2017/05/03 11:15
ウルトラセブンねぶた「神業(かみわざ):骨組」

さぁ、今回はねぶたの骨格となる「骨組み」をご覧いただきましょう。
ねぶたの下絵から一気に3D化させる「神業」が炸裂する「骨組み」作業です。
角材で骨格を作り、そこを拠点に太い針金を縦横無尽に走らせながら肉付けをしていきます。

一見すると無造作に作っているような輪っかや自由曲線の針金がどんどん結束されていく様はまるで「魔法」そのものです!
どこかのパーツを作っているのでしょうが、それがどこの部分で何故パズルのようにぴたりと組み込まれていくのかが謎でした。
しかしどうやら「ねぶた師」の方々は最初の「下絵」の段階でその立体的な構造が頭の中で組み上がり、そのイメージに向かって黙々と作業をなさるようなのです。
そして北村麻子先生もまた、硬い針金をしなやかに扱いながら、予定調和の如く何かをどんどん組み上げていきます。

その集中力とスピード感の凄まじきこと!!!

ではご覧ください。
まずはこちらから目を慣らして参りましょう。理解度数:難易度 C の簡単画像です☆

◇これは分かりやすいですね☆背景の岩木山と「送り絵」が抱き合わせになった骨組みです。(送り絵:後ろ姿)

さぁ、次は想像力を豊かにして画像を静観ください。いきなりですが超難問です。電波塔…?いいえ、違います。(難易度 A)

◇分かりましたか?エレキングの右腕側からのショットです。電波塔みたいな部分はエレキングの後ろに立ち上がる波しぶきです。
ではこちらはいかがでしょうか!?難易度 B です☆

◇そうです!!エレキングの正面です。エレキングの角が見えます♪
ではこれはどうでしょう!?いいえ、電波塔ではございません。w(難易度 A )

◇セブンさんの左腕側からのショットです。針金の塊の上に長丸の輪郭とアイスラッガーを感じませんか?
次、これならお分かりになると思います。(難易度 B )

◇そうです。ファイティングポーズを取るセブンさんです。同じ方向からですが少し前寄りアングルで分かりやすいと思います。
ラストはこちらです!!(難易度 B )

◇正解☆!セブンさん正面です!
後ろや手前のウネウネは何でしょうか?!タコの怪獣?ではございません。セブンさんの顔の後ろの塊はエレキングの尻尾、下のウネウネは波しぶきです!

いかがでしたか。
下絵から角材に無数の針金が巻きつく立体を制作する器量は「ねぶた師」ならではの人知を超えたセンスだと感じました。
そして、このねぶた制作の技術が「日本の伝統芸能を代表する一つ」として末長く継承されていくことを願い、若手ねぶた師育成のために何らかのお手伝いをしたいと思えた瞬間でした。
本当に素晴らしい技術です。

さて、造形を担当してくださった北村麻子先生は、「もう少し詳細に表現できたかも知れないけれど、セブンねぶたのスケール観とねぶたらしいバランスを考えました」とおっしゃっていました。
私は針金の状態のねぶたを前にしてその先生の言葉を頂戴したのですが、その時はまだそれがどういうことなのか理解できませんでした。


しかし!次の工程でそれは驚く効果として現れたのです!!

 

次回「ウルトラセブン外伝 〜ウルトラノ會のひみつ〜 其の参(電気配線と紙貼り序章)」をどうぞお楽しみに!!!

<お知らせ>
目標達成額まであと70万円です!まだまだ皆さまのご協力が必要です。どうかご支援にご協力ください!
最終日5月19日まで見守りいただけますようよろしくお願い申し上げます!!

青森ねぶたウルトラノ會
kiiro