東日本大震災の原発事故により避難生活を強いられた高校生が、転校先の生徒と紆余曲折を経て友情を深めていく姿を描いた、福島県立大沼高等学校演劇部のお芝居【シュレーディンガーの猫】。福島県高校演劇コンクール最優秀賞、東北地区高校演劇発表会優良賞に選ばれたこの作品を、1人でも多くの人に観てもらいたい、その想いからこのプロジェクトは始まりました。

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この作品は、実際に福島県富岡町から避難してきた女子生徒が大沼高校の演劇部に入部したことから、同校顧問の佐藤雅通教諭が脚本を書き、また部員同士が意見を出し創り上げました。避難者の生徒、それを受け入れた学校の生徒、それぞれの心が深化していく過程が見事に描かれています。そこには、避難してきた生徒の「同情はいらない」や「辛いとか悲しいじゃない、悔しいんだ。きっと」の言葉の意味や、それぞれに違った思いを抱えそれでも考え続ける受け入れた側の生徒たち、メディアに翻弄される姿などが浮き彫りにされていきます。

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2012年11月に行われた第66回福島県高等学校演劇コンクールでは最優秀賞を受賞したこの作品ですが、12月に行われた第45回東北地区高等学校演劇発表会では優良賞にとどまり、2013年8月に行われる全国高等学校演劇大会への出場は逃してしまいました。東日本大震災の発生から2年が過ぎ、被災地は一歩ずつ復興の道を進んでいます。しかし、福島第一原子力発電所の未曾有の災害は未だに続いています。この事故により高校生たちにどのような影響を与えたか、そしてそれが現在進行形であるということ。そのことを伝えるためには1人でも多くの人たちにこの舞台を見てもらいたい。私たちは演劇の聖地である下北沢でこの公演【シュレーディンガーの猫】を行います。

また、このプロジェクトに賛同をした大沼高校演劇部の良きライバル校である会津若松ザベリオ学園高等学校演劇部の賛助公演【彼女の旋律】(松本有子作・演出、福島県高校演劇コンクール第1席 東北地区高校演劇発表会優良賞)も上演。こちらも、高校生が被災者の避難所を訪れて起こる出来事を演劇にしたものです。

舞台の公演には多くのお金が掛かります。皆様からいただいた支援金は、舞台の開催に必要となる各種経費及び福島県立大沼高等学校演劇部・会津若松ザベリオ高等学校演劇部の交通費・滞在費として使わせていただきます。

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■あらすじ

東日本大震災の原発事故により避難生活を強いられた高校生。転校先の生徒との間の心の溝、葛藤、そして友情は---

警戒区域の福島県富岡町から転校した生徒が「自分の思いを伝えたい」と顧問教師と共同で台本を創り上げた感動作。

■シュレーディンガーの猫とは

物理学者のエルヴィン・シュレディンガーが提唱した量子力学上の思考実験。箱に入れられ、放射線の放出に生死を握られた猫を想定し、その生死を考える。劇中では「生きている状態と死んでいる状態が50%の確率で同時に存在している猫」と説明されている。

■公演情報

福島県立大沼高等学校演劇部 作・演出 佐藤雅通
「シュレーディンガーの猫 ~Our Last Question~」
会津若松ザベリオ学園高等学校 作・演出 松本有子
「彼女の旋律」
総合プロデュース 林邦應(IOH produce)

開催期間:
2013年8月15日(木)~18日(日)
開催会場:
下北沢・小劇場 楽園http://www.honda-geki.com/rakuen.html
主催:
会津美里町・大沼高校演劇部東京公演を成功させる会
連絡先:
特定非営利活動法人 大震災義援ウシトラ旅団 contact@ushitora-ryodan.org

*福島県立大沼高等学校
http://www.ohnuma-h.fks.ed.jp/
*会津若松ザベリオ学園高等学校
http://www.aizu-xaverio.ed.jp/
*会津美里町
http://www.town.aizumisato.fukushima.jp/
*特定非営利活動法人 大震災義援ウシトラ旅団
http://www.ushitora-ryodan.org/
https://www.facebook.com/ushitoraryodan

■主催団体【福島県立大沼高校演劇部東京公演を成功させる会】から

あの忌まわしい地震、津波、原発事故とそれによって故郷を追われた人々。彼らにも私たちと何ひとつ違わない生活がある。食う寝る働く、学校へ通う。新しい命が生まれるし、永久の別れもやってくる。そうした当たり前の日常を彼らはどうやっておくっているのか。
狭く不便な仮設住宅で、家族バラバラの借上げ住宅で、故郷から遠く離れた見知らぬ土地で……、一方彼らの今の「日常」は避難先の人々の「日常」と重なりあって、ひと言では言い表せないマダラ模様になっている。

ここに福島の高校生たちが感じたこと、言いたいこと、彼らのマダラな日常―「シュレーディンガーの猫」があります。その真直ぐな問いかけを大人たちは正面から受け止めなくてはいけない!そう思い東京公演を開催することになりました。
福島からの声をより多くの人々、とりわけ首都圏に住む人々に届けることが大きな役目のひとつであると思っています。福島からの声をあげ続けてもらうため、今回は高校生の芝居を通して、彼らの想いを「演劇の聖地」下北沢で大きく叫んでもらおうと思います。

福島のことが忘れ去られようとしている。そんな危惧の声を聞きます。私たちはそのような嘆きより、この高校生たちの演劇を通して、被災者とのしっかりとした関係を創っていこう、一緒に生きていくあり方を創っていこう、と呼びかけることを目指します。皆様のご支援・ご協力をお願い申し上げます。

