2019/05/07 19:30


「北野天満宮春祈祷」といって、神様が神輿にのってみんなに顔を見せる日です。
神輿の担ぎ手はおおよそ20名。そのうち純粋な地元の若者は10名程度。
浜に住む人が少なくなってしまった昨今、
ボランティアの方にもお願いをしてお祭りを継続しているのが実情です。
浜に人がいなくなるということは、
古くから大切にしてきた伝統や文化もなくなってしまうということ。
若者が年々減る中で、お祭りをやめてしまう浜も少なくありません。

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しかしながら今年の立浜のお祭りでは、
フィッシャーマン・ジャパンの「TRITON PROJECT」から、3名の担ぎ手が誕生しました。
彼らは県外から漁師を目指して雄勝にやって来た新米漁師。
昨年は三浦くん1人でしたが、今年は新たに仲間が2人増え、3人で神輿を担ぎました。
地元の若者10名のうち、3名が「TRITON PROJECT」の担い手。これはすごいことです!

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高台の家々をゆっくりと回るお神輿。
杖をつきながら庭に出て手をあわせるお年寄り、お神輿を追いかける小さな子供たち。
「ご苦労様」と言って声をかけてもらうたびに、担い手たちにも笑顔がこぼれました。
なくしてはいけない風景が、ここにはあります。

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漁業を営むということは、浜の人になるということです。
そして浜の人になるということは、
地元の人たちが大切にしてきたものを受け入れ、受け継いでいくということ。
お祭りを通して、担い手たちも肌でそのことを実感したようです。

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この日は、雄勝法印神楽も行われました。
実はここ雄勝は、室町時代から受け継がれてきた民族文化が未だに色濃く残っている珍しい土地。
国の重要無形民俗文化財にも指定されています。

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なくなってしまったものを嘆くよりも、 たったひとつでも、いまあるものを大切に。

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きっと神様も見ていてくれたはずです。

今年もみんなが無事に漁を終えられますように。
そしてどうか、彼らの頑張りを認めてくれたら、大漁のご褒美を。

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