2020/06/12 12:00

目標金額サクセスしました!温かいご支援ありがとうございました。

※今回は、2回目のクラウドファンディングのお願いです。
またか、と思われた方、すみません。またです。ただし、1度目のクラウドファンディングは、「現状店舗継続のための支援」のお願いでした。今回は、「囲碁界の未来に投資するための支援」のお願いです。よって、趣旨が全く異なるため、もしご支援いただけるという方は、最後の一文字まで下記文章(私・Mayuの魂の叫びと囲碁界の未来への展望図)を読了いただいてから支援を実行いただけますと幸いです。


1.クラウドファンディングへの道のりと御礼


コロナショックを受け、あまりの大打撃に「店をやめること」を決めた5月上旬。
(下記noteをご参照ください)

コロナショックで閉店を考えている全ての飲食店の方へ
【前編】
https://note.com/pandora_mayu/n/n50e08edb8444
【後編】
https://note.com/pandora_mayu/n/nb30a26b37989


そこから、お客さまや友人たちの温かく真摯な励ましのおかげもあり、散々考え抜いた末に「やめることをやめること」にしたのが5月末でした。

私は、もう下を見ない。前しか向かない。そう決めました。


お店存続の道を歩むと覚悟を決めて始めた第1回クラウドファンディングは、
2日後には目標金額を達成することができました。
これもひとえに、皆さまの温かいご支援のおかげです。
本当にありがとうございます。


2.囲碁の未来を考える

資金繰りに追われる数カ月の中で、ふっと一息つくことができたことで少し考えてみたのですが、今回のコロナショックは2つの「確実」を私たち囲碁カフェ/碁会所経営者に突きつけたように思えます。

1つは、第2/第3のコロナショック、または次の感染症ショックがくれば、「確実」に我々の生きる道は閉ざされます。給付金や補助金は潤沢には見込めませんし、法的拘束力を持たない、あくまで空気感で物事の是非が判断される自粛を突きつけられては、真綿どころか巨大なアナコンダに首を絞められるがごとく一瞬で窒息します。

今回も本当の本当に、店舗閉鎖を決断する一歩手前まで行きました。
私のお店:ひだまりだけではなく、他の多くの囲碁カフェ/碁会所も、同じ状況にあったことでしょう。今回生き残れたこと、これは、単なる僥倖に過ぎません。

コロナ自体が日本においてはそこまで猛威を振るわなかったこと、結果、緊急事態宣言が早期に解除されたこと、その環境下でも一人ひとりのモラルが高く、感染の拡大が引き続き抑えられていることなど、いくつかの偶然が重なっただけです。本当にラッキーでした。少なくとも、囲碁界全体において言えるのは、「経営基盤が盤石だったから生き残れた」とは到底言えないということです。ほんのちょっとボタンが掛け違っていれば、あと数十のお店が囲碁界だけでも潰れていたことでしょう。そしてそれは、ひだまりそのものであったかもしれません。

もう一つは、であるならば我々は「確実」に次の道を探さねばならないということです。

私の場合、家業でもあり祖父や母から受け継いだこの囲碁事業を、どうしてもどうしても、どうしても手放したくはない。100年企業にしたい。しかし、今までと同じでは、皆様のご支援をいただいたとしてもいずれは潰れることになる。そしてそれは、感染症リスクが人類とWithである限り、残念ながら不可避である。

「変化」ではなく、「変革」をする。

自分にとって都合の良い分だけを変えるのではなく、自分の絶対に譲れない部分だけを残して、もっと根本から変えていく。痛みを伴いながらでも道を切り拓いていく。その覚悟を持たねば事業の継続すら困難な中で、私は次への第一歩を踏み出すこととしました。


