2019/11/05 17:30

「どげんかせんといかん日本の慢性痛医療」の協力団体、NPO法人ペイン・ヘルスケア・ネットワーク、スタッフの佐藤です。活動報告では、NPOスタッフの日々の活動やどげんかせんといかん日本の慢性痛医療の状況などについてお知らせしていきます。

入院患者と外来患者のリハビリ 二刀流の理学療法士です

私は急性期の病院に勤務していますが、月に2回非常勤勤務でペインクリニック科で働いています。そこでは慢性疼痛患者のリハビリを行っています。

急性期の病院でもペインクリニック科があり、入院で集中的に治療を行う方がいます。県外から必死の思いで痛みを治したいと入院しているの患者さんが多いです。そのような方はほぼリハビリの依頼がかかることが多いです。

圧迫骨折などは緊急入院して一時的に寝たきりになる方もいますが、多くの方が普段仕事をしてたり、普通に家事をしていたりと基本的に日常生活は自立している方がほとんどです。

セラピスト個人の考え方が出てしまう痛みに対するリハビリ

リハビリにはチームで関わりますが、様々な理由により

・「持ち患者が多いから比較的動けている患者さんはリハビリは1日おき」
・「病棟廊下の歩行だけ」
・「ADL自立しているから様子見るだけ」
・「運動療法/自主トレ指導」

など、かかわり方は変わります。

その中で、仕事であった私の経験、「セラピストの考え方の差が問題になった事例」を報告させていただきます。先輩の患者さんをお休みの時に代理で行う機会の話です。評価のもと腹圧低下、可動域低下、脊椎支持性低下などの体の機能低下があり、筋・筋膜性疼痛という痛みが出ていました。

ガイドラインでも保障されているストレッチや運動療法、自主トレ指導を行いました。患者さんは関節可動域や姿勢の改善、自分の弱くなっている部分を把握でき、ペインの治療に加え運動療法の効果を実感できたようでした。

医療者の何気ない一言が、すべてをゼロに戻してしまう

しかし、先輩からは「今回入院の目的は、ペインの治療なのだから無理して運動療法を行う必要はないのでは?」と疑問を投げかけられました。また、翌日の先輩と患者さんの会話でも「ストレッチで改善したら苦労しないですよ」など、患者さんが体に向き合って運動やストレッチを行おうと思うことに対し、否定的な発言をしてしまう場面もありました。

実はこのような医療者間の考え方の差による問題は、多くの病院で日常的に起こっていることなのかもしれません。

このような方向性の違いでよくけんかしていますリハビリでは
(画像はイメージです)

運動療法は世界のデータが認めるエビデンスが高い痛みの治療

痛みに悩んでいる患者さんは治療も効果的ですが、運動療法も併用して改善を目指すことが重要です。再発予防や将来の予防になる方も多いため、自主トレ含め患者教育は重要です。

専門職からの情報提供が適切に行われないと、患者さんは痛みの悪循環が断ち切れなくなり悩んでしまいます。

患者さんへの教育、痛みに悩む家族がいる方への教育、患者教育ができるセラピストの教育も必要で、医療者間の壁を少しでもなくしていくことが患者の利益につながります。

今回の【どげんかせんといかん日本の慢性疼痛医療 疼痛ゼロの日2019】では痛みに関わる医療者、患者、専門職以外の方も情報や理解を共有できる会になっているとなっています。

ぜひ皆様のご支援よろしくお願いいたします。

↓↓↓

『どげんかせんといかん』クラウドファンディングサイト
https://camp-fire.jp/projects/view/191987

『どげんかせんといかん日本の慢性痛医療』特設サイト(一般・医療職向け)
https://www.pt-ot-st.net/index.php/seminar/detail/69035/

サテライトイベント『私たちは痛みの最前線にいる』(リハビリ職向け)
https://www.pt-ot-st.net/index.php/seminar/detail/69034/