2019/04/16 20:41

クラウドファンディングも残すところあと3時間余りとなりました。
最後のリレー・エッセイは、福原千鶴。鼓はもちろん、よく通る可憐な声、麗しい舞台姿で、VOICE SPACEの舞台にいつも華を添えてくれています。「ルーツ」である朗読とVOICEでの活動について、綴ってくれました。

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VOICE  SPACEは私のルーツの一つです。
私は小鼓など、日本に古くからある打楽器を演奏しています。
普段は、江戸時代から歌舞伎と共に発達した長唄の唄や三味線、日本舞踊と共演することが多いです。新作の歌舞伎の為の録音なども。

一方で、学生時代からフリージャズと縁あって坂田明さん達と演奏したり、それを観た方の企画で劇団唐組の方達の朗読と演奏したり、京極夏彦さんを朗読ゲストにお迎えして自分も朗読したり、はたまた松尾スズキ作演出の舞台、博多座での声優のみなさんとの音楽朗読劇……といった活動も自分の中で大きな柱です。

VOICE SPACEとの出会いも学生の時でした。古典的な場以外で、小鼓をどう打つかということが全く手探りだった頃。他の分野の楽器や歌とどう共存できるかも分かっておらず、朗読することや歌うことも好きだけど、あまり人前ではしたことがない、専門的な教育を受けたわけではないという状況でした。

VOICE SPACEに数人いる(いた)作曲家や他の分野の人と、詩や言葉と音楽をどう結びつけるか、アイデアを出し合い、試行錯誤を繰り返しました。出来ないこともたくさんありました。

その後、10年以上の間にVOICE SPACEの中でも外でも色々な経験をして、今私にとって数年ぶりのVOICE SPACEのみんなと改めて一緒に音楽を作れることはとても刺激的で楽しいことです。そして、出来上がったCDは相当面白いこと間違いなしです。

残り少ない時間となりましたが、VOICE SPACE最新の自信作を広く皆様に聴いていただけますよう、クラウドファンディングへのご支援を、最後まで何卒宜しくお願いいたします!


【福原千鶴 Chizuru Fukuhara プロフィール】

小鼓等を演奏する囃子方。
長唄、日本舞踊、箏曲等との演奏を日本各地及びアメリカ、ブラジル等で行う。
ジャズミュージシャンとの共演も多い。主な共演は坂田明氏、ジムオルーク氏、スガダイロー氏等。
6歳より邦楽囃子を始め、福原鶴祐師に師事。
東京芸術大学大学院にて博士号取得。同大学にてアカンサス音楽賞、常英賞受賞。長唄協会所属。
2004年から谷川俊太郎氏、佐々木幹郎氏等と芸大卒業生による「VOICE SPACE」に参加。サントリー美術館開館記念コンサートでは小室等氏、伊藤多喜雄氏と共演。矢野顕子氏とも共演。二代目高橋竹山氏と即興や東北民謡の共演を重ねる。
ジャズ、雅楽、琵琶、尺八等の「東京民族音楽」、「秘宝感」メンバー。 和洋楽コンクールグランプリ、読売新聞社賞受賞。
2012年 劇団唐組のメンバーによる朗読劇『山吹』(泉鏡花)の音楽を担当。
同年11月より泉鏡花の作品を取り上げ、朗読演奏会を主宰。 2013年7月よりタイトルを「朗読幻奏」とし、朗読ゲストに京極夏彦氏を迎える。以降2014年3月、ゲスト田中教順氏(dr)、2015年9月、ゲスト山口崇氏。
2014年 両国回向院にて小室等氏、坂田明氏との東日本大震災復興支援ライブ主催。
2015年 東京都現代美術館「山口小夜子 未来を着る人」で発表された山川冬樹氏の映像作品に演奏で参加。
2016年 7月松尾スズキ作演出「ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン」にて演奏。
2017年 4月FMヨコハマ サンスターウィークエンドジャーニーゲスト、5月モンゴルにて日モ文化交流公演
2018年 2月片岡愛之助主演「システィーナ歌舞伎」、6月7月松尾スズキ作演出「ニンゲン御破算」、8月劇団唐組 朗読劇「海神別荘」、9月博多座「VOICARION」
DVD坂田明『平家物語』
CD「スガダイローの肖像弐」(PONY CANYON)
TVでは大河ドラマ「義経」「篤姫」、「芸能百花繚乱」「音楽のちから」「題名のない音楽会」等に出演。