2015/02/23 23:12

 

皆様、ここまでお付き合いしてくださりありがとうございました。

これで最後になります、これで最終話となります。

2、3、4話と駆け足で書き上げましたが、 最後はちょっと長くなるかもしれません。

長文お覚悟お願い致します。

 

最終話「これで最後に完全燃焼」

 

ここはウィーン西駅。多くの国際列車が往来する駅。

 

気付くと上着の胸ポケットにチョコレートが差さっていました
乗った際は確かにテーブルにあったのに・・・・・・・・

窓を覗くと空は真っ暗。外は雪が降っているようです。 

時刻は夜の21:00 。

ミュンヘンでギリギリまで郵便局に並び、ハプニングに見舞われながらもダッシュでウィーン行き最終電車に飛び乗り、そこから記憶がありませんでした。

車内で爆睡してしまったようで、優しくも車掌さんが胸ポケットにチョコを入れてくれたようでした。

寝ぼけ眼で電車を下車すると外は一面の銀世界。雪がなかなか降っていました。すでに駅構内は2センチ程の積もっており踏むとサクッと音がします。

あらかじめ予約していたホテルがあったのですが、なかなか地面もぬかるんでおり、今だに赤子の様に抱きかかえる15Kgの荷物。今だに風が冷たい手袋を失った右手。そして寝不足。

ホテルを探す気力も残っておらず、人生初の空港泊をする事にしました。

朝の飛行機に寝坊しないためと、出国時のトラウマもありまして・・・・♩

空港へ着いてみると、意外と先客がおりました。わたしもそれに混じって席を確保しました。

夜の空港はとても新鮮で、決して真っ暗になる事はなく、日中あれだけ騒がしいのにとても静か。

ディズニーランドが閉館した後のようなイメージでしょうか。

松尾芭蕉に詠むならば

 

夏草や(ウィーン国際空港や)

兵どもが(空港関係者が・・・)

夢の跡・・・・(寝静まった後・・・)

 

 

 

夜中の12時くらいに席を確保し、そこから最後の手紙を書き始めました。

手紙を書いている間の"時"というものは実にあっという間に過ぎ

気付くと朝の4時。空港が起き始めました。(結局丸2日徹夜をしたようです)

朝一の便に乗る色んな国々の人たち。その傍ら手紙を書く私。

今回の旅で気付いた事は、テーブルと椅子に座った時よりもこうして移動中やどこかにいる時の方が言葉を紡ぎやすいように感じました。これは発見ですね。

そんな事を感じつつ帰国当日の朝8時に全て、本当に全ての手紙を書き終え、調べておいた空港内郵便局に行くために意気揚々とインフォメーションへ行くと・・・・・

 

 

 

最後の笑いの神様が待っていました・・・・・・。

 

 

 

私                        「郵便局はどこだい??」

インフォメーション「郵便局?去年閉まったわよ。」

                                                                      と一蹴。文字通り一蹴です。

 

がーん。本当に言葉以外が見当たりません。ぐわぁ〜んの方が音として近しい気もします。

搭乗まで残り時間は僅か。サッカーで言えばロスタイム。テストで言うと残り5分。朝で言うとあと5分。

その位の時間の無さ・・・・・ 

完全にここでの送る手段を失いました。そのまま寝ることなく、そして泣く泣く帰路の旅路へ・・・・。

しかし、伝家の宝刀の如く最終手段が一つだけ思いあたりました。

帰りはウィーンからアブダビ経由で帰国するのですが、そこに最後の望み、一縷(いちる)の望みとも言うべきポストがあったはずなのです!

それを最後の砦とし、無事に飛行機に搭乗。

(アブダビへ到着、もちろん機内は爆睡)

乗り換えでアブダビに着く・・・・・といました、ありました恋い焦がれた真っ赤なポスト様!(君をずっと探していたぞー!と内心叫びまして)

蓋はついてるものの、口を開けて待っている様にさえ見えます。

早速切手を探しにお店を散策しました。

私「切手売ってますか??」

お店「ないね〜」

さぁ、気を落とすことなく次々の店。

私「切手置いてますか?」

お店「ないね〜」

どこをかしこも歩いても切手が売ってません!(やる気あるのかー!!と突っ込みいれつつも)

目の前にこんなに立派なポストがいらっしゃるのに……!!

 

そうこうしているうちに成田行きのファイナルコールがかかりました・・・・・。

 

……ごめんなさい、送れなかった皆様………

 

 泣く泣く帰りの旅路へと、成田行きの便へ搭乗致しました。

 

 

約一週間に渡る旅もこれで最後。

最高に眠いけど、機内の唯一無二の楽しみである機内食だけは食べないわけにはいきません。

何とか機内食まで粘り、機内サービスの紅茶を頂き、そこで私の記憶は途切れました。

10時間弱のフライトでしたが、一度も起きることなく眼が覚めると成田空港。

しかも恐ろしいことに気付くと隣の方のブランケットまで奪っていました。 

(ごめんなさいお隣様・・・・・)

 

無事に帰国し、真っ先に向かったのは落し物センター。もちろんお目当ては恋い焦がれる私の右手袋。

 

 

 

 

私         「○○月××日にブルーの手袋ありませんか??」

空港職員「無いですね〜・・・・・・」

 

 

 

 

                 私の"right"はいったい何処へ・・・・・・・・!!!

 

 

                 (right 意味=正しい、間違いのない、右 、の意味)

 

 

                                         ーおわりー

 

 

 

 

 

 

ここまでお読みくださりありがとうございました。

そして全てを海外から送れなかった事を残念に、そして申し訳なく思います。

総送付年賀状枚数、37枚。

総封筒製作数         32枚。合わせて合計69部を送らせて頂きました。

 

アブダビはやはり到着に時間がかかり、スイスとウィーンは送付できるサイズの制限と料金計算が特に難しかった気がします。

今回campfireさんのこのプロジェクトを通じて皆様にお会いできたことを本当に嬉しく思います。

お手紙やメールを下さった方、Instagramや、ブログで紹介して下さったりと本当にありがとうございました。

お会いしたことない方へ送るのは喜び8割不安も2割でしたので・・・

 

今回、封筒のセットを選んだ方の殆どにパントーンの色見本から作られたポストカードを封入させて頂きました。こちらは色のリクエストを聞いたり、頭の中でその人にパッと浮かんだ色を入れさせて頂いております。

紅茶はyogi tea のオーガニックのジンジャー ティーを選びました。開けた時にふわっと香る様に。

Pick up のチョコはあらゆるチョコを食べて一番美味しい!と感じたものをチョイスしました。決して飾らずも美味しい。皆さんもドイツへ行った際は是非。

 

今回のこの企画。全ての方がとっても満足!!!とはならなかったかもしれませんがこのプロジェクトを通じてたくさんの経験をさせて頂いた事に心より感謝しております。

 

永きに渡ったこのプロジェクトもこれで最後となります。

ですが、もともと手紙好き、封筒好きですので不定期便を希望の方は遠慮なくメッセージを頂けたらと思います。

そして今は世界のどこかで封筒専門店でも作れたらなぁと企んだりもしています。

 

皆様が手書きの良さを少しでも感じて頂けたら幸いです。

またどこかでお会いしましょう!本当にありがとうございました。

 

 

                                     「"空飛ぶ年賀状"プロジェクト」          吉田より