原発事故から27年が経ったチェルノブイリ原子力発電所。
周辺30キロ圏内をはじめとする放射能汚染地域は、今もなお、<ゾーン>と呼ばれる立入居住禁止区域となっています。

その一方で、時間とともに事故跡地周辺は新たな一面も持つようになりました。
「観光地」としてのチェルノブイリです。

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今、チェルノブイリ原発の事故現場周辺は、ウクライナ政府の公認ツアーで見学することができます。

観光客は、何を求めてチェルノブイリを訪れるのか。
近隣住民や被害者たちは、そんな現状をどう感じているのか。
福島原発の事故を経験したわたしたちは、そこから何を学ぶべきなのか。
現地に赴かなければわからないことがあるはずです。

そこでわたしたちは、実際にチェルノブイリへ向かい、その様子を映像として記録することを計画しました。

「観光客」としてチェルノブイリを訪れるのは、震災後それぞれの手段で3.11と向き合ってきた3名。
震災後被災地での取材を繰り返し、Twitterを通した報道を続ける津田大介。
いわき市出身の社会学者で、『「フクシマ」論』で注目を集める開沼博。
そして<福島第一原発観光地化計画>の発起人である東浩紀。
この3人がチェルノブイリを歩き、関係者の声を聞きます。

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左から津田大介・開沼博・東浩紀

<福島第一原発観光地化計画>について

2012年9月、わたしたちは東浩紀を発起人とし、<福島第一原発観光地化計画>というプロジェクトを立ち上げました。原発事故の記憶を風化させることなく後世に伝えるためには、事故を「なかったこと」にしてはいけない。事故の経験を語り継ぐためにはむしろ、周辺地域の除染を進め、事故跡地と周辺地域を「観光地」として再生することは考えられないか。そんな思いから、このプロジェクトは始まりました。

発足以来、建築・IT・観光学など各分野の専門家である8名のコアメンバーを中心に、研究会の開催、有識者へのヒアリング、福島県南相馬市での意見交換会の実施など、計画提案への準備を進めて参りました。

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南相馬で行われた研究会の模様(2012年10月)

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<福島第一原発観光地計画>記者会見の模様(2013年3月)

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『朝日新聞』(2013年2月21日社会面、2月25日文化面等)、『産経新聞』(1月1日社会面)、『毎日新聞』(2月15日オピニオン面)をはじめ、多くのメディアでご紹介いただいています。

「観光地化」復興の実態を探るため、チェルノブイリ取材に赴きます

このたび、わたしたち<福島第一原発観光地化計画>のコアメンバーの中から、津田大介、開沼博、東浩紀の3名が、チェルノブイリ取材に赴きます。津田氏は震災後頻繁に被災地を訪れ、その情報をTwitter上で共有し、世界に向けて発信しました。
福島と同じ原発事故の歴史を起こしたチェルノブイリが「観光地化」した背景を探り、そこから得られる気付きを、みなさんと共有させていただければと思います。

また今回の取材には人気写真家、新津保建秀氏の同行も決定しました。
日本ではほとんど報じられていない観光地化したチェルノブイリの現在を、みなさまにお届けします。

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南相馬視察の模様(2012年10月)

みなさまからのご支援で実現できること

チェルノブイリ取材は4月8日〜4月15日の日程で行います。
今回このプロジェクトに支援していただいたみなさまには、メンバー渡航中の現地での模様をCAMPFIREの「活動報告」という項目の中で、随時ご報告させていただきます。

また、みなさまから支援していただいたお金は、以下のものを作るための費用として使わせていただきます。

<チェルノブイリ取材DVD(約60分)>
チェルノブイリ取材の模様をまとめたDVD(約60分)を作成します。
特典として津田大介、開沼博、東浩紀の3人によるオーディオコメンタリーも収録。
チェルノブイリでなにを思ったのか、3人の生の声をお届けします。

<チェルノブイリの風景をポストカード、写真集に>
今回の取材に同行する写真家・新津保建秀氏が切り取ったチェルノブイリの風景を、5枚組のポストカードにします。
また、氏の撮影した写真を収録した写真集(データ版ダウンロード、約20ページを予定)を制作します。

