福島県双葉郡双葉町、今は警戒区域に指定され許可なく入ることのできないこの町に、2万坪のバラ庭園がありました。モダンローズ・オールドローズ・原種など700種類、約7.500株のバラがあり、5月下旬から晩秋まで、訪れる人々を魅了してきました。

■「双葉ばら園」

「双葉ばら園」は、福島第一原子力発電所からおよそ8kmの場所にありました。
「わが国で最も美しい個性的なバラの庭園」「手入れの徹底さは群を抜いている」と賞され、この園の見学だけが目的の日帰り観光バスツアーが組まれるほどの名園は、2011年3月12日に突然、打ち捨てられることになりました。
原発に近く、政府の避難指示を受け戻ることが叶わなくなったバラ園は、ただ荒れていくばかりです。

「私たちが愛したバラ園」01

「私たちが愛したバラ園」02

■写真展を開く

そのバラ園のことを知ってもらいたいと、かつて「双葉ばら園」に足を運んだことのあるバラの花の大好きな人たちからの声がだんだん大きくなり、写真展を企画しました。
会場には、10年以上この園で春の撮影会を開いてきた「横浜ばら写真の会」のバラの花と、園主・岡田勝秀氏が2010年6月に撮った花の盛りの園と、2012年6月と11月に写真展のために撮影した園の有様を展示します。
写真展は2013年1月31日(木)~2月13日(水)新宿御苑前のHCLフォトギャラリー、2月8日(金)~14日(木)銀座のフレームマン・ギンザ・サロンの2会場で震災と避難の日から2年目のちょうど一か月前、2月11/12日を含めた期日に開催します。
これらの写真は、3月11日に福島で展示する準備をしています。

「私たちが愛したバラ園」03

「私たちが愛したバラ園」04

■素敵なバラ園でした

「緑の芝生と大きな木々、たくさんのバラ。中にいるだけで幸せになれるバラ園でした。」
「岡田さんに、もう一度、大雨が降った直後でもびくともしないバラを持ったバラ園を、岡田さんの感性の凝縮されたバラ園を、無念の思いを乗り越えて作って頂きたいです。」
「原種、モダンローズ、オールドローズ、イングリッシュローズ、ツルバラ、バラの種類が全部詰まっていて、それぞれに合わせて手入れされ、活き活き咲いていました。」
「個人のバラ園だから、青年のころからの夢のかたちを40年かけて作り上げることができたのです。40年前は、国内の苗木は限られた種類しかなく、イギリスから取り寄せ、増やしていったそうです。」
「花の姿が良く、愛情を受け、のびやかに咲いていました。」
「高い木が配置されて、自然の中に咲く色とりどりのバラ、イギリスを彷彿とさせるバラ庭園でした。」

「私たちが愛したバラ園」05

■ご支援のお願い

写真展の準備が始まった直後に、会場の費用を負担することになっていた企業から、突然、写真展の援助は2012年末で終了する、と通達があり、その費用分を作らなくてはならなくなりました。
ご支援いただけましたら、会場にお名前を掲示し、「双葉ばら園」で撮影したバラの写真のいろいろをお届けすることができます。ご支援をよろしくお願いいたします。

「私たちが愛したバラ園」08

■撮影者

「私たちが愛したバラ園」06
岡田勝秀氏:双葉ばら園の園主、40年かけて世界のバラ愛好家に誇れる「双葉ばら園」を作り上げました。

「私たちが愛したバラ園」07
「横浜ばら写真の会」:横浜近郊のバラの愛好家とアマチュアの写真家が集い、1998年、 横浜市内で結成されました。写真家の指導の下、各地のバラ園で撮影を重ね、毎年写真展を開いてきました。この写真展は32回目になります。

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください