■はじめに

はじめまして。
murmur records(マーマーレコード)という電子音楽レーベルを運営しております相田悠希と申します。
少し長くなりますが、現在の日本の電子音楽シーンについて、お話させてください。

・現代の日本の電子音楽シーン
音楽が売れなくなったと、囁かれ始めてずいぶん経ちます。前提としまして、私の見解としましては、一昔前と違いまして、音楽が本当に好きな方に、必要な分だけきちんと届くようになっただけだ、と認識していますので、悲観的にはなっていません。
ともすると、アンビエントミュージックやドローンミュージックは、現代音楽にその端を発している音楽であるだけに、一般の方にとっては「なんだか難しそう」「それって音楽なの?」と、眉をひそめられがちです。

・音響派は音の世界を子どもの頃のような耳で受け取ってみる試み
皆さんも子供の頃、お母さんが夕食を作る、トントンという包丁の音や、木の葉が風にさやさや揺れる音なんかをいい音だな、と思われた事と思います。
そもそも音響派と言われる音楽は、音楽理論に固められていた窮屈さから抜け出し、情報で溢れた音の世界を、もう一度子供の頃のような耳で受け取ってみるという試みだったと私は思っています。
ですから、音楽理論を全く知らなくても、音楽を全く聴かない方でも、意識一つですぐに入り込める音楽だし、その意識のあり方、推移、変化自体が音楽なのだと思っています。そこには正解も不正解もありません。
どの文化でも起こりうる事だと思いますが、アンビエントやドローンといった音楽は、以前に比べある程度認知されるようになってきたとは言え、まだまだ一般に広く浸透しているとは言いがたく、それによる負の部分、つまり、少数の聴衆と少数の作家がまるで小さなサークルのように仲間内となって、批評性が消えていってしまっている、と私は感じ始めています。

・新しいリスナーを求めています
冒頭の言葉を覆すようですが私は新しいリスナーを求めてもいます。
せっかく誰にでも楽しめる音楽なのだから、もっと気軽に知らない音楽を聴く場があってもいいし、その為に私はこの4月に代官山に実店舗を開店いたしました。

http://murmurrec.wordpress.com

開店以来、お陰様でこういった音楽を全く知らないお客様にも、
「寝る前にリラックスしたいんだけど、良い音楽ない?」
「アンビエントに興味はあったんだけど、何から聴いたらいい?」などなど、お気軽にご相談頂ける場として機能し始めています。

この度、私どものレーベルからベテランの電子音楽作家Christophe Charles(クリストフ・シャルル)の新作をリリースできる運びとなりました。
レーベルとして、良質な作品を盤に定着させ、後世に残していく事は社会的な役割だと考えております。
ぜひ皆様にご参加頂いた資金は、制作費に全て当てさせて頂きます。
ご賛同頂いた方の暖かいご支援をお待ちしております。

■murmur records(マーマーレコード)とは
murmur_logo_

murmur records(マーマーレコード)。
日本における電子音楽の更なる醸成を目的に相田悠希によって立ち上げられた新しい音楽レーベル。
国内外の良質な作品をこれまでに17タイトルリリースしている。(2013年5月現在)
美しいアートワークとデザインには定評があり、CDショップで思わず足を止める人も少なくない。
また最近では渋谷残響ショップなどのセレクトショップでも特集を組まれたりと、音楽不況と言われる中、販路の拡大に成功している。
所属アーティストは主に海外のアーティストが多く、LondonやNYなどのアートギャラリーでの展示作品も多数。

イベントにおいても、常にリスナーの視点に立ち、普段ではあまり見る事のできない組み合わせを毎回企画、その企画力は一定の音楽ファンの指示を獲得している。
一昨年8月にレーベル初のショーケースを開催。
昨年5月には台湾/UKのサウンドアーティスト、Lucia H Chungを招聘し都内二箇所でイベントを開催。
新しい才能を発掘するという主旨のこのイベントにも、予想を上回る聴衆が詰めかけ、身動きも取れない程であった。
同じく昨年9月にはATAKやROOM40からのリリースでも有名なカナダのサウンドアーティストFrance Jobin(a.k.a. i8u)を招聘。
東京、大阪、福岡とレーベルとしては初のツアーを決行。
東京公演では、渋谷慶一朗(ATAK)とi8uの初共演を企画。
その他の組み合わせも音楽ファンなら驚くほどの顔ぶれで、日本音楽界の重鎮横川理彦と、細野晴臣も絶賛したスティールパン奏者町田良夫(Amorfon)。
12kよりリリースしたアルバムは全てソールドアウト、日本が誇る女性電子音楽家SawakoとspekkやSamadhi soundからのリリースやDavid Sylvianの作品への参加も記憶に新しい中村としまる。
Taylor DeupreeのEPへの参加も話題となったYuki Aidaと近年積極的に活動の場を広げているBrian、数々のオーケストラを率い、教育の分野でも多くの功績を上げている飯島淳がそれぞれ共演。

