2016/12/30 22:15

 

10月21日の鳥取県中部を震源とした地震が起こった日。倉吉市内に住む日野ボランティア・ネットワークのメンバー1人は、自宅や自分が暮らす地域の状況確認などをしたのち、その夜には倉吉市社会福祉協議会に入って、支援など災害対応を一緒に取り組み始めました。

翌22日には災害ボランティアセンターを開設することが決まり、昼ごろには日野ボランティア・ネットワークの他のメンバーも倉吉で合流。その場にはコミサポひろしまひろしまNPOセンターなど、2014年広島土砂災害などで支援活動の経験がある方々が駆けつけていました。近隣県での災害に、被災状況を見て支援活動の必要性を確認するためでした。倉吉市災害ボランティアセンター開設準備中の上灘公民館で、倉吉市のほか北栄町、湯梨浜町、三朝町などの被害状況について情報交換をしました。

そうこうするうちに倉吉市災害ボランティアセンターの初動を共に相談。災害ボランティアセンターを中心となって運営する社会福祉協議会でも、被災により困っている住民の声にできるだけ応えていこうという方向性が確認されていました。

地震で家の中の片付けなど、生活するための場の確保が必要ではないか。在宅で生活する方は?避難所は?高齢者の方だけでなく、障がい者、子どもは?誰がどんなことに困っているか?そんな話をしながら開設準備を進める中で、被害の特徴として、家屋倒壊は少ないものの屋根の被害が大きく、被災された住民の方の要望も、当初は「まずは雨漏りを防ぐために屋根にブルーシートを張ってほしい」ということに集中していることがわかってきました。

当初、倉吉市の災害対策本部では、屋根のシート張りは消防団・自衛隊・県職員によるボランティア隊で行い、その他のボランティアで行う考えはないということでしたが、被害の規模を見ても、また住民が今困っていることを考えても、ボランティアセンターでも対応する体制を作る必要性を感じていました。そのための体制づくりやノウハウの共有などができたのも、現場リーダーや現場コーディネートを担ってくれた、広島や熊本などの被災地で経験を積んだコミサポひろしまやひろしまNPOセンターの皆さんとともに、相談しながら進めることができたからです。

一方で、被害は屋根瓦だけではなく、壁が落ちたり、家の中の家具が倒れたり食器が落ちて壊れたりしている世帯も多くありました。家族や親せきなどの助けを得て片付けなどが進められてはいましたが、高齢者世帯などで十分に片付けが進まなくても、「品が悪い」と身内以外の方が家に入ることに抵抗を感じる方も多くいることがわかってきました。

また、被災によって誰もが困難な状況に置かれていますが、高齢者や障がい者の方など「要配慮者」と言われる方やふだんから課題を抱えている方がさらに被災で様々に困っていることもわかってきました。

そこで屋根のシート張りの作業をしながら家屋内の片付けもお手伝いしましょうかと声をかけたり、地震から1週間経った頃からは、被害が大きかった地域を中心に訪問してボランティアが片付けのお手伝いをしますよと声かけをしたり、福祉(社会福祉士会、介護福祉士会、包括支援センターなど)や医療(鳥取看護大学、鳥取大学など)の専門職の方、ボランティアがチームを組んで、民生委員さんが気にかけておられる方などを訪問したり、といったことをしてきました。

日野ボランティア・ネットワークとしては、地元の倉吉市社会福祉協議会や鳥取県社会福祉協議会などの方々と相談しながら、こうした手立てをとるための計画やその実行を支援したり、各地の災害被災地やふだんの取り組み支援などでご縁のあった県内外各地のNPOや社会福祉協議会、各種組織の方々と連携して協力いただけるようなつなぎ役をしてきています。

倉吉市災害ボランティアセンターは年末に2度目の移転をし、2017年は新たな拠点で活動を開始します。被災された方々が落ち着いた暮らしを取り戻すためには、まだ時間が必要です。

倉吉市、そして中部の他町も含めて、住民の皆さん、そして地域が立ち直っていけるよう、これからも地元での取り組みを支えていきたいと考えています。

 

日野ボランティア・ネットワーク
http://www.infosakyu.ne.jp/hinovc/
http://www.hinovnet.org/(鳥取県西部地震展示交流センター)

 コミサポひろしま
http://comsup.saloon.jp

 特定非営利活動法人ひろしまNPOセンター
http://npoc.or.jp

倉吉市社会福祉協議会(倉吉市災害ボランティアセンター)
http://www.kurayoshishakyo.com/
https://www.facebook.com/kurayoshishakyo/