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新津保建秀氏

<津田・開沼・東による公開オーディオコメンタリー収録を行います>
100,000円以上ご支援いただいたみなさまを、チェルノブイリ取材から帰国した津田大介・開沼博・東浩紀の3人による、DVD用公開オーディオコメンタリー収録にご招待させていただきます。(6月上旬、都内にて開催予定)
※スケジュールはできるだけ支援者のみなさまのご希望に添えるよう調整いたしますがやむを得ずご期待に添えない場合、ご来場が難しい場合には当日の動画をデータまたはDVDにてお送りさせていただきます。

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公開オーディオコメンタリー収録イメージ
※写真は2013年3月に行われた「福島第一原発観光地化計画」トークイベントの模様

チェルノブイリ取材メンバー・プロフィール

◆東浩紀(あずま・ひろき)
作家、批評家。1971年生。東京都出身。株式会社ゲンロン代表取締役、東京工業大学特任教授。
東京大学客員助教授、国際大学GLOCOM副所長、早稲田大学教授を歴任。
著書に『存在論的、郵便的』(新潮社、サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』(講談社現代新書)、『クォンタム・ファミリーズ』(河出文庫、三島由紀夫賞)他。

◆津田大介(つだ・だいすけ)
ジャーナリスト。1973年生。東京都出身。有限会社ネオローグ代表取締役。早稲田大学社会科学部卒業。
2006年から08年まで文化審議会著作権分科会において専門委員を務める。
07年、「MIAU(インターネットユーザー協会)」を設立。
音楽ニュースメディア「ナタリー」を手がける株式会社ナターシャ取締役。
早稲田大学大学院政治学研究科非常勤講師、関西大学総合情報学部特任教授も務める。
著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)他。

◆開沼博(かいぬま・ひろし)
社会学者。1984年生。福島県出身。福島大学特任研究員。東京大学大学院学際情報学府博士課程在籍。
福島大学うつくしまふくしま未来支援センター特任研究員、東京大学大学院博士課程在籍。専門は社会学。
著書に『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』(青土社、毎日出版文化賞)、『フクシマの正義 「日本の変わらなさ」との闘い』(幻冬舎)、『地方の論理 フクシマから考える日本の未来』(佐藤栄佐久氏との共著、青土社)、『漂白される社会』(ダイヤモンド社)他。

◆新津保建秀(しんつぼ・けんしゅう)
写真家。1968年生。東京都出身。映像、フィールドレコーディングなどによる制作を行う。
自身の作品制作とともに、企業、建築家、音楽家、研究者との共同プロジェクトを多数手がける。
作品集に『Spring Ephemeral_Binaural-Scape 3.17』、『Rugged TimeScape』(ともにFOIL)、『\風景』(角川書店)等。

◆小嶋裕一(こじま・ゆういち)
映像ディレクター。1982年生。宮崎県出身。日本映画学校卒業。
映画の助監督などを経て、東日本大震災直後からジャーナリスト・津田大介のアシスタントとなり、原発関連の取材を行う傍ら取材に同行し撮影を担当する。 2012年2月に行われた東日本を縦断する取材旅行の模様を収めたドキュメンタリー『おくの細道2012』を監督。

◆助田徹臣(すけだ・てつおみ)
プランナー。1985年生。東京都出身。アートジャーナリズムグループNewwavech代表。
株式会社ドワンゴコンテンツ ニュースプラットフォーム部所属。
公式ニコニコ生放送では、政治・報道、および討論番組、美術番組を担当。
2012年からは岡田斗司夫、久田将義氏などの言論系ブロマガのプロデュースも担当。

最後までご覧いただきありがとうございました。

わたしたちは、観光地となったチェルノブイリの今に、これからの福島を考える上でのヒントがあるのではと考えています。チェルノブイリ取材で得た気付きをみなさまにも身近なこととして一緒に考えていただくために、このプロジェクトを開始させていただきました。少しでもご興味をお持ちいただけましたら、どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

  • 2013/10/03 14:31

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • 2013/09/19 18:01

    大変長らくお待たせして申し訳ありませんでした。 ご支援への御礼の品は、来週中には発送できる予定です。 写真は、チェルノブイリ取材に同行していただいた写真家・新津保建秀さんに、チェルノブイリ写真集の最終チェックを行っていただいている模様です。 30,000円以上ご支援いただいた方にお届...

  • 2013/08/29 18:32

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

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