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■観劇いただいた皆様の感想

●ラストシーンでは思わず鼻の奥から熱いものが、、、(;_;)
大沼高校演劇部による演劇「シュレーディンガーの猫~Our last question~」を観てきました。
原発から避難してきた転校生とそのクラスメートたちのやりとりを通して原発問題の風化を問うこの作品、すばらしい芝居でした。思いが伝わる内容&芝居に引きこまれ、ラストシーンでは思わず鼻の奥から熱いものが、、、(;_;)。この夜(ならはサポートセンターでの上演)の反響は大きく、後日新聞にも各紙大々的に取り上げられてましたので、会津の何処かで近々再演がきっとあるでしょう。だからくわしい内容には触れません。次回あったときにはぜひ観てみてください。
Mascozyさん(会津のブルースバンドMascottsのメンバー)

●忘れないよ!約束だから
今夜は(5月8日、ならはサポートセンター)『シュレーディンガーの猫』という高校生の演劇鑑賞♬内容は震災で避難を余儀なくされた高校生同士の友情や心の葛藤を描いたもの。進むにつれて笑いもありましたが自然と涙がこぼれるました・・。最後のシーンで1人の生徒が問い掛けます。
「震災を絶対に忘れてはならないと思う人?」と周りの生徒はみんな手をあげました。私も心の中で手をあげました。忘れないよ、絶対に・・だって約束だから(*^^)v
平野純子さん(「みんなのありがとうをつなぐ復幸本」サポーター)

●私たちも「主張」しなくては
公演が行われた仮設住宅には何度か行っているんですよ。「大熊町の明日を考える女性の会」の人たち三人と一緒に見に行きました。被災者の気持ちを言ってくれているようで本当にいい劇でした。若い子たちの勇気が迫ってくるんですね。大熊町の人たちは、被災者なんだけど、なんかいつも人の後ろから言っているっていうか、自分たちで「こう思う、こうしたい!」って、言う人が少ないんです。「高校生がこんなふうに言っているのに、やっぱり自分たちで、ちゃんと自立して言っていくようにしないとだめだよね」って、話しながら帰ってきました。私たちが避難している会津若松でも、この演劇をやってもらいたいと思って準備しています。こんどの劇で大沼高校の人たちや、会津美里の人、楢葉の人たちと出会えて、協力できそうでうれしいです。
木幡ますみさん(大熊町の明日を考える女性の会)

●観劇で感激
昨夜は急遽延びていた大沼高校演劇部の公演があるというので行ってきました。会津美里町にある仮設住宅内の「サポートセンターならは」で行われました。じんわりと涙が出て止まりませんでしたが、それは原発事故に対する怒りだけでなく、彼らのような若い力を感じ取ることができたという喜びの涙です。終わって会場が明るくなったらもうびっくり。泣いていない人は一人もいません。みんな感動の嵐にやられてしまったようです。さすがにいろいろな賞をもらったのがわかりましたね。帰る時に玄関で挨拶してくれる高校生に泣き顔を見られるのはすごく恥ずかしかったけどみんな同じだからと思って通りました。大沼高校演劇部、そして顧問の先生、素晴らしい芝居をありがとうございます。
鹿目浩さん(会津美里町・ならはサポートセンター公演で)

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■リターンについて

500円
・お礼のメッセージをお送りします

1000円
・お礼のメッセージカードをお送りいたします

3000円
・お礼のメッセージカードをお送りいたします
・公演写真を1枚お送りいたします

5000円
・直筆コメント入りお礼のメッセージカードをお送りいたします
・公演写真を3枚お送りいたします

10000円
・直筆コメント入りお礼のメッセージカードをお送りいたします
・公演写真を5枚お送りいたします
・公演DVDをお送りいたします
・公演パンフレットにお名前を記載いたします(ご希望の方のみ)

20000円
・直筆コメント入りお礼のメッセージカードをお送りいたします
・公演写真アルバムをお送りいたします
・公演DVDをお送りいたします
・公演パンフレットにお名前を記載いたします(ご希望の方のみ)
・公演記念Tシャツをお送りいたします

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■最後に

最後までご覧頂きまして誠にありがとうございます。大沼高校・会津若松ザベリオ学園高校の両演劇部の皆さんに思いっきり演じてもらいたい、一人でも多くの人たちに彼ら・彼女たちの純粋な想いを伝えたい、我々の願いはそれだけです。皆さんの支援をお待ちしております。

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  • 2013/09/26 11:14

     昨日から本日にかけて、支援頂いた皆様へのリターンを発送しました。郵便で発送しておりますので、数日以内には届く予定ですのでもう少々お待ちください。  今回の活動報告をもって、当プロジェクトの活動は終了となります。7月のプロジェクトスタートから、多くの皆様に支援頂き誠にありがとうございまし...

  • 2013/08/30 11:48

     今回の公演に密着したドキュメントが9月8日0時からNHK Eテレで放送されることが決定しました。番組名は福島をずっと見ているTVで【vol.28「高校演劇部・最後の大舞台」】というタイトルで放送されます。  2013年夏、福島の高校生が下北沢で何を演じそして感じたのか。こちらのクラウド...

  • 2013/08/19 10:53

     福島県立大沼高等学校演劇部東京公演【シュレーディンガーの猫】、4日間全7公演が終了しました。初日から千秋楽まで全チケットが完売、超満員の中での公演となりました。  本プロジェクトにご支援頂いた皆様、プロジェクトの情報を広めて頂いた皆様、また、楽園での講演をご覧頂いた皆様、本当にありがと...

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