2020/12/17 10:44

みなさん、はじめまして。
「mooneyo」を運営している、代表のラッセル知仙です。

バイヤーとしてNYで暮らしていた経験を活かし、自宅の一室でウェディングのドレスショップを開業してから約3年。これまでブランドやドレスについてはInstagramで発信をしてきましたが、こちらでは私自身の考えや思いについて、丁寧に伝えていければと思います。

これまでの事業について

現在私が経営しているドレスショップは、東京・神宮前と大阪・四ツ橋に小さな隠れ家サロンをもつ「Beacon Dress」と、オンラインセレクトショップ「Befits You」。

日本では出会えないインポートドレスを、結婚式場への持ち込み料を払ったとしても手が届く価格で花嫁様に届けることを大切にしています。

ドレス選びには、一切仲介業者を通していません。バイヤーとしてNYで暮らしていた経験を活かし、すべて自分の足で世界中のドレスショップ・ブティックを周り、心から素敵だと思えるものだけを揃えるというこだわりのもと、「Beacon Dress」と「Befits You」を育ててきました。


ほんとうに好きなドレスを、花嫁様が選べるように

私がウェディング業界に興味を持ったきっかけは、2016年にNY州で自分たちで挙げた結婚式。

「最高の一着!」と思えるドレスを見つけ出すため、日本・アメリカ・イギリスの3カ国でドレスショップを巡ってみると、海外には今まで見たことのないようなデザインのドレスが想像以上にありました。

自分のドレスを探しながら、「こんなに素敵なインポートドレスを揃えるショップが日本にあったら…」と思うようになったのです。

日本で結婚式を挙げる場合は、式場が提携しているドレスショップからウェディングドレスを選ぶことが多いと思います。提携店以外からドレスをレンタルすることで、多くの場合「持ち込み料」が必要になってしまうから。
自宅の一室でサロンをはじめてみた時にも、多くの花嫁様から「持ち込み料+ドレスレンタル料」という予算の相談を受けました。

それなら、”持込み料込みでも手が届く価格”で、インポートドレスをたくさん集めよう。

提携ショップでは運命の一着が見つからないけど…
ほんとうに着たいドレスは高級すぎて手が届かないから…
「このドレス”で”いいや」
そんなふうに一着を選ぶ花嫁様が一人でも少なくなるように。

まだまだ小さなサロンですが、日本のウェディングドレス選びを変えたいという密かな野望を込めて、ドレスショップを自分でつくることを決めました。


経営の道を選んだのは、祖父の背中を見ていたから

ここからは、経営者になるまでに私自身がどんな人生を歩んできたのかをお話ししていきたいと思います。

私が生まれ育ったのは、大阪の鶴橋という下町。祖父が食品会社を経営していて、両親を含め親戚のほとんどが祖父の会社に勤めていました。商人の娘として育ったので、10歳にも満たない頃からレジのお金を数えたり、商店街中を台車を引いて周り、配達のお手伝いをする毎日。

起業家になりたい!と思ったことはないし、いつか会社を経営したい!と思っているわけでもないのですが、「やりたいことがあるなら自分で会社を立ち上げるのがいいな」という意識を当たり前に幼少期から持っていたのは、間違いなく祖父の姿を見てきたからだと思っています。

そして、今でも大切にしている「自分の足で稼ぐ大切さ」を教えてくれたのは新卒入社したリクルートでした。


「3年で寿退社する」と宣言し入社したリクルート

今でもそうだと思うのですが、リクルートの名刺には一番上に社名ではなく、氏名が書かれています。その理由は、大企業の名前にぶら下がって仕事をするのではなく、個人で勝負することを大切にしているから。
それを教わった時に、「この会社がいい」と強く思いました。就活生の時は社員の方40人くらいにお会いして、自分を売り込むことに必死でした。

ただし、当時イギリスに住んでいた彼(今の夫)と遠距離恋愛に終止符を打ち結婚するために、3年で辞めるという自分の中での期限付き!

「足で稼ぐこと」を重視するリクルートに入社してからは、営業として毎日たくさんのお客様のいる場所へ足を運びました。どうしたら思いが伝わるのか、どうしたらお客様の課題を解決できるのか……直接お客様の顔を見ながら考え続ける経験が、今の私の大きな財産になっています。

数字ファーストではなく、そこにある顧客の思い、自分の思いを一番大切にする。そのためのビジネスモデルを描くという姿勢は、リクルートでの経験から培ったものです。

 

祝・寿退社&NY移住
3日でまさかのリストラ、バイヤーに転身

有言実行、3年目で「絶対に叶える!」と決めていた彼と結婚しリクルートを寿退社をしたまでは理想通り。けれどここから、人生は一筋縄でいかないと痛感する日々が幕を開けました。
バリバリ働き続けた日々から脱却し、NYに移住してやりたいことはゆっくり考えていこう!と思った矢先……まさかの金融関係に勤めていた夫がリストラされてしまったのです。

NYでの暮らしを続けていくために、否が応でも何か自分で稼がなくてはいけなくなってしまいました。そこで始めたのが、今の事業にも紐づいている「バイヤーのお仕事」というわけです。サイトを利用すればすぐに売り上げを作れるという理由で挑戦しましたが、足で稼ぐスキルを磨いてきた私にとって、バイヤーの仕事は想像以上に相性が良かったのです。

NYの店舗でしか販売をしていないMARC JACOBSのバックパックを毎日何十個も店舗に買い付けに行き、海外の通販サイトでどこよりも安く販売して生活費を稼ぐ日々。流行の最先端が集まるNYに住みながら日々情報収拾をし、次に何が流行るかを先読みして買い付けては販売をしていました。

良いものを自分の足で見つけ出し、自分で集め、そのお店にお客様が集まってきてくれる。まさに「Beacon Dress」の土台となる経験。

気づけば新規事業を始められる軍資金もある程度貯金ができたので、もっと人と関わることができて、人の役に立てるお仕事をやってみたいと思うようになりました。

バイヤーで生計を立てられるようになった後、冒頭でお話しした結婚式を挙げるというキッカケを経て、今まで思ってもみなかったウェディング業界に足を踏み入れることになったのでした。

 

「Beacon Dress」が、灯台になりますように

より良いものを、どれだけ優しい価格で届けられるか。
バイヤーというお仕事に携わってから、ずっとその理想を追求し続けたいという強い気持ちがあります。

アメリカには「結婚式場に持ち込み料を払う」という商習慣がなかったので、日本に帰ってきてからサロンを開いたときにはすごく驚きました。
確かにプラスで持ち込み料がかかってしまうと、他のショップからドレスを選ぶハードルは高くなってしまう。

だけど理想のドレスが見つからなかったときに、「諦めたくない」と思う花嫁様がいるのであれば、私がその想いの先に続く道を残したい。

ひとりでも多くの花嫁様に届くよう、これからも「Beacon Dress」や「Befits You」の運営や発信にも力を入れていきます。

 

 

次回の活動報告では
「mooneyo」立ち上げのきっかけとなった出来事をお話いたします。