はじめにご挨拶

 メーカーは試作はできますが、営業ができません。試着会、受注会を開きたいと思っても、顧客リストがありませんし、広告宣伝には費用も掛かります。

 そこで、クラウドファンディングの力を借りたいと思います。

 試着会は完全招待制とします。多くの人数を呼ぶよりも、関心のある人に直接、「藍染め」や「喜之助紺屋ブランド」、「和様生活着」について説明したいのです。

 藍染め商品は色落ちします。藍染めの職人は、「これ以上濃く染まらないだろう」と思うところまで何度も濃く染めます。ある意味で、藍染めは漢方薬と同じです。効能があるから濃く染める。お客様もそれを知っているから色落ちを喜んだのです。

 しかし、現在の小売店の品質管理基準では色落ちする藍染めは基準を通りません。扱いを知らなければ、他の製品に移染してしまいます。ですから、小売店を通らずに、直接、お客様に説明し、販売したいのです。

 また、藍染めは資源が限られています。スクモ(藍玉)の生産も減少し、入手困難です。藍の糸染めの生産能力にも限界がありますので、大量生産は不可能なのです。ですから、継続してお付き合いのできるお客様と長いお付き合いをさせていただきたいと思っています。

 今回のプロジェクトは、私たちとお客様との関係作りのスタートです。何卒、温かいご支援をよろしくお願いします。そして、ご一緒に藍染めを身につける体験を楽しみましょう。

和様生活着「忍者キモノ」の提案

 一般的なきものは、足首までの丈がある長着(ながぎ)です。剣道着や居合着は、丈の短い半着(はんぎ)です。

 昔の野良着や職人が着るきものは、長着ばかりではなく、様々な丈のきものがありました。長着を着るには、紐や帯が必要ですが、半着と袴や股引などの組み合わせにすれば、帯も必要ありません。現在のシャツとパンツのような着こなしです。

 忍者のきものは、野良着がベースと言われています。機能性を考えると、現在の居合着のような半着と剣道の袴、あるいは、ズポンのような細身のたっつけ袴の組み合わせが良いのではないか、と考えて試作しました。これを、「忍者キモノ」の基本にしたいと思います。

 「忍者キモノ」とは、忍者装束ではありません。現代人のための和様の生活着です。

忍者装束は藍染だった?!

 忍者が着る装束は、黒装束とされていますが、闇夜で黒装束を着るとかえって目立つとか。芝居の世界では、黒子は見えないというルールがあり、忍者の黒装束は芝居の世界に由来しています。

 実際の忍者装束は、藍染か柿渋染でした。忍者装束は、野良着をベースに発展しました。大部分の野良着は藍染木綿で作られていたので、多分、「かち色」と言われる黒に近い濃い藍色だったのではないか、と推察しています。

天然発酵建て藍染めは環境に優しい

 日本古来の藍染めは、タデ科の植物が原料です。天然インディゴはマメ科の植物で、全く原料が異なります。タデ藍の天然発酵建て藍染めも、天然インディゴも染色工程で有害な化学物質を使わないので、排水処理の必要はありません。

 現在、インディゴ染めと呼ばれているもののほとんどは合成インディゴです。有害な化学物質を使用しているので、排水処理等が必要になります。

 藍染めすることで、抗菌性が付加されるため、水洗いだけでも臭いが出にくくなります。昔は川で水洗いするだけで、石鹸や洗剤を使わなかったので、河川を汚染することもありませんでした。

 藍染めは、生産工程も製品そのものも環境に優しいのです。

天然発酵建て藍染めの効能

 江戸時代の人々は、真新しい藍染め製品を着て、身体が青く染まると喜んだそうです。当時の人々は藍の効能を知っていたのでしょう。

 藍染木綿のきものは、戦国時代から健康保持、疾病予防、解毒の作用が知られています。

 藍染木綿の下着は保温に優れ、体臭を防ぎます。抗菌性に優れており、皮膚病の伝染を阻止する作用があったと言われています。江戸時代の城下町では藍染木綿の衛生効果から、城の近くに紺屋町(藍染め屋の町)を置きました。

 また、藍染木綿には止血効果、抗菌性があり、矢傷に有効とされ、鎧の下には藍染木綿のきものを着用していました。さらに防虫効果、毒蛇の攻撃を避ける効果もあるために野宿にも適していました。