現在東京代官山に音響作品専門の音楽ショップmurmur records DAIKANYAMAを開店。
http://murmurrec.wordpress.com
連日多くのサウンドアートファンが詰めかけている。

■プロジェクトで実現したいこと

今回のプロジェクトは、現在日本在住、武蔵野美術大学教授であるサウンドアーティスト、Christophe Charles(クリストフ・シャルル)の新作リリースの制作費を皆様にお願いするものです。
アンビエントミュージックやドローンミュージックは、現代音楽にその端を発している音楽であるだけに、一般の方にとっては「なんだか難しそう」「それって音楽なの?」と、眉をひそめられがちです。
皆さんも子供の頃、お母さんが夕食を作る、トントンという包丁の音や、木の葉が風にさやさや揺れる音なんかをいい音だな、と思われた事と思います。
そもそも音響派と言われる音楽は、音楽理論に固められていた窮屈さから抜け出し、情報で溢れた音の世界を、もう一度子供の頃のような耳で受け取ってみるという試みだったと私は思っています。
ですから、音楽理論を全く知らなくても、音楽を全く聴かない方でも、意識一つですぐに入り込める音楽だし、その意識のあり方、推移、変化自体が音楽なのだと思っています。そこには正解も不正解もありません。

しかしながら、現在の電子音楽&サウンドアートシーンは、良い作品をリリースしてもそのコストを回収できているレーベルは少ないのです。
レーベルの役割はアーティストの素晴らしい作品を盤に定着させ、社会に届け、精神的な生活を豊かにしていくものと私は考えております。
もし、こういったメインストリームから今は外れている音楽を社会が排除するようになってしまったら、日本は文化的にどんどんつまらない国になっていく事でしょう。

今回の新作は、ジョン・ケージ研究者として知られるクリストフの父、ダニエル・シャルルへの息子からのオマージュ作品となります。
この記念碑的な傑作のリリースの為に、ぜひ皆様のお力をお借りしたく思っております。

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■クリストフ・シャルル

クリストフ・シャルル(Christophe Charles, 1964年1月20日 - )はフランスの芸術家。武蔵野美術大学映像学科教授。
1964年、音楽家・音楽学者であるダニエル・シャルルを父とし、マルセイユに生を受ける。
筑波大学(1996年)およびフランス国立東洋文化東洋言語研究所(1997年)博士号取得。
2000年度より武蔵野美術大学映像学科准教授。2011年度より武蔵野美術大学映像学科教授。
現代芸術における理論的・歴史的な研究を行いながら、内外空間を問わずインスタレーションおよびコンサートを実践。理論と実践の両面から、芸術作品におけるバランス、相互浸透と環境性という概念を追究している。

△これまでの主な作品。

●ソロ
「Sampler」(Stepple and Globe、1990年、名古屋)
「Deposition Yokohama」(横浜美術館、1994年)
「undirected」(オーディオ+データCD、ミル・プラトー、1996年、フランクフルト)
「Cosmos」(CD+書籍、新東京国際空港/タウンアート、2002年、東京)
「undirected 1992-2002」(サブローサ、2003年、ブリュッセル)

●共作・サウンドトラック
「dok」Oval」(スリル・ジョッキー・レコーズ、1997年、シカゴ)
「Sampling Rage」(X-tract, Podewil, 2000年、ベルリン) スティーヴ・ロデンとブランドン・ラベルとの共作
「Magnet Roman」(Cross、2000年、大阪/パリ) 加古祐三との共作
「nu:」(多摩美術大学-武蔵野美術大学、2004年、東京)
「23:60」(東海林毅監督映画、2007年)
「opitope / a digestan abridgment of a colony of Kuala Mute Geeks」(White puddy mountain、2013年、opitopeとの共作)


