2020/07/21 00:05

皆さんこんにちは。

三豊鶴の北川です。

日頃からたくさんのご支援、応援、本当にありがとうございます。

本日の活動報告では残念なお知らせをしなければなりません。


三豊鶴TOJIのグランドオープンを7月23日としていましたが、見送る意思決定をしました。

タイトルにもある通りですが、当初4月のオープン予定から新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の発令を受けて見送り、ようやく落ち着いてきたタイミングで7月23日にオープンすることを決めクラウドファンディングをスタートしました。

しかし、ここ最近の感染者数増加に加え私たちが活動する三豊市という地域でも初めて感染が認められ、予定していた7月19日のお披露目会も急遽中止。そして、待ちに待った7月23日のグランドオープンも2度目の見送りをすることとしました。

応援してくださっている方々やオープンを楽しみにしてくださった方々、本当にごめんなさい。5人で納得いくまで話し合い決断したことなのでどうかご理解をいただけますと幸いです。

すでにご予約をいただいていた方々にも私たちから今回の判断とキャンセルのお願い、そしてお詫びのご連絡をしました。

活動報告を読んでくださる方々に是非ご理解をいただきたいのですが、私たちは新型コロナや感染されたの方々、国や自治体の政策に対して批判的な感情は一切ありません。

誰もがどうしようもない困難であり、明日は我が身です。

心から困難な環境に向き合われている方々の1日も回復をお祈りするとともに、寝食を惜しんで対応にあたられている医療関係者の方々や自治体関係者の方々に、なんとか経済を止めないように雇用を守るために事業を続けられる方々に、心からの敬意とエールを送りたいです。


再度オープン見送りの判断はとても難しかった・・・

私たち合同会社三豊鶴は本当に様々な方々のご支援や応援をいただいています。


三豊鶴周辺でお住まいの地域住民の方々。

私たちの活動を応援してくださる地域の方々。

地域の外から応援してくださる方々。

クラウドファンディングで支援してくださった方々。

僕たちの無理難題に付き合ってくださる大工さんや職人さんたち。

私たちの事業に共感し支援してくださる金融機関の方々。

昨年一緒にレストランやギャラリー、体験、LIVE、横丁などを創り上げてくれた方々。

私たちの活動をすぐに記事にしてくださるメディア関係者の方々。

私たちメンバーが経営する社員やスタッフさん、ご家族の方々。


本当に数え切れないほど多くの方々のご支援がなければ、今の僕たちも三豊鶴もありません。

だからこそ、いろいろな立場の方々にもご理解いただけるようにメンバー全員で悩み抜いて決めました。

本日の活動報告は私たちの気持ちとオープン見送りに至った背景をお伝えしたいと思います。


クラウドファンディング支援者の方々

まず、今回のクラウドファンディングでご支援をいただいている方々やご支援を検討いただいている方々へ。

このクラウドファンディングは「7月23日オープンに向けて多くの方に知ってもらいたい」という目的で始めたのですが、残念ながら7月23日オープンは見送ることにしました。

楽しみにしてくださっていた方々には本当に申し訳ありませんが、ずっとオープンしないわけではありません。特に宿泊チケットのリターンをご支援いただいた方にはオープン日が決定次第ご案内させていただきますし、使用期限も延長してご利用いただけるようにいたします。その他のリターンに関してはクラウドファンディング終了後できるだけ早く、お礼の気持ちを込めてお送りさせていただきます。

また、オープンは延期になりましたがクラウドファンディングを中止するわけでもありませんし、三豊鶴TOJIは必ずタイミングをみてオープンさせます。オープン日という不確定要素はありますが、この取り組みを多くの方々に届けたい、そして共感してくださる方と繋がりたいという目的は一切ブレていませんので引き続きご支援、応援のほど何卒よろしくお願いいたします。


地域住民の方々

私たちは設立当初から「地域の方にも愛されて、地域の外からも興味を持ってもらえる、その両立をさせていきたい」と考えてきました。

ビジネス的に考えると、「観光客ターゲット」とか「地元の方向け」とか絞ってしまった方がわかりやすいのかもしれません。ただ、私たちは約150年続いてきた三豊鶴をさらに持続可能にしていくためには、どちらも大切にしたいと思いました。

それは、この三豊鶴プロジェクト自体がゲストハウス事業だけではなく、この三豊鶴に触れて「自分もここでこんなことがやってみたい!」や「三豊鶴と一緒にあれやりたい!」など地域内外の方々の新しいチャレンジやコラボレーションが生まれる場所にしていきたいからです。

今回、地域の中で初めて感染が確認されたということは、地域住民の方々にとっても精神的ショックが大きく、地域内の病床数もかなり少なかったり、高齢者率も高い環境的側面も含めて「今この瞬間は地域の方々のご負担になってはいけないタイミング」だと判断しました。


