2017/06/06 21:14

逃げるようにして部活を辞めた、あの頃のぼくを思って。
ぼくは、リバ邸茨城を心から応援します。

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フリーライター、まちづくりコーディネーターのしましま(高島聖也)です。
茨城・稲敷を中心にまちづくり活動や、執筆・編集の仕事をしています。

今回、このリバ邸茨城のプロジェクトを応援しようと思った背景には、10年間に渡るとても個人的な、ひどく内省的な思いがベースとなっています。
ほかのプロジェクトメンバーがステキな応援メッセージを綴っているなか、こんな文章を書いてどうするんだ…とは思いました。
ただ、これがぼくの心から伝えたいことでもあります。

今、何かから逃げたいと願っている人。
過去、じぶんが逃げたことをひどく悔いている人。

そんな人たちに届けばと、切に願っています。

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10年前、ぼくは5年間続けてきたバスケットボールを辞めました。

理由は、きっといろいろあったのだと思います。
県下でも指折りの「文化祭バカ」だった高校で、その活動に打ち込みたかった。
兼部していた軽音楽部で、ずっとバンドをやっていたかった。
あまりに楽しい放課後の高校生活を、ヒマな友人たちとだらだら過ごしたかった。

今となっては、あまり確かな記憶ではありません。
ただひとつ、ハッキリと憶えているのは、バスケ部メンバーへの後ろめたさです。
部活のことを振り切るようにして過ごした3年間は確かに楽しかった。
今の働き方を志す原動力にもなっています。
それでも、3年間バスケットボールを続けてきた彼らには合わせる顔がなかった。
卒業までバスケットボールを続けられなかった、心の弱さみたいなものを感じていたのかもしれません。
夜遅くまで続く練習や、レギュラーになれないしんどさに耐えられなかった部分は、やっぱりありました。

その部活で出会ったのが、リバ邸茨城の管理人・ぷーさんこと木本一颯でした。
彼は、高校からバスケットボールを始めた人だった。
日々の練習や試合は、ミニバスからやっていたぼくの何倍も大変だったはずです。
3年間きっちりバスケ部の部員をまっとうした彼に対して、ぼくが感じていたのは面目なさと情けなさ。
誰にでもおおらかな彼の視線をも避けるようにして、ぼくは明るくもどこか辛さの残る高校生活を過ごしました。

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「茨城にシェアハウスをつくるから遊びに来て欲しい」
ぷーさんこと木本一颯に誘われたのは、ぼくがバスケ部を辞めてからおよそ10年が経った頃。
二つ返事でリバ邸茨城に向かい、そこで半日ほど彼らの思いを聞きました。

「現代の駆け込み寺」としてリバ邸をオープンさせたこと。
多くの人が気軽に来ることができるよう、居酒屋スペースを設けたいこと。
そのためにクラウドファンディングに挑戦すること。

自らが掲げた志のために尽力する彼らの姿を見て、ぼくはじぶんがひどくみっともない存在に思えたものです。

カズは、ぼくを受け容れているじゃないか。
かつて逃げるようにして部活を辞めた元メンバーを、カズは全然気にしていないじゃないか。

ぼくは、リバ邸茨城の本プロジェクトを心から応援しています。
この思いの半分は、あの頃のじぶんへの贖罪です。
本プロジェクトを成功させることで、昔のしょうもない感情を浄化させようと、最高にカッコわるいことを考えています。

そのために、カズのやりたいことを全力で応援したい。
きっと内容はなんでも良かったのだと思います。
音楽フェスを開催したいと言われたら、出演者集めに奔走していたでしょう。
ヒッチハイクで日本全土を周りたいと言われたら、知り合いの地域おこし協力隊全員に声をかけたでしょう。
大統領になりたいと言われたら……うーん、そのときはどうしていたかな。

とにかく、カズのやりたいことなら何でも応援したいというのが、このクラウドファンディングに懸けるもう半分の思いです。

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現代は、今とちがう選択肢を選ぶことがどんどんむつかしくなっているように感じています。
進学先や就職先の選択はもちろん、パートナーや仕事上のあれこれもみんな。
じぶんの目の前に、うっすらと「正規ルート」みたいなものが敷かれているような気がします。
そこから少しでも逸れようとすることが、ひどく困難なような。
いちばんのブレーキをかけているのは、他ならぬじぶん自身だとも思います。

あなたのやりたいことはあなたがやるべきだし、そのために声を上げることはもっと簡単でいいはずです。
そのために、今回このプロジェクトのリターンとして「ライティング講座」を提供しています。
月並みな文章スクールではない、「本当に伝えたいことを伝える」ための時間を一緒につくりたい。
じぶんのための選択を、じぶん自身の言葉で発信するための技術を一緒に磨きましょう。
もしかしたら、ライティングのスキルうんぬんという話だけでは無いかもしれません。
それでも、「現代の駆け込み寺」たるリバ邸茨城で、ぼくができるのはこれくらいしかないのです。

リバ邸茨城は、あなたの「はじめの一歩」を応援しています。
どうぞご支援、ご協力をお願いいたします。