新たな「囲碁コミュニティの未来のカタチ」を模索するのは今しかない。


3.囲碁コミュニティの未来のカタチ


「囲碁コミュニティの未来のカタチ」とは、具体的には2つのラインから考えています。

1、既存のリアル店舗のさらなる充実、集客、顧客満足、顧客体験の追求

2、オンライン上、バーチャル上での環境の充実、集客、顧客満足、顧客体験の追求


1については、正直に言うと、私はかなりの程度やりつくした感があります。
勿論、100点満点ではありません。細かなカイゼンは日々積み重ねています。

それでも、ひだまりを通じて日本屈指、いや世界屈指の囲碁空間を作り上げたという自負が、私・Mayuにはあります。


日本はもとより、世界中から多くの人がわざわざ訪れてくれるこの場所は、私の誇りです。私のこの自負がホンモノかどうかはぜひ確かめていただきたいので、ひだまりにて皆さんのお越しをお待ちしております。ここで日々生まれている囲碁コミュニティは、本当に素晴らしいものになっています。

2については、1に比べると現状1/100のといったところです。

勿論、世にはすでに無料の対局サイトがたくさんあり、囲碁を打つ分には何の支障もなくなりつつあります。しかし、それは私の思い描く囲碁コミュニティの姿ではありません。国内、国外問わず、リアルと同様かそれ以上の濃度でコミュニティが形成され、活発なやり取りが交わされ、あたたかな人と人とのコミュニケーションが生まれていく。

そしてそのハブとして、ひだまりが存在している。それが私の描く囲碁コミュニティの未来図です。そこから逆算すると、現状では足りないものがたくさんあります。ここに、私はチャレンジしていきたい。そう思っています。よって今回、ある程度完成の域に近づきつつあるリアル店舗に対しては、支援金を使う予定はありません。全額、オンライン/バーチャル/ワールドワイド分野へ投資します。


4.ゴールした場合の資金の使い道

今回、ネクストゴールを達成した場合チャレンジするのは下記3点です。
具体的に支援・投資いただきたい内容でもあります。

1.オンラインサービスの開発(100万円)

2.多言語ECサイトの開設(50万円)

3.不定期の海外視察(50万円)


1.オンラインサービスの開発

囲碁プレイヤー100人にオンラインとリアル対局どちらが好きか聞いたところ、89人の人が「リアル対局」と答えました。

その中のほとんどの人が

「リアルに打つ場所がないので仕方なくネットで打ってる。効率がいいから」と答えました。

これはこのオンライン全盛時の時代に、意外とも思える答えでした。
人々は引き続き、リアルを、あるいはリアルに近いものを求めているということなのではないでしょうか。現在の囲碁オンラインサービスは、どれもまだまだ無機質なものに過ぎません。囲碁はできても、囲碁コミュニティはできません。ポチポチと打って、それでおしまい。これで楽しめる人はいても、そうではない何かを求めている人もたくさんいると私は考えています。

この無機質な状態をなんとかリアルに近づけるべく、新たなオンラインサービスの開発に着手します。5Gの時代が来なければ完璧には稼働しないかもしれませんし、現状ではVRのボトルネックも存在するかもしれません。しかし私は、時代を待つのではなく、時代を作りたい。どんなものになるかはまだ構想段階ですが、ありとあらゆる手段を試みてみようと思っています。日本中、世界中の人が集える場所を、オンライン上に作ります。そのための研究開発費が必要です。

2.多言語ECサイト構築

オンラインサービスが、人々の交流するいわば「宇宙ステーション」であるとするならば、こちらは「空母」です。中国で生まれ、日本で成熟した囲碁という素晴らしい文化を、世界中に対して商品として発信(発進)する母体を作ります。

海外からお越しの方に非常に多いのですが、彼らはひだまりに「囲碁というゲーム」をしにきているのではありません。「囲碁という文化」を学びに来ているのです。彼らは、学んだ文化を母国に帰って広めてくれています。また今度は違う方が、日本に学びにきてくれるというサイクルが不思議と回っています。私はこういう文化の伝播を、何百回もひだまりで経験してきました。そして私はこの現象を加速させるべく、文化の発信基地としてのECサイトを立ち上げることとしました。

ちなみに海外にいる囲碁プレイヤーの中には、人と対局したことがない方が多数います。囲碁の対局マナーを伝えるために作ったポスターは32か国でシェアされました。こういう小さなところから、文化というものは伝わっていくんだなといつも驚いています。


