2021/08/29 15:29

選択的夫婦別姓・全国陳情アクションをご支援下さった皆様

こんにちは。事務局長の井田奈穂です。

子どもの貧困問題に取り組むNPO法人キッズドア理事長・渡辺由美子さんにお声がけをいただき、8月26日に「目指せ!投票率75%プロジェクト」実行委員として、荻上チキさんらと記者会見に参加しました。

(前列左から)NPO法人ドットジェイピーの細谷柊太さん、尾上瑠菜さん、NPO法人キッズドア理事長の渡辺由美子さん、井田、認定NPO法人自立生活サポートセンターもやい理事長・大西連さん、立教大学大学院特任教授・宮本聖二さん、(後列左から)一般社団法人社会調査支援機構チキラボ代表・荻上チキさん、NPO法人グッド・エイジング・エールズ代表・松中権さん、日本若者協議会代表理事・室橋祐貴さん、模擬選挙推進ネットワーク代表・事務局長・林大介さん


おじ(い)さんの、おじさんによる、おじさんのための政治。そんなシルバーポリティクスの弊害がここへ来て噴出していると思います。でも60代の半分だという20代の投票率が75%になったら、その構造はガラリと変わるのではないでしょうか?

このプロジェクトではまず、若者や、私たち現役世代の日々の暮らしや、考え方に直結する政策やテーマを調査し、争点として掲げるため、現在以下のアンケートを取ることからはじめました。若者&現役世代から多くの回答を期待してます。8/31までの回答は、各政党に持参します。

↓5分以内に回答可能ですので、ぜひ皆様もご協力ください。

2021衆議院議員選挙「あなたの争点」アンケート


私がこのプロジェクトに実行委員として参加した理由を、以下に述べます。

衆院選で問い直される人権問題

氏名や性自認など、その人がその人であることを変えなければ、同じ権利を持つことから排除する、人権意識に欠けた議員は、これ以上立法府に送るべきではないと考えています。

森発言以降、日本全体のジェンダー意識の遅れががより一層注目されていますが、【選択的夫婦別姓】【同性婚】への賛否は、その候補の人権意識をはかる上でリトマス試験紙のような役割を果たしているといえるのではないでしょうか。

都議選のNHK候補者アンケートでは、身近な「婚姻の平等」「家族」というテーマを、投票を促すきっかけとしていた若手インフルエンサーが増えたのが特徴的でした。

猥談バーで人気のYouTuber・佐伯ポインティさんが、期日前投票の方法を指南した動画は投票日までに46.8万回(フルバージョン9万回)再生。その中で彼も候補者アンケートから「選択的夫婦別姓と同性パートナーシップに賛成の候補者を選ぶ」としていました。

また、Twitterトレンド大賞2020第2位だった #検察庁法改正案に抗議します の発信者である笛美さんも、「選択的夫婦別姓に賛成の人に投票します」というアピールをしていました。

人権問題に「無回答」という卑怯さ

陳情アクションのサイトでも、NHK候補者アンケートを活用して、選択的夫婦別姓に絞った議員検索システムを公開しました。選挙区からでも、議員の名前からでも賛否が検索できるスグレモノを、メンバーが作ってくれたのです。

各党の傾向は鮮明でした。最終集計では自民党以外の党ではほぼ賛成一辺倒、しかし自民党候補の85%が、選択的夫婦別姓導入の賛否に「無回答」(同性パートナーシップでは90%)でした。「無回答」は維新1人、都民ファ1人、自民はじつに56人です。

多くの国民がここまで何十年も苦しんで声を上げ、7〜8割の国民が賛意を示し、注目されている人権問題に「答えない」とは、率直に言って卑怯だと思いました。後日当選した都議に聞くと、自民党本部からの模範解答では「無回答」とするよう指示があったといいます。



選択的夫婦別姓に「反対」は全員落選、「賛成」の自民議員は全員当選

都議選7月4日投開票の結果、選択的夫婦別姓に「反対」「どちらかといえば反対」と答えた議員は全員落選しました。さらに「無回答」が大半だった自民党は、当初50議席は堅いとの情勢調査を覆して33議席に終わり、「苦戦」「こんなに負けるのか」と伝えられました。政権与党であることを考えれば、「自公で過半数」の目標に届かなかった衝撃は大きかったのでしょう。

反対に明確に「賛成」と答えた自民党候補はわずか3名でしたが、全員当選しています。うち2名(台東区・鈴木純議員、葛飾区・平田充孝議員)は、改姓の苦痛や事実婚の不安を訴える陳情アクションメンバーの声を聞き、国へ選択的夫婦別姓推進の意見書を出してくれた当時の区議でした。困っている人たちの声を政治に活かそうとする人権感覚のある議員は、自民党の中にもいるのです。

20-30代の主要結婚世代は、8割から9割、法改正に賛成しているのに、なぜ法改正がされないのか。それは「どうせ投票しても何も変わらない。実際、自分たちの声で校則や制度が変わっていった成功体験が乏しい」という諦めが漂っているからだと思います。

そして子ども世代にそんな諦め方をさせてしまっているのは、私たち大人世代の責任であり、怠慢だと思うからこそ、私は今回の実行委員になることにしました。

次の衆院選では「自分たちの声で制度が変わった」体験をしよう!

コロナ禍を経験し、私たちは自分の命や、行動・選択の自由、尊厳が政治によって左右されることを学んだと思います。次の衆院選では、最高裁判所裁判官国民審査もあります。

今度こそ、人権問題に明確に解を出せる政治家、裁判官を選びたい。制度を変えたい。

私は選択的夫婦別姓や同性婚に「反対」「無回答」のような、「何の落ち度もない人を属性で差別し、切り捨てる可能性のある人間」を代表者として国会に送っていいと思いません。

丸川珠代・男女共同参画担当大臣、三ッ林裕巳・同副大臣を含め、すでに「選択的夫婦別姓反対」の国会議員50名は明らかになっているのですが、これ以外にも反対議員はいます。8月26日の同日に予定していた「旧姓使用の限界とトラブル事例」勉強会が延期になったこととも無関係ではありません(後日この件でも記者会見を行います)。

陳情アクションでは衆院選でも東大・朝日新聞調査などを活用して、「選択的夫婦別姓・同性婚に賛成」の議員のみ国会へ送れるよう、特に若年層への周知をはかりたいと考えています。その前に、まずは私たちが何を争点と捉えているのかを、各政党に示しましょう。

ぜひ明後日までにアンケート回答にご協力ください!

目指せ!投票率75%プロジェクト公式サイト 

公式Twitter

最後までお読みいただきありがとうございました。


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