2012/09/26 10:38
今回、皆様に支援を募集させて頂いたレミー・ガードナーの実父、ワイン・ガードナーと森脇社長と南海子夫人(なみこ)との関係はご存知の方もいらっしゃると思います。
しかし、中には何故ここまでワインはモリワキとの友好関係が今も強く持っているのか不思議ですと聞かれる事もあります。
そこで一つ、モリワキとワインのエピソードをお話したいと思います。
あれは1992年の日本GP(鈴鹿サーキット)でした。ワインは当時ロスマンズ・ホンダから参戦しており、92年のチャンピオンシップの成績があまり良くなく、巷では「ガードナー引退説」が流れている真っ只中の時でした。
ワインは常日頃から第二の故郷は日本だと言っており、日本に対しての特別な思い入れがあったライダーでした。彼は、日本のファンの前で起死回生を誓い、レースに挑んでいました。
スタートから確か5周目ぐらいでハイサイド転倒し、外装はボロボロ(カウル)、曲がったクラッチ、ブレーキレバーを自分で直し、再スタートそして正に「ウルフ(狼)」の異名持つワインらしいアグレッシブな走りで最後尾から鬼神の追い上げを行い、あと3周の所で3位のエディーローソンに追いつき表彰台が見えてきた正にその時、残念ながらハイサイドで転倒リタイヤ。転倒した彼は足を押えてコースサイドにうずくまり、救急車で運ばれました。
運び込まれたメディカルセンターで当時彼のチーフメカニックであったアーブ・カネモト氏とレースを見ていた南海子夫人が彼に寄り添い、医師から「足が複雑骨折しているので大至急手術を受けてほしい!」と言われ、母国オーストラリアに帰国し手術を受ける事に。
自分が再起不能になるのではないかと不安がる彼に寄り添い、手を握り、ずっと南海子夫人は彼を勇気づけ、「日本のお母さんが傍にいるからね、貴方ならこんな怪我絶対に克服できるわ。。。」と。
...
そして救急車で名古屋空港(小牧)に向かい某航空のチケットカウンターにワインが車いすでチェックインしようとした時、「...申し訳ございませんが社内規定により、ヒドイ怪我をされているお客様は搭乗頂けません。」の一点張り。
そこへものすごい怒りの形相で負傷したワインの代わりに、某航空会社のカウンター担当者に話かけようとしているイギリス人が現れました。
なんと、バリー・シーンでした。彼はカウンター担当者に、「彼は世界チャンピオンであり、オーストラリア国の為に命をかけて戦ってきた素晴らしいライダーなんだ!貴方達は彼の負傷している姿を見て、国を代表して戦った者への敬意はないのか!彼を飛行機に乗せてあげるべきだろう!」と、顔を真っ赤にして怒りました。
最終的には航空会社は了承し、無事に搭乗出来ました。
その彼の心に染みる行動にワインは涙が止まらなかったそうです。
そしてセキュリティーを通る時に何人かのファンや空港でワインに気付いた人達から花束を渡されて、「ワインさん負けないでください!応援してます!」と声をかけられたそうです。
溢れ出る涙を手でぬぐい顔を上げると、そこには森脇社長が立っていました。そして一言、「You Can Do It! You Can Do It! Never Give Up!」(君ならできる!君ならでききる!絶対にあきらめちゃいけない!)と声をかけ続け、「Don't be cry, you are world champion! You have to be strong!」(泣くんじゃない、君は世界チャンピオンなんだよ!強くありなさい!)と・・・。
その言葉を聞いたワインは今までの顔とは全く違い、キリリッとなり応援してくれているファンへ手を振り、「ありがとう!足を治してまた世界選手権に帰ってくるから、応援しててください!」と元気に飛行機へ搭乗しました。
ワインが引退して大分時間がたった時、この話をワインとしたのを思い出します。
ワインが言った事、「レースの世界は本当に結果重視の世界。その中でも自分が世界の扉を開けるチャンスをくれたモリワキ夫妻は僕にとってかけがえのない存在なんだ。そして、夫妻は自分が苦しくどん底の時も心を通わせてくれました。だからこそ、私にとって大切な第二の家族なんです。」
いつもこの話を思い出すと涙がでます。。。それは、勝負であり大変厳しい世界であるという現実、生易しくない世界の中でも人のありがたみを忘れてはいけないという事。
そしてそれを守り続ける精神を持つという事。
