2021/04/27 09:17

プロジェクト終了まで残り2日となりました!
今回は「かまど」についてお話したいと思います。

昔の「住宅」といえば、大黒柱・塗り壁・襖・土間・瓦、そして「食」といえば、
地域の特色ある郷土料理・旬の食材を使った季節料理・冷蔵庫の無い時代の知恵である
保存食など、住宅に限らず、昔の暮らしには人々の知恵がずいぶん生かされていました。

土間は今のキッチンで食事の準備をするところでした。この土間には水場があり
竃(かまどは、へっつい・おくどさんなど地方によって呼び名があります)がありました。
この竃はなかなか優れものです、薪をくべて、食材を焼く、煮る、炊くことができる、
暮らしの中で最も大切なものでした。

竃の原点は縄文時代で、縄文時代早期に使われていた煮炊き用の土器が既に
見つかっていることから、形こそ違うもののこの時代から竃はあったと思われます。
こういう言い方をすると、遠い昔の話のように思えますが、一般家庭の台所から竃が
消え始めたのは戦前から戦後にかけてのことです、まだつい最近まで一般家庭の台所には
竃はありました。
もう少し大袈裟に言えば、縄文時代の台所は、つい数十年前まで生きていたことになります。

今では、土間が床に変わり、その床の上にはシステムキッチンという名の竃や水場が付き、
非常に便利で使いやすく、欲しいときには直ぐ火が付けられ、またタイマーをセットすれば
朝起きたときにはご飯が炊けているという、すごい道具にとって変わりました。
道具が便利になったのは良いけれど、ひねるだけ付くガスや、火の見えない電気を
日々使っていると、火を火だと思わなくなり、あげく、ぼやを出したり、火傷をしたりする。
どこかで生の火を見ても、それを自分の家の火に置き換えて、
もったいないと思ったりすることも無縁なのです。

しかし、縄文時代から続いてきた火と人との関係を思い出すことは、未来の火を考える上で
どうしても必要だという気がします。
そうしないと、火そのものを忘れる事になってしまいそうです。
そしてもう一つ、土間の時代は、そこを毎日乗り降りし、竃で使う薪やシバを確保し、
それをくべ、夜になれば炭になった薪に灰をかけて、朝になるとその灰をどけて、
また薪をくべる。
そんな繰り返しが主婦にとってとても大事な仕事でした。

便利な時代ではないけれど、生活の中で必要なものがちゃんと見えた無駄のない暮らしを、
便利な今だからこそ覚えておきたいと思います。

そんな時代の竃を蒼築舎は『現代版竃』にアレンジし、コヘッツイを作りました。
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