2021/06/12 09:00

 こんにちは、あかりプロジェクト代表の山口です。
昨日からスタートしたこのチャレンジですが、すでにたくさんの方からご支援をいただいて「ありがたいなあ…」としみじみとした気持ちでいます。みなさま本当にありがとうございます。引き続き、どうか見守ってください。よろしくお願いいたします!

 この期間中にいろんな方の体験談やお声などをシェアしていけたらと思っていますが、まずはわたしのから。

 過食の衝動っていうのはものすごいものです。どうしても食べずにはいられなくて、頭ではおかしいとわかっているのに、あらがいがたい衝動が日に何度も襲ってくるのです。「誰かとめて!」と泣きながら食べることも何度もありました。食べてしまうたびに、意地汚いから、弱いからだと自分を責めて、今思えば、ケアが必要なのにムチを打っていた状況でした。

 楽になったのは30歳のとき。急に「あ、そうか!そうだったんだ!」と雷が落ちたみたいに「わたしはこのままでいい、がんばらなくていい、自分を変えようとしなくていい」と腑に落ちて、嘘みたいに過食の衝動が治まりました。

 幼いころから周りに気を使って、常にいい子を課してきた人生。自分の存在価値が信じられず、人より劣っている分がんばらなければと思い込んでいた人生。そんな生き方は苦しいよ、と、症状がサインを出してくれたのだと思います。

 わたしは、ケアが必要なのにムチを打ち続けたおかげで、楽になるまでに15年もかかってしまいました。楽になった今、いまこの瞬間も自分にムチを打ち続けている仲間のみんなに「ムチじゃないよ!ケアしてあげていいんだよ。あなたはそのまんまで十分に力があるよ。変わらなくてもいいんだよ」と伝えたい!その一心であかりプロジェクトの活動を続けてきました。

 けれど、活動スタートからの13年間はずっとずっともどかしい日々でした。それは、摂食障害は24時間365日の苦しみなのに、活動が点でしかないこと。本当は、安心してずっといられる場所、自身のケアに専念できる環境が必要とされているのに、月に何度かの活動では到底それがまかなえないことでした。どうしたらそういった居場所が実現できるか、いろんな可能性を探った結果、今回の「からこ舎」の開設へとつながりました。

 わたしは20代前半、仕事を転々としたのちに実家にひきこもって食べて吐いてを繰り返していた時期に切実に願っていたことがありました。それは「わたしも誰かの役に立ちたい」ということ。友だちもいない、出勤するべき職場もない、繋がっているのは家族だけという状況の中、一人きりの部屋で「なんでも屋さん」のチラシをつくっていたことを鮮明に覚えています。近所のおばあちゃんの買い物を手伝っている風景をボーっと思い浮かべながらつくったのでした。けれどそのチラシはどこにも貼りだされることなく、しばらく部屋の机に置かれたあと、燃えるゴミになってしまいました。

 あのチラシを書いて眺めていたときの気持ちを、わたしは忘れることができません。だからいま、こうして「からこ舎」を立ち上げられること、みんなで力を合わせて人の役に立ち合える場が実現できることに大きな希望を感じています。今も自分にムチを打ち続けている多くの可能性あふれるみんなのために、ぜひご支援ください。よろしくお願いいたします。