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こんにちは!スタッフのKです。
10月7日、「ヨンネ手製本講座 at OTA ブックアート」の
和本編・洋本編の第3回を実施しました。

講師として植村愛音さんをお迎えしてのワークショップ。
午前は和本、午後は洋本のクラスを開講しており、
全6回のカリキュラムを通して、
代表的な製本の方法を習得することができます!

【和本編】


第3回の和本編で制作するのは、
「旋風葉(せんぷうよう)」と「判取帳(はんとりちょう)」。

参加者がそれぞれに選んで用意していた用紙の中から、
今回使用したい紙を決定して、講座スタートです!


まずは旋風葉に挑戦!前回作った折本は、
表紙と裏表紙がそれぞれ独立した形で本文を挟みましたが、
旋風葉は折本を1枚の表紙でくるんだ形なので、背ができる綴じ方です。


本文は屏風状に長くパタパタと折ってたたまれた1枚の構造なので、
広げるとひと続きの輪になるのが特徴。
背と本文は糊付けされておらず、背と本文の間に
風が通りふわっとページが翻ることから、
「旋風葉」と名付けられたのです。



本文をひとつなぎに貼り合わせたら、表紙をつけます。
裏表で色が異なる用紙を使ったものは、
本文が背から離れた時に裏面の色が見えて、
個性的な仕上がりになりました。

本が形になるとページを持ち上げて、
風が通る形になっているかな?と確認しました。
その形の面白さにみんなで盛り上がっていると、
代表の太田がある資料を持って来て、旋風葉に関連した事例を紹介。

お見せしていたのは、中国における旋風装のひとつである
「龍鱗装(りゅうりんそう)」の写真です。
みんなで資料を囲んで、旋風装をはじめとした
様々な綴じ方についてお話をしました。

課題の内容以外にも、ヨンネ先生と太田が繰り広げる
本トークを聞くことが出来るのも、
OTAブックアートの講座ならではの楽しみですね!



旋風葉の完成です!
洋本では、ボンドを使ってガッチリと背を固めたり
頑丈なハードカバーをつけるのに対して、
シンプルな構造で作られる和本。
中でもこの旋風葉は、特に持ち心地が非常に軽く
和と洋の違いを体感することが出来ました。

続いて制作したのは「判取帳」です。
判取帳というと、金銭のやり取りを記入するための和式帳簿として、
一般的にも使用されていますが、その歴史は江戸時代にまで遡ります。

江戸の商人たちの暮らしの中でどのように使われていたのか、
想像しながら「判取帳」の綴じ方を分析してみると、
形が持つ意味や理由が見えてくるかもしれません。

ヨンネ先生は今回のような製本の講座の他に、
本を修理するお仕事もされており、
その観点からもお話を伺うことが出来ます。

和本は修理がしやすく、もし壊れた場合は…?
という修理方法も、作り方と同時に教えていただいています。
この判取帳も、糊を使わない製本方法なので、
綴じるのも修理するのも簡単。
忙しい江戸商人がこの形を採用したのも納得ですね!

和本編で制作した「旋風葉」と「判取帳」。
タイプの異なる2種類の製本方法を習得して、
またひとつ、本づくりの引き出しが増えました!

【洋本編】


午後の洋本編では、「ドイツ装」の本かがり上製本にチャレンジ。
2回に分けて完成させるため、今回は前半の作業となります。
まずは本文となる紙を折って折丁づくり。
第3回目の授業となると、紙を折るのは慣れたものです。

ここで、ワークショップでの使用は初となる
ハンドプレス」という製本の道具が登場!
折丁の束をプレス機の中に挟み込みます。

普段触る機会の少ない、本格的な道具を使えるということで、
参加者のみなさんも興味津々の様子です。

ページがずれないように、折丁の天地左右をそろえて
プレス機に挟む作業に、みんなでひと苦労!

簡単そうに見えますがいざ取り掛かると難しく、
先生に手助けしていただきながら慎重に進めました。



次は「スコヤ」という工具を使って直角を確認しながら印をつけ、
折丁の背に、ノコギリで溝を作っていきます。



ノコギリを引くのが想像以上に難しく、この作業にもみなさん苦戦の様子。
色々な方向から見て角度を確認しながら、
2種類のノコギリを使って、溝を刻みました。

これによって本文の背の部分に、
糸を通すための穴を一気に開けることが出来ました!



ここからは、今までも何度か練習してきた糸かがりの作業です。
支持体をセットし、折丁の束を糸で綴じます。
この作業は、どの参加者もかなり慣れた手つきでこなせるようになってきました。


最後は、本の背の部分を固める「背がため」の工程です。
糊を塗ったら、背が固まるまで寝かせておきます。




今日の作業はここまで!
次回の授業で「ドイツ装」のハードカバーをつけて、仕上げていきます。
レポートの続報をお楽しみに。

ご参加いただいた皆様、講師を務めていただいた植村愛音さん、
そして、用紙のご協力をいただいた株式会社竹尾の皆様、ありがとうございました。


▼参加者の声▼
・作業の説明だけでなく、先生たちから色々な話を聞けるのが楽しみです。
・道具を買える場所や、おすすめの道具などの情報を教えてもらえて助かります!
・テキストの独学だけでは分からなかった、作業のちょっとしたコツなどを丁寧に教わって、製本のクオリティが格段に上がりました。
・自宅ではなかなか用意出来ない、プレス機などを実際に使えるのが嬉しい!
・和本と洋本どちらも受けているので、和と洋の考え方や成り立ちの違いを実感できて、学ぶことが多いです。
・講座の回を重ねて、成果物が増えていき達成感を感じられます。

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