2019/01/07 23:00

「世界で一番おいしい卵焼きの作り方」をレシピにできるでしょうか。

 

答えは No だと、私たちは考えます。

 

なぜか。

 

その人にとって世界でいちばん おいしい卵焼きはきっと、
子どものころに繰り返し食べたお母さんの味だからです。

 

一流の料理人が作る卵焼きや、
行列ができるお店の卵焼き。

 

それはもちろん、ほっぺたが落ちるほどおいしいです。
でもやっぱり「一番」じゃない。

 

大人になって、本当に心が折れそうな時に、
一口食べただけで 涙がボロボロこぼれる。

いつものように「ちょっとしょっぱい」卵焼き。

いつものように「ちょっと焦げてる」卵焼き。

いつものように「カステラのように甘い」卵焼き。

 

それが、「心」に届くのは、

幼い頃の自分の毎日を支えてくれた
「愛された記憶」に繋がっているから。

 

 

今日、1月7日。

鹿児島では、7歳になる子どもたちが、7件の家から
おかゆをもらうという風習があります。

 

その子の健康を願い、7人もの大人が
それぞれにおかゆを炊いて待っていてくれる。

 

写真は長女の七草祝いの日にいただいたおかゆ。

 

 

家庭によって、入っているものが少しずつ違い、

家庭によって、味わいが少しずつ違う。

 

どれも本当においしいんですが、

興味深いのが、どれが誰のつくったおかゆなのか、
だいたい想像がついて、一口食べるとその人の顔が浮かぶところ。

  

同じような具材で、

同じような調味料を使っても「その人らしさ」が出るのが

家庭料理のステキなところだと思っています。

 

 

今作っているレシピ本も、

「これが一番おいしい作り方だから、みなさんこの通り作ってください」
というものにはせずに、

 

きちんとコツは伝えつつも、
「その子らしい味」が育つもの。

5年後、10年後に読み返した時、

または、大人になってからページをめくった時、
家族と過ごしたその日の思い出が蘇るようなもの。

成長の軌跡が見えるものにしたいと思っています。

 

例えば、お味噌汁の最初のページ。

 

具材の組み合わせは無限にあります。

 

「え?こんなものもお味噌汁に入れておいしいの?」

「この組み合わせはまちがいないね!」

 

というアイディアは載せつつも、

 

今ある材料でパパッとおいしいものを作っていく力がつくように。

年に数回しか作らないご馳走のレシピは、一般的なレシピ本にお任せして、

繕(つくろ)わない、日々の暮らしを支えてくれる料理の力が身につくように。

 

メモがかける余白もしっかりとって、

どんな味噌汁を作ったのか。

家族の反応はどうだったか。

そんなことが書き込めるような本にします。

 

「xxちゃんが初めて作ったお味噌汁、そうそう!そうだった。

 アレとアレが入ってて、こんな味だったよね!

 家族みんなで大笑いして食べたよね!」

 

「くんが初めて作ったお味噌汁、

 アレを入れると聞いてギョッとしたけど、食べてみたら美味しくて、

 あの日以来、わが家の朝ごはんの定番になったんだよね〜」

 

なんて会話が、将来、ボロボロになったこのレシピ本を囲んで

日本中で交わされたらステキだなと思っています。

 

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