2020/07/08 19:58

こんにちは、タカコです。

UDON HOUSEではデザイン全般を裏方からサポートしています。「うどんのおうち」ではパッケージデザインを担当しました。すでにちらりとお見せしている今回の箱ですが、麺に負けず劣らずの自信作となりました。パッケージデザインの試行錯誤の経過と私たちの思いを今回お伝えします。


真っ白パワポと紺ののれん

そもそもの始まりは「うどんを毎月ご自宅にお届けするサービス」という弊社代表原田の社内プレゼンでした。寝耳に水なスタッフとは対照的に、いつもながら原田のパワーポイントとトークは絶好調でした、パッケージについてのページが真っ白なこと以外は。

本当に「パッケージ」とタイトルだけ書かれた空白のスライドだったのです。まさかの真っ白パワポ、私デザイナーとしてあの衝撃は強烈でした。


そしてもうひとつ、その時のプレゼンで鮮明に覚えていることはどんな状況でもUDON HOUSEの暖簾は下げない」と書かれたスライドを説明する原田です。

古民家を改修したUDON HOUSEの印象的なファサードは、ロゴマークが白く抜かれた紺地の大きなのれんが魅力を演出しています。のれんは下げないという原田の言葉、これが私を決意させた瞬間です。


「やりましょううどんのお届け、守りましょうUDON HOUSE」



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すべては自社で手作業で

 


とはいえ、パッケージデザインの経験があるスタッフはいません。今回のプロジェクト全体に言えることですが、それぞれのスタッフがもともと持っていた多様な得意分野に、凝り性な性格とうどんへの思いが掛け算されて「うどんのおうち」が生まれたと言っても過言ではないのです。

パッケージデザイン部門でいえば、インドで(!)も編集業をこなしアドビはお手のものという平面デザインに長けた芸術肌モトコの、素晴らしい事務処理能力と労を厭わない即行の試作力が今回も大活躍しました。そのモトコと建築設計+紙が好きな立体デザイン系のタカコのふたりを中心にデザインは楽しくスタートです。その時はこんなに試作の嵐になるとは思ってもいなかったけれど。


その経緯を振り返っていきます。


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UDON HOUSEそのものをお届けしたい

「うどんが美味しいのは当たり前。うどんをただ届けるのではなく、UDON HOUSEそのものをお届けするデザイン」というコンセプトは初めからありました。

うどん打ち体験も宿泊もすべてがUDON HOUSEです。ならばいっそUDON HOUSE型の箱にしよう。これはわりあい早くに決まりました。

 

一番はじめのラフスケッチ。持ち手(しかもうどん)が付いていたり紙袋型や屋根の開閉方法こそ違いますが、この時点でロゴマークそのままの五角形で二階建てという案が早くも出てきています。

 

さっそく、手元にあったダンボールで1/2の模型を作りました。すでにほぼ今の雰囲気が出来上がっています。業務用うどん粉が入っている製粉袋のような「クラフト紙とベタ塗り印刷」というテイストもUDON HOUSEスタッフならではの案です。

 

 


この箱にどううどんが入るのか。輸送で傷まず箱から出したときにもっとも美味しく見えるうどんの形を探しました。袋つめのしやすさ、大きさ、三角や長方形など、そんな初歩からの研究です。

 
5mmずつ大きさを変えたりと試作検討した箱の数が両手を超え、ようやく形が決まりました。そして「うどんのおうち」という名前もつきました。

 

 

建物を再現することはもちろんUDON HOUSEの魅力そのままをお伝えすべく、間取り図を入れてみたり本物のいりこを入れてみたり、うどんメニューを入れたりと盛り込みたいことは山ほどあります。次々とやりたいことが湧きすぎてどう取捨選択するか、アイデアは捨てる方がむずかしい。

 


↑こちらは屋根のデザインを考えすぎて迷宮にハマったときの状況です。UDON HOUSEの特徴である瓦屋根だけでも10個ほどスタディを作ったと思います。ちなみにすべてボツです。容赦ない。


UDON HOUSEを訪れなくても「うどんのおうち」を手にしてご自宅で讃岐うどんを楽しく学んで美味しく召し上がっていただきたい。中のしきりを「学べるうどんすごろく」にするアイデアが出ました。さっそくの試作に対し、元が読めないほど細かくダメ出しした付箋が付きます。容赦ない。

 


スタッフ6人が子ども姿で讃岐うどんを作っている室内の風景で、順を追って麺の製法を学ベる仕掛けです。イラストひとつにしても手描きで検討です。



  

ようやく完成が近づいてきました。この後もさらなる改良を重ねついに校了です。こちらの写真とお手元に届く箱で間違い探しが出来ます。(少なくとも6ヶ所は違います。全問正解の方にはなにかプレゼントを)。

 


 

ついに初刷りと対面しました。印刷会社さんで我が子にうっとりするスタッフの姿です、感無量。地元の印刷会社様に今回多大なるご協力をいただきました。

 

ここまでくればあっという間、サクサクと大型機械で印刷されていきます。


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原田はじめUDON HOUSEスタッフの思いが詰まった箱がこのようにしてでき上がりました。素直に心から嬉しいです。お世話になった地元の印刷会社様、製麺機会社様、出汁会社様、地域の事業者の仲間、今までUDON HOUSEを訪れていただいた皆様、いつかお会いする方々へ感謝とともに「UDON HOUSEそのまま」を届けられれば幸いです。

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「うどんのおうち」の箱が可愛くてたまらない!可愛い子には旅をさせよ。


〜旅するUDON HOUSE〜「うどんのおうち」です。これからたくさん旅をしてぐんぐんと育ちみなさまに広く長く幸せに愛されていきますように。と、デザインが完了した今、まるで子離れ時期の親のような願いでいっぱいです。

 〜旅するUDON HOUSE〜としてさらなる企画も考えています。
これからもよろしくお願いいたします。

  香川県三豊市より