2019/06/10 11:46

みなさま、いつもALEへ温かいご声援ありがとうございます。
今回は、実際にALEで開発、運用している衛星についてお話しいたします。

<人工衛星初号機、ALE-1>

今年1月に打ち上げに成功しました。現在、地球から高さ500kmという宇宙空間で、地上局から送られてくるコマンドを受けて、数々のミッションに挑戦、クリアしています。皆様に人工流れ星をお見せするために私たち技術者だけではなく初号機もがんばっています。


・どんなミッションをしているの?

姿勢制御テスト:人工衛星の姿勢は搭載されているモーターを回転させて制御しています。どれだけの回転スピードで、何秒モーターを動かすとどうなるのかを試しています。

人工流れ星を狙ったところに流すために、どのタイミングで、どれだけのスピードで、どの方角に流れ星の素を放出するかを計算します。その計算通りに放出するためには姿勢制御が正確でないといけません。

バルブの開閉テスト:真空状態でしっかりバルブの開閉ができないと、流星の素を放出するためのガスが抜けてしまいます。地味に感じるかもしれませんが、大切なテストです。

搭載したカメラからの画像送信:人工衛星から地球や宇宙空間を撮影した写真を送ってくれています。このカメラは人工衛星に搭載しているプログラムがしっかり働くかどうか確認するための役割を担っています。


<2号機>

人工衛星2号機は、今年の夏以降に打ち上げを予定しており、現在東北大学で組み立てられています。

組み立てが完了すると、振動試験(ロケット打上時の振動などを想定し、振動に耐えられるかの試験)や、熱真空試験(高温や低温になる真空状態の宇宙空間で耐えられるかの試験)、質量特性試験(衛星をぐるぐる回すことで、衛星の重心の位置や衛星の回転しやすさ「慣性モーメント」を計測する試験)などを進めていき、全てをクリアできたらいよいよロケット搭載に向けて移送、そして打上げと進みます。



いかがでしょうか?
来年の春、世界初の人工流れ星実現に向け、今も宇宙と地球の両方で開発が進められています。さらに詳しいお話は、リターンの報告書やワークショップ、懇親会でお伝えいたします。
引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。

※組み立て工程の写真はALE-1を組み立てていた時の様子です