ご予約いただいた方々

すでにいくつかご予約をいただいておりました。

「日本酒が大好きな旦那様の誕生日プレゼントに・・・」

「感染対策がなされ、接触リスクの少ない一棟貸し施設をわざわざ選んで・・・」

など

様々な想いでご予約いただいていた方々のお気持ちを伺い、とても申し訳ない一方で、心を込めてご予約キャンセルのお願いをさせていただくと

「また泊まりに行きたいので、是非オープン決まり次第連絡ください!」

「頑張ってください!応援しております!」

というありがたいお言葉を頂戴し、メンバー一同救われるような気持ちでした。

オープンが決まったらいち早くお知らせしますので、その際は是非私たちメンバーからも改めてお詫びとお礼をお伝えしたいです。


地域の事業者の方々

私たちの仲間たちも同じ環境下で、挫けそうになりながらも迷いながら、どうにか工夫と対策をしながら事業を継続しようと努力されています。

今回の判断を私たちが下すことによって「なぜ三豊鶴は自粛したのに自粛しないのか?」と思われてしまう可能性があります。

これまで「一緒に地域を盛り上げていこう!」と応援し合い、支え合い、励まし合ってきた仲間たちにも影響が生じるかもしれないと、かなり悩みました。

それでも、これから先も何が起こるかわからない中で、私たちは私たちで自分たちの信じる判断を行おうと決めました。

その後、何人か地域の仲間に報告しましたが「お互い頑張ろう!」と笑顔で受け入れてくれました。本当に強くて、自分の頭で考えて動ける仲間たちに囲まれているんだなと、嬉しくなりました。

読んでいただいている方々にお伝えしたいのは、誰にとっても今は未知の困難に直面しており、信憑性の高い情報もまだわからない、みんなが満足する答えもない、そんな中で事業者の方々も自分・家族・社員・地域の方・取引先・自分の会社など多くの守るべきものを抱えながら、葛藤しています。

どうか地域の中で非難しあったりするのではなく、それぞれみんなが大変な中でできる範囲で支え合い、認め合い、来るべき時に備えましょう!


お金のこと

正直、私たちもヤバいです。完全に笑えない状況になりました。

多額の初期投資を行い、さあこれから!というタイミングでコロナショックが起きて、その影響を受けている方は身近にもいますし、全国にもたくさんいらっしゃると思います。

経営に携わる以上、いつでも倒産リスクと背中合わせですがこれまで以上に真剣にキャッシュ対策や資金戦略を立て直さねばなりません。

どれだけ理想論を並べても合同会社三豊鶴は民間企業ですので、地域の方々もそして自分たちのビジネスも守っていく、と決めた以上は経営者として成長するしかありません。

「今回はコロナのせい」ではなく、これから先もまだ見ぬ困難を乗り越えていける経営者に近づけるチャンスだと捉えて、「固定費でも維持費でもかかって来い!!全部丸ごと片付けてやる!」と言えるように必ずこのピンチを乗り越えます。


三豊鶴のこと

今回の決断をする上で、色々な方々の顔が思い浮かびました。

考えれば考えるほど答えのない状況で、5人全員が沈黙して夜空を見上げて、それでも考えていました。

普段の重要な経営判断は議論した後に5人の多数決で意思決定するのですが(弊社は5人が等しく代表権を持っています)、今回は多数決じゃなくて全会一致でオープン見送りを決めました。

決めた後、いつもは馬鹿話をしたりふざけあったりするのですが、そんな空気にもならずそれぞれがポツポツと帰路に向かおうとした時に次男の矢野が「この判断は三豊鶴を続けるために決めたんやけんな」とボソッと言いました。

たしかに、僕たちはこれまで約150年の地域を見守ってきた三豊鶴を次の世代につなぐため、そして次の100年、150年につなげていくために、自分たちにできることを不器用ながらボロボロになりながらやってるんだと気づきました。

私たちが三豊鶴と出会って、惚れて、まだ2年も経っていない。

これから先の100年後に振り返ったら今のこんな出来事は大したピンチじゃないかもしれない。

そう思うと、不思議と乗り切れる気がしてきました。

だってこれまで三豊鶴も太平洋戦争やバブル崩壊などいろんな社会の荒波に揉まれてきて、僕らと出会ったんです。

きっと、三豊鶴と一緒に僕たちも成長すれば乗り越えていけます。

みんなで乗り越えていきましょう!


残り2日、クラウドファンディングは続きます。最後までどうかもう少しお力をお貸しください。



三豊鶴5人の想いを代表して。

北川智博