2021/04/18 08:31

ご相談があり、当会でもお手伝いさせていただく為、緊急で保護する事になりました。

お知り合いの方からご連絡がありお母様の所有する土地にこの子達がいたそうです。

お母様は高齢でその場所まで向かう事が出来ず相談者の方に持ちかけられたと言う事でした。

まだまだ自然豊かな地域にはこのような場所があり、野犬と言う子達が沢山いるのが現実で当会でも年間通してレスキューが続いています。

私自身もこうやって野良ちゃんと呼ばれた子達が家の周りをウロウロしていた40年近く前の景色を忘れてしまいがちですが今もその状況が子供の当時のまま残っている地域があります。

20代半ばになって野犬がまだウロウロしている地域がある事を知り、その頃から野犬ちゃんも可能な限り少しずつレスキューしています。

勿論、実際には昔の野良ちゃんと違って野犬は殆どの子は人馴れしていないので、野良ちゃんのように人にある程度、慣れていて嫌だと噛むなどと言うより、野犬ちゃんの場合は人慣れしていなくて、すぐに人を見た途端に逃げる子達が圧倒的に多く感じます。

今もこの野犬の殺処分問題が一切解決せず残ってしまっていること自体が問題だと感じています。

最近は子犬ちゃんは捕獲されても助かる確率が増えてきましたが大きくなって捕獲される場合は殺処分となってしまう子達が多くいます。

野犬ちゃんは慣れるまでに相当な期間が必要なのが現実です。一つの地域に相当な数の頭数がいて、レスキューして慣れるまでにかかる時間や期間や場所等を確保する難しさが通常のレスキューとの違いだと感じています。

家庭犬になるまで場合によっては一つの地域でも何百、何千といるであろう野犬を捕獲し、トレーニング、更にケアし譲渡する施設を国策として税金でやっていただいた方が良いとも思いますが、理想と現実の幅はかなり大きいと感じています。

今も全国では野犬が増えては捕獲してを、繰り返している地域が多くあり、人馴れしていない野犬を全て譲渡している地域は少ないと感じています。

野犬は多産の子が多く、次々赤ちゃんを産みます。

捕獲して人に慣れない親犬や大きくなった子犬たちを殺処分すると言う事を繰り返しているだけでは解決しないと思っています。

一番に思うことは、必死に産んだ赤ちゃんと離され自分だけ殺処分される母犬の気持ち。

私達同様に、センターの職員さんのなかにも、捕獲して殺処分するという事にストレスを長年感じている方も多くいるのではないかと感じています。

環境問題の一貫としてひたすら増えては殺処分を何十年と繰り返し、無策のまま過ぎていくのではなく狂犬病予防法などの法律も含めて法律の微調整をしながら現在の地域猫活動のように一代限りで命を全うさせてあげるようなシステムぐらいは現状として出来るのではないかと思います。

捕獲器に入った野犬の子に避妊去勢、狂犬病予防注射をして元の山に戻してあげる方法も1つだと思います。

野犬と人間側、お互いの立場や環境を守るならば自然の中の一つとして野犬ちゃんを理解し避妊去勢、狂犬病予防注射をして山に戻し共存するという事です。

もちろん違う意見も耳にします。それは全国の野犬を一頭残らずすぐに保護して時間をかけてでも家庭犬にしていく事。それも1つです。

本当にいろいろな意見があります。

この活動をしながら、なにがベストなのかと葛藤、自問する事もあります。

他にも良い方法があるのかもしれません。

しかし私個人の意見としては地域犬活動や環境保護活動の一環として捕獲した犬の避妊去勢、狂犬病予防をする形をとれば、現状の[何十年と野犬が増えては殺処分する]と言う非情な流れだけは、回避出来るのではないかと思っています。

当会としても様々なアクションを普段からとっていますが、この道は諦めたら終わりです。

色々な考え方があると思いますが何十年と続く野犬問題に殺処分か譲渡という二択ではなく、先程述べた共存と言う選択が出来たならベストだと私は思いつつ、現実のレスキュー活動に向かいます。

長文になりましたが今回も野犬ちゃんの子犬を保護しました。母犬ちゃんも遠くにいたようです。

相談者の方と手分けして相談者さん自身も野犬ちゃんの里親になられた経験から、今回新たに里親としてお迎えされました。

相談者さんが当会オフィスまで連れて来て下さり当会で二頭お引き受けし、預かりスタートします。

ミルク担当スタッフのお宅も突然賑やかになり、ピーピーピー合唱が予想されます。

名前はシンディちゃんとセリーヌちゃんになりました。

どうかみんな、すくすくと育ってくれますように