2020/10/03 22:33

弊社では大手セレクトショップ、アパレルやジュエリー業界の時計を長年制作してきました。また、Prince, Keyfordブランド時計をニューヨーク、ロンドン、フランクフルト、香港、上海の展示会に出店し多様なの時計を見る機会がありました。私自身ウオッチコーディネーター(輸入時計協会認定)という立場で数多くの時計の文字板(文字盤)を見て研究製作してきております。
今回のモノケロス文字板製作にあたっても色々な試作をつくり(写真を参考ください)、グラディエーションのシルク印刷を選択に至りました。一部の有名時計では足付きのロゴがついていますが、多くは銀色でロゴも太いです。古くからあるブランドは未だに印刷ロゴの方が多いのではないでしょうか。”モノケロス”ロゴが控えめなサイズになっている為、3Dロゴには向きません。3Dロゴはメタル素材になるので、黒色にした際どぎつい濃い光沢色になってしまいます。色にムラや塗装やメッキが剥がれてしまった場合、心地良いアンティーク感が出ないと判断しました。また何十年も経ってロゴの足が折れた場合、修復が難しいとの理由もあります。時字(インデックスバー)も同様な理由です。昨今、足つきの3DではなくメタルのUPステッカーを使用しているのを多く見られます。これはあくまでもステッカーなので経年劣化により剥がれてしまう可能性もあり”長年ご愛用いただく”という今回のコンセプトには合わず、採用しておりません。主観ではありますが、特にユニコーンなどの遊び要素が強いものに於いては、ロゴデザインによっては3Dでロゴやインデックスを盛り上げるとかって安っぽくなると思います。この腕時計はユニコーン針が大きな特徴になります。文字板デザインが邪魔をせず、ユニコーン針が主張できるべく控えめな文字盤に仕上げております。日焼けをする事で良い風合いを出してくれます。日焼けや経年劣化は他の素材を文字板に混ぜる事でバランスを崩してしまう事も多々あります。愛着を持って使用され大切な誰かに譲る時、お金では買えない時間の重みが商品に付加されていく事を望み、”本物”になっていく文字板を製作したつもりです。