓶と殻むき小豆の上品な灰紫あん2瓶
100000円 お手紙と植物の写真はがき5枚と、たん柑マーマレードと美生柑マーマレードとさがほのかジャムと殻むき小豆の灰紫あん詰め合わせと、東京の試食付き料理塾か京都のままごと会の2名参加券1枚
▼最後に
福岡市では、この整備と運営の事業に民間の力を使うため、設計業者、管理運営業者、造園業者、建築業者がチームを作って公募に応募することを指示しています。
私も保全のための任意団体を作りましたので、管理運営者に立候補します。
受かったらカフェを開き、コレクションの展示やままごとのできる緑地の管理と運営に努めるつもりです。
カフェの道具は以前使っていたものがありますが、足りないものが出てくるかもしれません。
<雪と山茶花でしば漬茶漬> <金木犀のパン粉でメンチカツ>
そのときはまた新たなプロジェクトで皆様のお力をお借りしたいと思います。
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