全ての作品リストはこちら。
http://home.att.ne.jp/grape/charles/works.html
http://home.att.ne.jp/grape/charles/audio.html


■資金の使い道

具体的にはCDのマスタリング代金、CDのプレス代金に集まった資金を充当させて頂きたく思います。

■リターンの説明

●500円
murmur records代表 相田悠希から直接お礼のポストカードが届きます。

●2000円
完成した本タイトルプレゼント。

●4000円
完成した本タイトルとmurmur recordsのお好きなタイトル2枚プレゼント。

●8000円
・完成した本タイトルとmurmur recordsのお好きなタイトル3枚
・murmur records DAIKANYAMA、又は四ッ谷茶会記で毎月第二月曜日に開催されている主催イベントご招待券1枚プレゼント。

●10000円
・完成した本タイトル(クリストフシャルル直筆サイン入り)とmurmur recordsのお好きなタイトル3枚
・murmur records DAIKANYAMA又は、四ッ谷茶会記で毎月第二月曜日に開催されている主催イベントご招待券3枚

●30000円
・完成した本タイトル(クリストフシャルル直筆サイン入り)とmurmur recordsのお好きなタイトル4枚
・murmur records DAIKANYAMA、四ッ谷茶会記で毎月第二月曜日に開催されている主催イベントご招待券5枚

●100000円
・完成した本タイトル(クリストフシャルル直筆サイン入り)とmurmur recordsのお好きなタイトル4枚
・murmur records DAIKANYAMA、四ッ谷茶会記で毎月第二月曜日に開催されている主催イベントご招待券10枚
・クリストフと交流を深められる会食をセッティング(飲食代は20000円までレーベル負担、交通費はお客様負担とさせて頂きます)いたします。

●200000円
・完成した本タイトル(クリストフシャルル直筆サイン入り)とmurmur recordsのお好きなタイトル4枚
・murmur records DAIKANYAMA、四ッ谷茶会記で毎月第二月曜日に開催されている主催イベントご招待券10枚
・クリストフと交流を深められる会食をセッティング(飲食代は全てレーベル負担、交通費はお客様負担とさせて頂きます)
・クリストフとの写真撮影&写真パネル制作(100mmx150mm角)
・クリストフシャルルの父であり、ジョンケージ研究の第一人者であるダニエルシャルル関連本3册プレゼント(ジョン・ケージ小鳥たちのために<青土社>、ジョン・ケージ (叢書 言語の政治)<白馬書房>、音楽美学―新しいモデルを求めて<勁草書房> )。

リターンであるポストカード、ご招待券、CDに関しましては目標金額達成後、発送させて頂きます。
CDはこちらのページの商品からお選び頂けます。
http://murmurrec.com/shop_murmur.html
目標金額達成後、メッセージにてご希望をお伺いします。

■最後に

最後までお読み頂きまして、本当にありがとうございます。
私どものレーベルは、ともするとマニアックと言われる音響作品を、例えば音楽を普段あまり聴かない主婦の方でも楽しんで頂けるような筋道を形作ろうと日々考えて実行しております。
先日も代官山の客席がベッドのレストラン、Chano-maさんでお母さんとお子さんの為の演奏会を開催し、ぐっすりお昼寝して頂きました。

私は皆様に問いたいのです。
売れない音楽は本当に必要のない音楽なのでしょうか?
数ヶ月先の利益ばかり追いかけるのではなく、今生まれた子供が成人する20年、30年の尺で文化を考えるべきだと感じております。
よく言われる例えですが、蟻の社会でも必ず2割は仕事をサボる蟻がいるのだといいます。
そして、サボる蟻を取り除いても、残った8割の中にまた2割サボる蟻が発生するのだそうです。
誤解を覚悟で言いますが、音楽家やレーベルはサボる蟻と同じです。
ならば、我々は進んで、必死にサボる蟻になりましょう。
その活動が、皆様の生活を芳醇なものにする事と信じて。

Murmur records 代表 相田悠希

  • 2013/05/31 16:43

    ジャケット写真はクリストフの熱烈なラブコールにより、彼の生徒でもあったAyaka Shidaさんの写真が使用される事になりました! http://sunandegg.tumblr.com 作品の内容もさる事ながら、今回の作品はクリストフのお父さんであるダニエルへのオマージュ作品。 ...

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