2018/12/31 08:20

こんにちは。

階段王になる男、渡辺良治です。

 

お届けするのがものすごく遅くなってしまい大変申し訳ありません。今年の海外遠征の最終戦であるVWC香港大会のレポートをお届けしたいと思います。

 

今回の大会、正式名称は「SHKP Vertical Run for Charity: Race to Hong Kong ICC」です。

+364m、ステップ数は2120段で100階の展望室がゴールです。

 

5月のソウル大会から始まったVWCのの最終戦となり、獲得ポイントが1.5倍となるため毎回強豪が勢ぞろいする大会で今年も多くの上位ランカーが集まってきました。

とは言っても自分が警戒するのはピーターとマークです。

今年はVWCで全勝しているピーターは昨年の途中棄権のリベンジに燃えているし、マークはこの大会の3連覇がかかっているし、シリーズチャンピオンの可能性も0ではないので俄然狙ってきます。

 

 そんな大事な大事なレースでしたが、まさかの寝坊によりあやうく電車に乗り遅れそうになり、最後までドタバタした海外遠征でした(笑)

それでも今回はいつもの立石さんだけでなく、ハルカススカイランで男女日本人トップだった加藤さんと木下さんの四人の日本人選手たちでワイワイとリラックスした雰囲気ですごせました。

 

それでもやはりスタート直前になると一気に空気が張り詰めるのが分かります。

 

 今回のレースプランは、大阪での終盤大失速の苦い経験を踏まえ、スタート直後に先頭を取るであろうピーターの後ろに一旦ついたのち、マークの少し前をキープして後半良い感じに上げていく・・・というものでした。

 

これならピーターが絶好調で追いつけなくてもマークに勝つ事が出来るはず!そう期待してスタートラインに立ちました。

 

 

そしていよいよ号砲!ピーター、マーク、自分が横一列に飛び出します。スタートして40mほどフロアを走ってから階段に突入するのですが、ここまでの位置取りが超重要なのはいつもと変わりありません。わずかに隣のマークよりも前に出た様にも感じたのですが、インコースとアウトコースの差で惜しくもマークに先行を許し、3番手で階段に突入しました。

残念ながら作戦は失敗でした。仕方なく前を行くマークから離されない様についていき、ラストスパートで抜き去り2位を目指す作戦に変更しました。

 

そして今回の階段は左回りのスクエア型。少し登っては踊り場がありまた少し登っては踊り場…というふうにとにかくちょこちょこと曲がります。一週間前の上海タワーでは九十九折で曲がっていたのとテンポが違うのでどうもやりにくく感じました。

「うーん、手すりを離して走るか?それとも片手で掴みながら走る?それとも両手で掴んで早歩き?」

登り方がイマイチ定まらず余計なことに頭を使ってしまったのか50階あたりから徐々に前の二人から離されていっているのが自分でもわかりました。これはマズイとペースアップを図ろうにもまだ先は50階ほどあり、潰れる心配が先に立ち結局現状維持を選択。

 

そうするとあっという間に前も後ろもいない一人旅状態になってしまいました。

正直ここからはとにかく早く終わって欲しい、長いシーズンの苦しみから解放されたいという思いで頭がいっぱいになってしまい、集中力がきれてしまいました。フォームも手すりを両手で掴み引き上げるだけで腰が落ちて胸も閉じて呼吸がドンドン苦しくなってしまい前を追う気力がしぼんでいきます…。それでもいつ後ろから誰か追い上げてくるかもしれない恐怖と闘いながらとにかく上へ上へと進んでいきます。

 

ようやく80階に到達し、最終盤にさしかかりました。もう後は出し尽くさないといけない場面です。「こんな不甲斐ない走りじゃダメだ!頑張れ!」と必死で自分を鼓舞しようとしますが、本当に苦しくて苦しくて・・・。

 思った様にはペースアップは出来ませんでしたが、とにかく激落ちだけはしないでゴールにたどり着くことが出来ました。

 

いやー、本当に長かったです。今回のレースも今シーズンも…。5月の頭から7か月以上続いた海外遠征盛りだくさんの一年が終わったんだと思うとゴール後はしばらく放心状態で何も考えられませんでした。まぁ心臓も足も限界に達していてきつ過ぎて目も開けられないくらいきついので当然考える余裕なんて元からありませんが(笑)

 

 そしていつものようにピーターに引っ張り上げられトップ3の記念撮影です。いつものように一人だけ死にそう(笑)

 

チームジャパンも見事全員完走です!加藤選手は4位とほぼ10秒差の8位、木下選手は7位。そして立石選手は5位と表彰台は逃すもシリーズランキングでは見事3位を獲得!おめでとうございます!

台湾のカイさん(左端)とハルカススカイランの事務局の奥野さん(右から2番目)も一緒に。奥野さんはソウルでも応援に来ていただき本当に感謝です!来年はさらにいろいろとお世話になりそうです。

 

この後は主催者が用意してくれたお菓子やパン、ジュースを貪り食うなど今まで抑えてきた食欲が一気に解放されました!いや本当に食べるものが美味しいこと(笑)

おかげさまでこのレポートを書いている現時点で5キロも体重が増えてしまいました(^-^;

また来年身体を絞る際に地獄を見そうです…。

 

 

なにはともあれ、今回のレースでも表彰台に上がり、シリーズランキングも2年連続で3位を獲得できました。去年は3位をオマール選手やマンチ選手と争う中での「3位」でしたが、今年は常にピーターやマークと1位や2位を争う中での「3位」ということで違った重みがあるなと感じます。

もちろんこの順位で満足しているわけではなく、VWCでは一度もピーターやマークに勝てなかったことは非常に残念ですが、この悔しさをバネに来年は必ず一度は優勝し、順位も2位以上を獲得することを誓います!!

 

最後になりますが、今年の階段垂直マラソンワールドシリーズ挑戦は本当に多くの方に支えていただいたおかげで可能になりました。

家族には何度も家を空けてしまい負担をかけてしまいました…。ごめんね、そして挑戦させてくれて本当にありがとうと言いたいです。

青梅トレラン部をはじめ地元の仲間には数えきれないほど練習に付き合っていただきモチベーションを維持することが出来ました。本当に感謝です!

 

そして何より、このレポートを読んでくださっているみなさん!!ある意味僕の個人的な願望に多大なご支援を頂き本当に何と言っていいかわからないくらい感謝しております。

もちろん個人的なものに終わらせず、この競技を日本でも広めていきたいですし、日本人初の世界チャンピオンの誕生という形でみなさんには恩返しをするべく来年以降も必死で頑張っていこうと思います!お届けするレポートは今回が最後になりますが、ぜひ今後とも「階段王になる男・渡辺良治」を見守っていただければ幸いです。

 

そして本当の本当に最後ということで報告会のお知らせです!!

まだ正式決定ではありませんが、2019年の2月11日に青梅市民センターで2018年度の報告集会を開催いたします!ご支援いただいた皆様にはもちろん無料で参加していただけますし、販売価格1万円を超える豪華賞品が当たるじゃんけん大会も予定しております!!

ここではお話ししきれなかった裏話や来年の挑戦の具体的なプランをお話しさせていただく懇親会も予定しておりますので、ぜひ2月11日は予定をあけておいていただくようお願いいたしますm(__)m

 

それではまた。

渡辺良治