↑動画も人気です。


3.不定期の海外視察

ひだまりを100年企業にすること、そして世界の色んなところにひだまりを作ること、囲界に生きる皆が幸せになれる時代を創ること。
これが私の夢です。

そのためには、自分自身が日本と世界を知る人間にならねばいけません。しかし現状、私にはその選択肢がほとんどありません。囲碁カフェ/碁会所はそのほとんどが、薄い利幅と実質無休に苦しんでいます。これは低単価主義に毒された業界全体の問題であり、少しずつ変えていかねばならない部分ではありますが、今すぐ解決するものでもありません。そして、私にはそれを待つ時間はありません。

「要は、海外に行きたいだけでは?」、「旅行費を出してもらいたいだけじゃないの?」と思われた方もいるかもしれません。ここは敢えて、はっきりと「Yes」と申し上げておきます。私たち囲碁カフェ・碁会所経営者は、自らの見聞を広めるのが大事と分かっていても、事業の制約ゆえに常に店を開けておくことを求められます。それが海外視察となれば尚更。結果、私たちにとって、それは非常に手に届きにくいものになってしまっています。このギャップを埋めるため、ビジョン達成のために、恥とも思わず頭を下げてこの海外視察の支援をお願いしたいと思います。


5.まとめ


最後に、4年前まで囲碁をやったことがなかった私が、
なぜ覚悟を決めて取り組んでいるかというお話をさせてください。

私の家族は、囲碁に支えられて生計を立てて来ました。
だから囲碁に恩返ししたい。

ひだまりの前身である碁会所(囲碁を打つ場所)は1965年に祖父がオープンしました。
その間、休まずに続けてきました。

それはどういうことか?

私の生活は囲碁によって成り立ってきたのです。
私が囲碁を嫌いだった間も。

お店をやろうと決めた4年前。
その頃からすでに囲碁人口は減少し、「大変だ。囲碁普及しなきゃやばい。」
と言っているのをたくさん耳にしました。


昔は当たり前のように打てる人がいましたが、
今はそうではありません。世の中にはゲームがたくさんあります。
その中で選んでもらうには工夫が必要な時代になりました。

工夫が必要なのに、
価格を下げれば人が集まると思う人が増え、
価格破壊が起きて、囲碁の価値は下がる一方です。

その現状を目の当たりにして、ショックをうけました。
こんな状態だと囲碁界に未来はない。
憧れられる業界とは程遠い。

そのため、常に囲碁をやったことがない方に向けたものを提案してきました。
ひだまりを作り、
文化を広めるために、外国人の方に向けた囲碁体験を始め、
区のイベントに参加する、音楽活動を続ける、
女性が持ちたくなるようなグッズを開発するなど、数々の挑戦をしてきました。

全ては囲碁に対して恩があるからです。
囲碁が強くなくたって、できることはある。
囲碁業界に貢献したい。

そう思い、覚悟を決めてやってきました。

繰り返しになりますが、今回お願いさせていただくのは、「現状店舗維持のための支援」ではなく、「囲碁界の未来に投資するための支援」です。

言い方を変えれば、顔を上げて前だけを向くと決めた、Mayuといういち個人に対する投資です。正直、勝手が分かっている現状店舗の改装費や維持費をお願いする方が、何倍も楽でした。資金をうまく活用できる見込みも、かなりの高い確率で保証できたと思います。

しかし冒頭述べたように、それでは緩慢なる延命措置にしかならないと私は判断しました。
愛する囲碁界の、しかし全体的な凋落の傾向には逆らえないと確信しました。

今回は、それに抗うための一手を打つための資金を集めます。
今までとは異なる分野にチャレンジするため、確率や期待値は駄々下がりします。
それは最初に申し上げざるを得ない部分です。

もしかしたら、チャレンジはするものの大失敗、ということもあるかもしれません。
まだ誰にでも成し遂げられてないことをやろうとした結果として、何も残らなかったという無残な結果も待っているかもしれません。


しかし先人は、そうやって確率や期待値を無視して、現在の世界を作り上げてきました。
今度は、私・Mayuがそれをやる番です。
祖父が立ち上げ、母が受け継いでくれたこの仕事を、私が次世代に誇れるような可能性に満ちたものにしていきます。

こんな私ではありますが、皆さまからのご支援、心よりお待ちしております。皆様の想いを、私に預けてください。よろしくお願いいたします。