 藍染めは、野良着、蚊帳、手ぬぐい、産着、おむつなどにも使用されました。また、藍染めのきものを箪笥に入れておくと虫除けになると言われています。

 しかし明治以後、伝承されてきた藍の効能は、いつの間にか忘れ去られてしまいました。

野良着から剣道着へと伝わった藍染木綿

 江戸時代の日本人はほとんどが藍染めの衣装を着ていました。その藍染めのブルーの美しさを評して、明治時代に日本に来た外国人は「ジャパンブルー」と呼びました。
 埼玉県北部の利根川流域は、江戸時代から綿花栽培、藍栽培が盛んでした。無地の藍染木綿は「青縞」と呼ばれました。糸染めで限界まで藍を吸わせ、それをタテ糸、ヨコ糸に織ったもので、使い込むにつれ、格子縞のように見えたことから、藍染めの無地織物を青縞と呼んだそうです。
 青縞は、野良着、足袋生地に用いられましたが、戦後、合繊ジャージーが普及するにつれ、野良着の需要がなくなりました。
 そこで、藍染め業者の多くは剣道着に転向しましたが、コスト削減のために、天然発酵建て藍染めから合成インディゴ染めに転向していきました。
 その中で唯一、天然発酵建て藍染めにこだわり、藍染め、機織、縫製まで一貫生産体制を維持しているのが、野川染織工業(株)です。

リターンについて

・お礼メール

・オリジナルポストカードによる試着会招待状

3月18日~21日まで、東京月島のセコリ荘にて開催される試着回に優先的にご招待いたします。

・藍染木綿の端切れ

天然発酵建て本藍染で糸を染め、社内のシャトル織機で織り上げた剣道着用刺子織、袴用平織の端切れ(65センチ四方のクッションができる程度の量)をお届けします。パッチワーク等に最適です。

 ・藍染めハンドタオル(通常小売価格1620円)

日東タオルを通じて、泉州のツバメタオルの国産タオルを仕入れ、野川染織工業にて手染しました。ハンドタオルの大きさは、幅29㎝×長さ43㎝です。

 ・藍染めフェイスタオル(通常小売価格3240円)

日東タオルを通じて、泉州のツバメタオルの国産タオルを仕入れ、野川染織工業にて手染しました。フェイスタオルの大きさは、幅33㎝×長さ83㎝です。

 

 ・野川染織工業株式会社創立100周年記念写真集「藍を謳う(藍染めの里羽生の自然・人・こころ)著者/みやこうせい、企画プロデュース/野川雅敏(通常価格3240円)

 

・藍染め越中褌(通常小売価格5400円)

天然発酵建て本藍染で糸を染め、社内のシャトル織機で織り上げ、縫製した越中褌です。肌の弱いお客様のリクエストで生まれた商品です。織りネームは「喜之助紺屋」に付け替えます。

 ・藍染め(かち色)V衿Tシャツ(通常小売価格10584円)

久米繊維工業株式会社の国産Tシャツを野川染織工業で手染めしました。30回以上、藍液につけて、絞ってを繰り返し、かち色(非常に濃い藍色)に染めました。

ご希望のサイズを右側リターン欄よりお選びください。サイズはメンズサイズです。

 

・藍染半着[半分の丈の着物、居合着を元にしたデザイン](通常小売価格27000円)、更に希望があれば家紋刺繍(通常3000円)をお付けしてお届けします。(但し、特殊な家紋には対応できません)

半着とジーンズをコーディネートすると、和の職人のようなスタイルになります。

*試着会でデザイン、サイズ等を確認していただいてからの生産になります。

・藍染半着[半分の丈の着物、居合着を元にしたデザイン](通常小売価格27000円)+藍染たっつけ袴[機能的な細身の袴]+家紋刺繍(通常3000円)を半着か袴のどちらかにひとつお付けします。

*試着会でデザイン、サイズ等を確認していただいてからの生産になります。

 

・藍染半着[半分の丈の着物、居合着を元にしたデザイン](通常小売価格27000円)+藍染野袴[古武道用の袴を元にしたデザイン]+家紋刺繍(通常3000円)を半着か袴のどちらかにひとつお付けします。

*試着会でデザイン、サイズ等を確認していただいてからの生産になります。

最後に

「喜之助紺屋」は、百年前に野川喜之助が創業した時の屋号です。

その屋号をブランドとして再構築し、次の百年間、伝統と技術を守り、藍染木綿という日本人の生活に密着した文化を絶やさないように努力していく所存です。

皆様、よろしくお願いします。

  • 2016/05/11 08:50

    ありがとうございました。全てのリターンの発送が終了致しました。既に、お礼メール等も届いています。これを持ちまして、無事、プロジェクトが完了したことをお知らせいたします。 今回のプロジェクトでも、新たな出会いがいくつもありました。今後も定期的にプロジェクトを立ち上げていく予定です。 現在、天...

  • 2016/03/14 08:33

    皆様のご支援により、プロジェクトが成功しました。ありがとうございます。初めてのクラウドファンディングのチャレンジでしたが、皆様と直接お知り合いになれる貴重な場だと思いました。今後とも、喜之助紺屋の活動をアップし、プロジェクトも企画して参りますので、今後ともよろしくお願いします。

  • 2016/02/24 10:12

    試着会は、3月18日から21日まで、セコリ荘にて開催します。http://secorisou.com/ 

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