2019/05/18 02:23

開始数日にもかかわらず、たくさんのご支援ありがとうございます。
今回の出演者よりメッセージをお届けします。


山本茂男(校長役、写真左)

 『演劇は時代をうつしだす鏡』と言われます。本作品は、今の社会の中で避けることのできない「いじめ」の問題に真正面から取り組んでいます。この劇を観た誰もが、登場人物一人一人が抱えている状況や人間関係を感じ取り、他人事ではない共感を得、自分とは無関係ではない現実を振り返り、これからのよりよい社会をつくるきっかけとなってくれたら、演じ手として嬉しい限りです。ぜひ劇場に足をお運びください。


馬場雅子(保護者役、写真中)

 教員になって30年になりますが、「いじめ」そして「子どもの死」について真正面から、こんなに深く話し合ったことはありませんでした。自分の学校には起こらない、私のクラスは大丈夫と思い込むことで見過ごしてしまった大切な事はなかっただろうかと、改めて考えさせられました。今回、一緒に舞台に立つ皆さんとこのテーマを通じて向かえ合えた時間は私の人生で何よりの宝物になりました。
 「私のクラスにはいじめはありません。」とは言えません。正体がハッキリせず、捉えどころのないこのいじめという化け物に私が言えることは「いじめは許さない」「いじめを見て見ぬ振りはしない」と自分に誓うということです。子どもには死を選ばせてはいけません。今回の舞台をご覧いただける方の中に「いじめ」について、それぞれ新たな誓いを立てるキッカケになったら、本当に嬉しいです。

福田麻希子(保護者役・エンディング曲歌唱、写真右)

 「親の顔がみたい」この台本を開くことは、今から20年程前にいじめを受けていた私にとって容易ではありませんでした。そしていま、稽古が進んでいくなかでこの作品が持つ希望や可能性をひしひしと感じています。
 現役教師が演じる加害者生徒の親たち。彼らは決して悪人ではありません。懸命に生きる普通の人々の話だからこそたくさんの方々に観てほしい。特に学生の皆様やそのご家族に観劇して少し思考を巡らせてみてほしい。
 いじめが起きた悲劇は覆りません。でもその悲劇の中で、周囲のちょっとした意識が、少しの想像力が、たったそれだけが誰かの心を救うかもしれない。そんな小さな灯火を心に劇場を後にして頂けたらきっと子供たちの未来が自由で明るいものになっていくのだと、信じています。