2021/01/23 22:02

本日、上毛新聞社様の紙面上とオンライン上で灯螂舎のクラウドファンディングを取り上げていただきました。ありがとうございます!

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▼オンライン記事はこちら
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/269067

以下引用:

幼少期から昆虫や爬虫類などの生き物が大好きという大沢さん。約4年前に都内の会社を辞めて移住し、アンティークショップの店員などとして働き始めた。昨年、新型コロナウイルスの影響で収入が減少したのを機に、長年思い描いていた「自分の店を持つ」という夢の実現に向けて踏み出すことに決めた。 

~中略~

店内には、陸上生物を展示するテラリウムを設けたり、ギャラリーを併設したりする構想だ。大沢さんは「昆虫が好きな人も、そうでない人も楽しめる空間にしたい」と話している。

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後半部分はまさに灯螂舎の目指すところであり原点です。

■昆虫食を看板に掲げることの悩ましさ

実は「クラウドファンディング」という媒体でプロジェクトを公開するにあたって、その性質上どうしても社会貢献的な面やメリットを強調する必要があり、「昆虫食」というワードが必要以上にインパクトを与えてしまっていないかと心配な部分も正直ありました。

もちろん、昆虫食という世界に出会ったがゆえに形となったプロジェクトでもあるので、灯螂舎を作り上げる上で大切な要素の一つであることは間違いありません。
また、昆虫食の何たるかを知っていくにあたり「蛋白質危機」「食糧難」「環境保全」「持続可能な食料生産」…など、気になるトピックにいくつも遭遇しました。

それらを掘った先には、いま欧米をはじめとした世界中で「昆虫を食べること」が良いことであるとして見直され、FAOが直々に推奨するまでに至った大きな理由があるのですが、灯螂舎のカフェを利用いただくお客様には(そうした背景があることは知った上で、それでもあえて)環境にやさしいから/栄養価が高いから食べるのではなく、食の選択肢を増やしてみる/おいしかったらまた食べようかな、くらいのゆるい気持ちで挑戦してほしいな、と思っています。
(“国連が推奨!”“SDGs対応!”“高たんぱく!”などの枕詞を無理につけずとも、純粋な興味や味への評価によって手に取ってもらえることが目標です…!)

とにかく、難しいことは一旦置いておいて、意外とおいしいから食べてみて!(苦手なら普通のメニューもあるよ)というスタンスは貫いていきたいところです。
※私にも人並み以上に苦手な虫 蜘蛛、ダメ、ゼッタイ はありますし、来てくださった方に片っ端から昆虫食をグイグイ勧めよう・強制しようというつもりは一切ありません。ご安心ください。

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■「蟲好き」の原点に立ち返る

私はもともと、庭や公園で捕まえた昆虫やカエルから池で釣ったザリガニ、近所のアクアショップでなけなしのお小遣いをはたいて買った熱帯魚や爬虫類など、とにかく色々な生き物を飼育・観察することが大好きな子供でした。

野外の生きている虫や動物を時間も忘れて観察したり、飼育生体の生息環境を再現したり(ビバリウム・アクアリウム)、試行錯誤しながら自分で殖やしてみたり。

一人の「生き物好き」という自分の根幹に立ち返って、本当に実現したいことを見失わないようにしていきたいと思います。

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長くなりましたが、今回はプロジェクト終了を一週間後に控え、今の思いを改めて書き出してみました。

灯螂舎には、昆虫食に興味を持って来られる方・雑貨を買い求めて来られる方・作家さんの個展を見に来られる方など、きっと様々な動機のお客様がやって来る(はず)と思いますが、きっかけが何であれ、どんな方にも「その場に居ることそのもの」を楽しんで帰っていただきたいという思いがベースにあります。

来る人それぞれによって、博物館のようであり、昔からそこにあった喫茶店のようであり、秘密基地のようでもある、そんな場所にしていけたら嬉しいです。


2021.1.23 灯螂舎