それが、モリワキスピリットという事なのです。
しかし、中には何故ここまでワインはモリワキとの友好関係が今も強く持っているのか不思議ですと聞かれる事もあります。
そこで一つ、モリワキとワインのエピソードをお話したいと思います。
あれは1992年の日本GP(鈴鹿サーキット)でした。ワインは当時ロスマンズ・ホンダから参戦しており、92年のチャンピオンシップの成績があまり良くなく、巷では「ガードナー引退説」が流れている真っ只中の時でした。
ワインは常日頃から第二の故郷は日本だと言っており、日本に対しての特別な思い入れがあったライダーでした。彼は、日本のファンの前で起死回生を誓い、レースに挑んでいました。
スタートから確か5周目ぐらいでハイサイド転倒し、外装はボロボロ(カウル)、曲がったクラッチ、ブレーキレバーを自分で直し、再スタートそして正に「ウルフ(狼)」の異名持つワインらしいアグレッシブな走りで最後尾から鬼神の追い上げを行い、あと3周の所で3位のエディーローソンに追いつき表彰台が見えてきた正にその時、残念ながらハイサイドで転倒リタイヤ。転倒した彼は足を押えてコースサイドにうずくまり、救急車で運ばれました。
運び込まれたメディカルセンターで当時彼のチーフメカニックであったアーブ・カネモト氏とレースを見ていた南海子夫人が彼に寄り添い、医師から「足が複雑骨折しているので大至急手術を受けてほしい!」と言われ、母国オーストラリアに帰国し手術を受ける事に。
自分が再起不能になるのではないかと不安がる彼に寄り添い、手を握り、ずっと南海子夫人は彼を勇気づけ、「日本のお母さんが傍にいるからね、貴方ならこんな怪我絶対に克服できるわ。。。」と。
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そして救急車で名古屋空港(小牧)に向かい某航空のチケットカウンターにワインが車いすでチェックインしようとした時、「...申し訳ございませんが社内規定により、ヒドイ怪我をされているお客様は搭乗頂けません。」の一点張り。
そこへものすごい怒りの形相で負傷したワインの代わりに、某航空会社のカウンター担当者に話かけようとしているイギリス人が現れました。
なんと、バリー・シーンでした。彼はカウンター担当者に、「彼は世界チャンピオンであり、オーストラリア国の為に命をかけて戦ってきた素晴らしいライダーなんだ!貴方達は彼の負傷している姿を見て、国を代表して戦った者への敬意はないのか!彼を飛行機に乗せてあげるべきだろう!」と、顔を真っ赤にして怒りました。
最終的には航空会社は了承し、無事に搭乗出来ました。
その彼の心に染みる行動にワインは涙が止まらなかったそうです。
そしてセキュリティーを通る時に何人かのファンや空港でワインに気付いた人達から花束を渡されて、「ワインさん負けないでください!応援してます!」と声をかけられたそうです。
溢れ出る涙を手でぬぐい顔を上げると、そこには森脇社長が立っていました。そして一言、「You Can Do It! You Can Do It! Never Give Up!」(君ならできる!君ならでききる!絶対にあきらめちゃいけない!)と声をかけ続け、「Don't be cry, you are world champion! You have to be strong!」(泣くんじゃない、君は世界チャンピオンなんだよ!強くありなさい!)と・・・。
その言葉を聞いたワインは今までの顔とは全く違い、キリリッとなり応援してくれているファンへ手を振り、「ありがとう!足を治してまた世界選手権に帰ってくるから、応援しててください!」と元気に飛行機へ搭乗しました。
ワインが引退して大分時間がたった時、この話をワインとしたのを思い出します。
ワインが言った事、「レースの世界は本当に結果重視の世界。その中でも自分が世界の扉を開けるチャンスをくれたモリワキ夫妻は僕にとってかけがえのない存在なんだ。そして、夫妻は自分が苦しくどん底の時も心を通わせてくれました。だからこそ、私にとって大切な第二の家族なんです。」
いつもこの話を思い出すと涙がでます。。。それは、勝負であり大変厳しい世界であるという現実、生易しくない世界の中でも人のありがたみを忘れてはいけないという事。
そしてそれを守り続ける精神を持つという事。
それが、モリワキスピリットという事なのです。