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  • 在住国:日本
  • 現在地:和歌山県
  • 出身国:日本
  • 出身地:東京都

私は学生から就職までNPO静岡県自然史博物館ネットワークに関わり、環境省が推進する希少野生動物のコウモリ、ネズミ、モグラ、サンショウウオや特定外来種のアライグマ、ハリネズミなどの調査員として13年間活動に参加し、静岡県レッドデータブックに尽力してきた。NPO職員となってからは静岡県立ふじのくに地球環境史ミュージアムの立ち上げに本格的に携わった。ここでは骨格標本やレプリカを作製し、展示やイベントなどを行っていたが、2017年ごろから生き物と色塗り体験を組み合わせたイベントや記念品など、3Dプリンターの活用をNPOに提案して業務の一環に組み込んできた。 和歌山県への移住のきっかけは、家族の出身地であることと、仕事に集中できるような静かな場所で自らが思い描くような会社を立ち上げることが目的にあった。起業にあたっては独学で模索し、「アンフィ合同会社」を設立するに至った。会社ではこれまでの経験を活かして博物館や大学などの教育機関向けにレプリカを製作し納品をした。製作するものはあくまで生物学の教材であり、美術品のような作品とは異なり、実物にいかに近づけるかにこだわった。 2023年からは営業活動の一環として所蔵する骨格、剥製、化石、レプリカを「きみの自然体験館」で展示する試みをしている。なお当施設は2025年9月から文化庁が設定する登録博物館に指定され、名称を「レプリカ標本をつくる博物館」に改名する。施設自体は町の民間提案制度を利用して旧保育所の施設を補修しながら活用している。現従業者数は役員1名、社員6名、パートアルバイト4名。年齢幅は10代から70代で、30代が最も多い。そのうち、学芸員2名、従業者とは別にボランティア研究員2名が関わる。現在、各地の博物館から展示物の依頼を受けるほかに、ECサイトを運営し、国内外を問わずに注文を受け付けている。また、2024年からは東京都上野の株式会社ルミネアソシエーツのザ・スタディールームエキュートから買い取り販売による小売りをはじめ、2025年からは新宿の株式会社週刊釣りニュースが運営するサカナブックスとコラボし、当社製品が展示されている。  社名の「Amphi(アンフィ)」はラテン語で「両側」という意味をもつ。業務を地方と都市部の「両側」になぞらえ、両方の地域をつなぎ、それぞれの地の利を最大限活かしたいと考えている。当社のブランドマークは両側というキーワードを意識して水と陸の環境で生き、約4億年前から現在まで繁栄する両生類(amphibius)のサンショウウオ類をモチーフにしている。サンショウウオ類は現生種が約670種知られ、その多くが省エネかつ長寿命(20~100年程度)、ニッチな環境を好むという特徴を有する。このようなサンショウウオ類の生存戦略を会社の経営戦略や理念の参考にしていきたいと考えている。 当社は生物に関することに重点を置き、博物館や研究機関、学会と積極的に関わり、従業者が研究活動をしたり、学会で発表することも推奨している。また、会社自体が2024年4月から日本両生類研究会の事務局を担っているほか、日本爬虫両棲類学会、日本哺乳類学会、日本動物園水族館教育研究会で従業者が発表をしてきた。そのほかにも岐阜大学との連携では全国の動物園で得られた動物の標本を3D化して、そのデータを基に作成したレプリカを群馬県立自然史博物館などに納品している。この事業例では売り上げの一部を岐阜大学の研究室にロイヤリティーとして還元している。  2023年からは地域団体と連携し、住民も参加できるイベントの開催に努めている。一部を抜粋すると、直近では2025年3月29日に当施設にて紀美野町自然環境ネットワーク主催で、東海大学海洋学部所属の高見宗広博士に日本の駿河湾とアメリカのモントーレー湾の深海魚について講演をしていただいた。3月9日にはNPO法人自然回復を試みる会孟子主催で生物多様性フォーラムを開催し、和歌山大学及び東京大学の生態学の博士、ユネスコの専門家、NPOの子供たちが参加をした。さらに、2023年7月1日に開催した日本両生類研究会主催の両生類自然史フォーラム和歌山大会をきっかけに当施設周辺の耕作放棄地を自然共生サイトに登録する活動がはじめられた。自然共生サイトとは30by30目標達成のため国が実施している取組で、環境省が認定した「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」のことである。ここでは土地の所有者である紀美野町に対して当社から申請を出したうえで許可をもらい、日本両生類研究会が主催、当社が共催という形で地球環境基金の助成金を受けて2024年4月から毎月活動を続けている。活動はビオトープづくりと両生類を主体とした生物調査である。活動の様子は当社及び日本両生類研究会のホームページから閲覧することができる。今後は当社主催でサイエンスカフェを開催することも計画しており、学芸員やボランティア研究員が内容を企画し、飲食提供の資格を持つ従業者が保健所の認可を得てコーヒーや菓子提供を進める。 以上のように製造業だけではなく、各地の大学や博物館、学会などと連携しアカデミックな活動を続けていくことで、紀美野町内外の人にも、企業活動で得られた学術価値のある情報を還元できるように取り組んでいる。このようなCSR(企業の社会的責任)を念頭に置いた活動は学会発表やSNSで発信していくことで広く認知してもらい、企業価値を多くの人に認めていただくことで商品の付加価値につなげていきたいと考えている。 最後に、雇用や職業体験についてもCSRに配慮して進めており、地域の高校生のアルバイトをできる限り受け入れ、直接連絡してくるインターンシップや中学校の職業体験も積極的に引き受けている。今後、彼らの進路に良い影響が与えられるように、またこの地域でも仕事をし、生活ができると考えてもらえるように、当社としては責任をもって会社運営を続けていきたい。

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