2021/06/21 06:00

この活動の中で、大切にしてきたことがあります。

それは

1.悪者をつくらないこと
2.自分たちの力を信じること

1.に関しては、ともすれば、事業者や地権者さんが責められる可能性もあります。だけど、今の社会に起きていることは一人ひとりの選択の結果です。平林が過疎化し、遊休農地が増えているのも、社会を作る多くの人の選択でこうなっていることです。誰かだけのせいではありません。

再生可能エネルギーがデメリットを議論されないままもてはやされているのも、人間の欲で地球を汚し続けていることが発端です。人間は、気づいた時から、自分の意思で行動を変えることができます。気づいた人から、自分で考えて、変えていけばいいと思います。

今回の活動では、地域の若い世代が遊休農地を考えるよいきっかけになりました。近い将来、今現役の方達は退き、世代交代せざるを得ません。その時に向けての意識作りになったのではないかと考えており、地権者さんには感謝しています。

2.に関しては、わたしたちは「自立した市民」として、自分たちの暮らしを守る力があるということです。行政に頼りっぱなしになっていませんか?誰かになんとかしてもらおうとしていませんか?一連の出来事を通じてわかったことがあります。立場がある人は特に、その立場を捨ててまで、大切なものを守ろうとする人はいないということです。これは、実際にそうするということではなく取り組む姿勢の話です。

住民が自分たちの暮らしを守るために、声を上げるのは当然の権利です。一番強い声になります。だから、大切なものを守りたかったら、自分たちを信じて行動し続ければいいと思います。神様は必ず見ていてくれます。

とてもお世話になった、太陽光パネル問題連絡会の小林さんから言われたことがあります。
「誰かになんとかしてほしいというところには、お話会をしに出向かないです」
平林には、確か小林さんから勉強会に来てくださる提案をいただきました。地域の中の人が動かない限り、地域外の人には計画は止められないという思いで動いていたことが伝わったんだと思います。

そして、小林さんから

ソーラーパネル計画を止めるには

1.絶対止めるという熱い思いがある人が必要
2.その人の周りにネットワークができ
3.地域全体を巻き込む動きになれば止まる

最初に行動を起こすことは、とても勇気がいります。わたしは、こんな小さな集落だから批判は絶対にあると思っていました。しかし、だれにどんな悪口や陰口を言われても、これからも子どもたちが平林で健やかに育つことができるなら、そんなの大したことではないという気持ちで取り組みました。そして、起きたことにはすべて責任をとるつもりで動きました。いろんなことを言う人がいたけれど、一つ一つの判断とタイミングは、すべてが見えている自分たちで決定していきました。

「自立した市民」というのは、先日聞いた言葉で、とてもぴったりだと思い使わせていただきました。

最後に、関わってくださったお一人お一人の名前は挙げきれないほど、たくさんの方にお世話になりました。くじけそうな時も、温かく心を寄せていただきました。実際に行動していただいた方もたくさんいました。優しい言葉に涙が溢れることもありました。みなさんの支えがあって、がんばり続けることができました。

一人ひとりの力は小さくても、みんなの力を集めればとても大きな力になる!
これまで地元の人が守り続けてくれた美しい景色を、みんなの力を集めて守れたことを誇りに思います。
これからも、会のメンバーと一緒に、この地で自然と共にある暮らしを続けていけたらと思います。そして、未来の子どもたちに美しい地球を手渡せますように。

おしまい

もくじ
~プロローグ~はじまりの日
Episode1 二人だけのミーティング
Episode2 神様からの届け物
Episode3 防災に絶対はない
Episode4 地元民がやるしかない
Episode5 そこに愛はあるのか?
Episode6 救世主あらわる
Episode7 新しいことを学ぶ日々
Episode8 不穏な住民説明会
Episode9 土地の売買契約解除に向けて
Episode10 ゴールを決めよう
Episode11 ずっと願っていたこと
Episode12 新しいスタート
~エピローグ~大切にしてきたこと