2019/06/13 19:44

活動報告第九弾として、ヴァイオリニスト小林さんからコメントを頂戴しておりますので紹介いたします。

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初めまして。『エコノミシティ』と『おしのびさん -ソラオの手裏剣ショット-』でヴァイオリンを、『ネコの大喜利寿司 powered by 集英社』でヴィオラを演奏しました、小林と申します。既に多くの方からご支援いただいていると伺い、演奏に携わった身として、そして Nukeninstrumentals の完成を心待ちにしている1ファンとして、とても嬉しく思っています。

椎葉さんとのレコーディング当日のやりとりはいつも、ゲームの設定資料やデモ画面を拝見するところから始まります。最新の開発画面やイラストをまじえて、どんなキャラクターがいるのか、どういった画面で使われる楽曲なのか、ゲームのプレイヤーがどれくらいの時間や頻度でその楽曲を聴くことになるのか、といった詳細な説明を、丁寧にしてくださいます。私たちはそれを聞いてゲームの雰囲気を感じながら、各々イメージを練ったり話し合ったりしながら演奏に移ります。

このアルバムに収録されるゲームの中で、私が最初にレコーディングに臨んだのは『エコノミシティ』でした。『エコノミシティ』のBGMは全部で2曲です。そのうちの1曲は「結果画面」ですので、プレイヤーはアプリを起動した瞬間から遊んでいる間中はずっと「ゲーム中」の曲だけをループで聴くことになる、と伺いました。日頃、私がコンサートなどで生演奏をお聴きいただくときは、聴き手と共有しているその瞬間を大切に、心に残る演奏ができるようにと心掛けています。

ですが、今回のようにループするBGMの演奏では、演奏に特徴をもたせすぎてループしたときに胸焼けしてしまわないように、それでいて単調で味気なくなってしまわないように、プレイヤーの方々に心地良くずっと聴いていただけるバランスを考えて取り組みました。この「ゲーム中」は、演奏に参加したメンバーと後日「これは上手くいったよね!」と話した1曲です。……もしかしたら私たちの思い込みかもしれませんが、是非聴いて確かめてみてください!

Nukeninstrumentals では、クラシカルだったりポップだったり和風だったりと、様々なテイストの楽曲が一堂に会しています。一曲一曲、どのように演奏したらよりこの楽曲の魅力を引き出せるかと、様々に思いを巡らせて演奏しました。一人でも多くの方に届き、長く親しんでいただけるCDとなることを、心から願っています。

小林明日香

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心のこもったコメントをありがとうございます。文中にもあった通りで、録音で弾いていただく際にはそのゲームのことがよく分かっていただけるような説明を心がけています。レコーディングに開発者が見学に来る時には、更に開発者自身からも使用場面のプレゼンをお願いしています(演奏者の士気もより上がる効果があるようです)。

小林さん自身ゲームファンだということもありいわゆる「仕様把握」が早く、場面に応じて様々な表情を使い分けていつも弾いてもらっています。それでいてこの音は小林さんの音色!と分かるのが凄いところのひとつです。

小林さんは本作では7曲を弾いてくださって最多登板者であるのに加えて、椎葉のこれまでの作品
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・スマイルゲームビルダー

・プリンキピア:マスター・オブ・サイエンス

・でっかわ彼女
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でもヴァイオリン/ヴィオラを弾いてくださっていまして、そういう意味での最多登板者でもあります。

なおかつ、椎葉にとって第2回目の個展であるコンサートを開いたときも弦楽四重奏のメンバーとして登板を願っており、やはりお世話になりっぱなしです。

ヴァイオリンをはじめとした弦楽器のアンサンブルは(やはりコメント中にあった通りで)クラシカル・ポップ・和風…といった色んな表現が得意で、皆さんにとっても身近な音楽ができる演奏形態なんですよ!ということを喧伝してゆきたいというのが自分の作曲活動のテーマのひとつでもありまして、それが今回Nukenin作品を通して実践できたことも嬉しいです。

演奏が「これは上手くいったよね!」と言ってくれていたとは初めて知りましたが、それは思い込みではございませんので、その結果も含めて多くの皆様に確かめていただきたいです!


また次回の活動報告でお目にかかります。

椎葉大翼