簡単な自己紹介です 大学院生時代から30歳台半ばまで国際関係論、ドイツ外交史を専攻していましたが、大学改革やインターネットの波を受けて、一気に他分野へとシフトし、異分野の人との共同作業にめざめました。NPO、インターネット、大学教育の三つの分野を同時に視野に入れて取り組んでいます。 95年からドイツの大学とのネット授業(e-Learning)は当時最初の試みでした。96年に日経新聞社主催のホームページコンテストで筒井ゼミは全国一位となりました(賞金30万円)。インターネット草創期には地方国立大学の一ゼミでも全国レベルに到達できた時代でした(個人のやる気がそのまま反映されるいい時代でした)。 ただその後は、ネット授業の抱える構造的な問題である現実との落差を解消するため、NPOのインターンシップやNPOの情報支援活動へと移行していきました。 2001年頃になると、本格的なe-Learningのブームになり、再度取り組んでいます。当面は、e-Learingツールである Xoops、 WebCT、Black Boardの普及を通じて、より学びやすい環境の構築に乗り出しています。 大学改革に私が具体的に関わったのは次のことです。 初年次のリテラシー教育の科目として国立大学(富山大学)で最初に(選択)必修科目として実施された 言語表現科目を提唱しました。類似科目は、他大学でも次々に実施され、全大学の三分の二大学で実施されるようになりました。草創期の先進的な取り組みとして全国的に注目され、富山大学発の教育改革として評価されています。 NPOには、95年の大震災直後に出会い、それ以来、研究者の視点から、実践活動と実践家との共同をおこない、NPO学会との接点をつないでいます。 NPOの情報戦略の一環として、市民メディアの取り組みを始めています。03年4月から新設された京都精華大学人文学部社会メディア学科において、「NPOと情報とリテラシー」の接点に立って取り組んでいます。 これまでの経歴です 1955年 7月京都生まれ。 1986年 9月神戸大学大学院法学研究科(国際関係論)修了。 1986年 9月富山大学教養部講師、助教授。 1993年 4月人文学部に配置換え。 1999年 1月人文学部教授。 2001年10月富山大学退職。 2001年11月京都精華大学へ転勤。 2003年 4月から人文学部社会メディア学科に移籍。 現在にいたる。 (4月というキリのいい時期での異動が少ない略歴です。とりとめのない人生を象徴しています。) 長めの自己紹介です 学者は、大学院時代に学んだ研究分野や研究スタイルを一生堅持するのが一般的である。でも、私の場合は、むしろその後に遭遇した研究分野や研究スタイルの方が性に合ってます。つまり、院生時代から30歳台半ばまでドイツ外交史という、伝統的な分野を専攻していました。しかし、伝統的な分野ではあまり大きな変化がないし、より自分にあう分野を探している時に、93年教養部廃止という事件に遭遇しました。親方日の丸の国立大学ではリストラはないと思っていましたから、この時期から国立大学の民営化を前提にした身の振り方を考えるようになりました。 異動した人文学部では、法学部出の国際関係論研究者の行き場所は歴史学しかなかったので、自分で新しい領域を開拓しようと努力しました。次の三つが新しい分野でした。 1.インターネットとの出会い 教養部にいたことは、社会科学や理科系の研究者との接点もあり、94年頃からインターネットに遭遇。ブーム以前でしたが、これは将来性があると思い、国際関係論とインターネットの接点で仕事をしようと思いました。95年秋から2000年まで、ドイツの大学と筒井ゼミとで、インターネットを使った共同授業(略称:DJ50)を実践。おそらく文科系での試みとしては日本でも最初。その甲斐あって、96年日経新聞社主催「文科系ゼミホームページ・コンテスト」で見事第一位となり、賞金30万円を獲得。地方国立大学からでも上位に食い込める草創期の時代でした。95年から96年は、学生の技術力が向上するにしたがい、それに応じた設備増強のための資金獲得活動、新規プロジェクトへの関わりなどで全国を走り回り、また、ドイツの大学との講義準備もあり、朝から晩まで学生と一緒に仕事し、また遊んでいました。この時期、家族とほとんど一緒にいなかった。 2.NPOとの出会い 経済学や経営学ならばともかく、国際関係論ではNPOという概念はなかっただけに、NPO業界に国際関係論分野から参加。実態調査として、NPO/NGOのインターネット利用調査をおこない、NPOに対する情報支援のつながりをつけることができました。インターネットの中でNPOと情報支援活動に行き当たり、強者たちと実際に出会いました。 3.大学改革との出会い 91年1月湾岸戦争勃発直後に、文部省在外研究から帰国したら、すでに93年教養部廃止に向けた動きが始まろうとした。大学に戻るなり、「筒井さんが帰ってきた時に、まだ教養部があってよかったね」という同僚の言葉で、二つの決心をしました。研究業績を積もう、ということと、首にならないならば、思い切って大学を改革してやろう、ということです。 初年時教育におけるリテラシー教育が今後深刻な問題になってくると思い、新しい教育カリキュラムとして、言語表現科目(http://hyogen.edu.toyama-u.ac.jp/)を新設し、初代部会長として四年間行政的にがんばる。しかし、実践なしには裏付けがとれないので、教育も担当。この講義は、専門講義よりもなによりも、刺激的で面白かった。教育工学(当時教育学部、現早稲大学人間科学部の向後千春さん)や理科系研究者(高知大学理学部吉倉紳一さん)、コミュニケーション学(桜美林大学文学部(当時国際関係学部))との接点ができたことがその後の共同研究につながっています。 向後さんと荒木さんと私の三名で書いた一般書『自己表現力の教室』(情報センター出版局, 2000年, 1300円)は大学での実践を一般向けに書き下ろした本です。現在、7刷1万5千部発行です。発行当時は、北陸や中堅都市の書店では、立花隆やモーニング娘。、大平光代などと並んで、店頭に平積みになっていました。著者冥利に尽きます。 発行後四年経った2004年2月に、京都北山にある、とがっている若者向けの本屋・雑貨屋チェーンの「ビレッジ・バンガード」京都北山店二階に、『自己表現力の教室』が四冊並べてあった。これもポップな表紙のおかげです。 上記の三つの活動を自分の基本活動として、 三つの分野を手を抜かないで取り組むことと、 教育活動も研究活動として取り組んでいくことと 年間論文2~3本、研究会・学会報告5~6回 を目指しています。 「NPOと情報とリテラシー」の接点に立って取り組むつもりです。
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