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こんにちは!スタッフのKです。
10月14日、「ヨンネ手製本講座 at OTA ブックアート」
和本編・洋本編の第4回を実施しました。

講師として植村愛音さんをお迎えしてのワークショップ。
午前は和本、午後は洋本のクラスを開講しており、全6回のカリキュラムを通して
代表的な製本の方法を習得することができます!


【和本編】

第4回の和本編で挑戦したのは
「粘葉装(でっちょうそう)」と「裏打ち」です。
まずは粘葉装からスタート!

粘葉装は、その名前からも読み取れるように、
糸を使わずに糊付けだけで綴じる製本方法です。
和紙を半分に折ったものを重ねて貼り合わせていくという構造。

ページを180度開くことが出来るので、見開きで大きく見せたい
絵や写真などを扱う場合にもおすすめです。


ワークショップ中は、ブックアーティストの太田が同席していることもあり、
「この綴じ方の特徴は、どんな作品に活かされるかな?」といった、
制作につながるようなヒントも多く織り交ぜられています。

技術を習得した先の、クリエイティブな切り口から情報交換が出来るのも、
OTAブックアートらしい楽しみ方かもしれませんね!


切る・折る・貼る、というシンプルな作業の繰り返しですが、
簡単そうに思える工程も一つひとつ丁寧に積み重ねなければ、
最後にツケが回って仕上がりに大きく影響してくる…。

過去3回の授業を経て、その事実が身に沁みた参加者たちは、
ちょっとした作業も慎重に進めている様子でした。
仕上がった作品は、なかなかの出来栄え!

表紙・裏表紙と、背の部分とで紙を変えることが出来るので、
色合いや質感の組み合わせを工夫して、それぞれにオリジナリティを出しました。


そして、みんなが楽しみにしていた、紙と布の「裏打ち」のお時間。
一般的な布地や厚みのない紙は、製本で使うには扱いづらく、
そのままでは使うことが出来ません。

そこで、裏に薄い紙や布を貼って補強する作業が裏打ちです。
製本だけでなく、書道の作品などにも欠かせない重要な技術です。

参加者はそれぞれ、本の表紙として使いたい布と紙を事前に用意してきました。
お気に入りの手ぬぐいや、捨てるのが惜しかった綺麗な包装紙、
珍しい模様の和紙など、集まった素材はさまざまです。





まずは布から、机の上にセットしてスポンジで水を含ませます。
机の上を水浸しにするという、非日常的な行為にドキドキしつつ、
いつもの製本課題とは一味違った作業にワクワク。




本の表紙にする際に、柄のどの部分を使いたいかなど、
仕上がりのイメージも膨らませながら、しっかりと水分を行き渡らせて
シワを伸ばし、裏打ち用の和紙を貼り付けます。



裏打ち用紙が貼れたら、ブラシでたたいて密着させる作業です。
思い切って力強くたたき、布と紙をぴったりと貼り付けていきます。

製本にこんな体力が必要だったとは…と驚きながらも、
みんなでひたすら腕を動かし続けました。
布の色が濃く透けて見えてきたら、しっかりと密着した証拠です!




続いて紙の方にも、スポンジで水を含ませます。
「え!?紙を濡らしても大丈夫なの!?」と半信半疑でやってみると、
シワや折り目が見事に伸びて綺麗になり、
水を得た紙はみるみる生き返っていくようでした。



布の裏打ちと同様に、裏面に和紙を貼ったら、
今度はブラシではなく刷毛で密着させていきます。
参加メンバーが用意した紙は、和紙や薄いラッピングペーパーなど、
材質も一人ひとり異なりましたが、みなさんとても綺麗に貼ることができました!



それらを板にしっかりと貼り付けたところで、本日の和本クラスは終了。
裏打ちの仕上がりは、次回授業でのお楽しみです!


【洋本編】

午後の洋本クラスでの課題は、「ドイツ装」本かがり上製本。
今回は後編ということで、いよいよハードカバーをつけて仕上げていきます!

前回の授業で「背がため」までは完了。
背の両サイドに飛び出している支持体のヒモを短くカットし、
見返しの部分に馴染ませて貼り付けます。





表紙・背・見返しの色に合わせて、花布(はなぎれ)を自由に選び、
背の部分に寒冷紗やクータをつけて、本文のパーツを仕上げていきます。
「クータ」とは、本の背とハードカバーをつなぐ役割をする、筒状の紙のこと。

そんな説明をしていると、「クータの由来は?」という話に。
さらに代表の太田が「ドイツ語では、Hülse(ヒュルぜ)と呼びます」
と説明し、ドイツ語ミニレッスンも開講!?

英語では何ていうのか…など、みんなで話す中で挙がった参加メンバーの疑問も
その場で解決しながら、言葉を切り口にして
クータの構造を印象的に覚えることが出来ました!



ここからは、ハードカバーづくりです。
チップボールと呼ばれる厚紙を、本の幅に合わせてカットするのですが、
これもまた、意外とコツが必要な作業です。

製本の作業においては、たかが1mm されど1mm。
少しのズレがクオリティを左右するので、
厚紙をまっすぐ垂直にカットする技術も重要なのです。

ヨンネ先生と代表の太田が、お手本としてカットする作業を披露しました。
すると、先生たち自身も無意識だった動きの中に、
美しく仕上げるためのヒントが詰まっていることに気が付き
参加メンバーはすかさず、ちょっとした指の置き方などを分析。
安定感のある切り方を、目で見て習得していました!



ドイツ装は、背と表紙と裏表紙が別のパーツになっています。
背と表紙をつなぐ部分は、これまでの課題よりも少し複雑な構造なので、
参加者のみなさんは、ヨンネ先生と太田に一つひとつ確認しながら
丁寧に作業を進めていました。





各パーツをつなぎ合わせハードカバーが完成したら、本文と合体させ
プレス機に挟んでしっかりと抑えます。
最後に本の「溝」の部分を、ヒモで縛って型をつけたら完成!

今までの授業の中では圧倒的にレベルアップした作業内容でしたが、
みなさん何とか形にすることが出来ました。




ハードカバーの本を1冊手製本で仕上げた達成感は格別です。
表紙と背で、色だけでなく質感を変えるのも面白く、
同じ形でも1冊ずつ雰囲気が異なり、見応えがありました。

ご参加いただいた皆様、講師を務めていただいた植村愛音さん、
そして、用紙のご協力をいただいた株式会社竹尾の皆様、ありがとうございました。



▼参加者の声▼
・その場で思いついた質問も気軽に聞ける、アットホームな雰囲気なのが嬉しいです。
・代表の太田さんから、ドイツ語を教えていただけて面白かったです。またドイツ語を交えた解説を期待しています。
・毎回あたらしい課題に挑戦させてもらうことで、普段の作品制作の幅が広がっているのを感じています。
・全6回の授業も折り返し地点を過ぎて、終わってほしくないという気持ちです!
・製本の授業内容とは直接的に関係ないことでも、色々な情報を共有してもらえるので、単なる技術の習得だけではなく勉強になっています。
・OTAブックアートのCampfireファンクラブのリターンでいただく、ワークショップチケットを使えるのが有難いです。

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