2021/09/16 13:39


前回の続きで、撮影の様子や今回ご協力くださった人たちのことをちらっと。


特別に許可をいただきやってきたのは、いつもお世話になっている「全農パールライス」さん。佐々木酒造は昔は自社精米でしたが、今は全農さんに精米をお願いしています。この大きな大きな扉を開けると…



圧巻ではいけないのですが、ドーンと圧巻の酒米の量です。予め余っている米の数量は知っていたのですが、これを見た時にちょっとお腹がズンとしました。これが畑さんが作ってくださった弊社の山田錦。身長高めの社長よりもずっと高いところまで積まれています。出番が来るまで大切にしっかりと保管されています。

米袋の中には美しい京都産山田錦の玄米が入っています。粒の中にうっすら透けている白い部分が心白(しんぱく)です。この一粒一粒の表面を割れないように削って、30%削ったら「精米歩合70%」となるんですね。ちなみにお家で食べるお米は「精米歩合92%」くらいです。

全農パールライスの酒米営業部長さん(めちゃくちゃ優しい)に「クラファンの取材で写真を撮らせてもらえませんか」とお願いしたところ「そういうことなら!いつも佐々木さんのお米にも使ってる精米機も見ていって!」とお米の写真だけのつもりが、この日のためにわざわざ機械を動かしてくれました。

兵庫工場にあるこの機械は米を少しずつ削る「金剛ロール」という部分を横から見ることが出来ます。これはかなり珍しい仕様なのだとか。家庭消費のお米の量は少し増えたものの、それ以上に酒米や飲食店消費の米の量はずいぶんと減り、精米する回数も激減したそうです。

ザーーっと精米中の酒米が流れているのがみれます。精米歩合40%まで削るには50時間くらいかかるそうな。なんて働き者なんだ。


今回、萬重さんも全農パールライスさんも二つ返事で「良いよ!」と快くご協力くださりました。本当にありがとうございます。これからもよろしくお願い致します。


さて、私達の田んぼへ向かいましょう。道中、ほかの田んぼはきれいな稲穂がゆらゆら顔をみせていました。


生育期間が長い山田錦はまだまだサラサラとしています。畑さんが「私の胸や肩くらいまで大きくなります」と教えてくれます。以前は百貨店の外商をしていた畑さんのお話は優しさがあって、めちゃくちゃおもしろいです。このあとお米の赤ちゃんを国山キャスターがもらい、大きな手で大事そうに持ってたのが印象的でした。


撮影の合間に「大きくなったなぁ」としみじみの社長。「あっ!なんや!この気持ち悪いの!」写真左の根元の方にツブツブした塊がついています。ちょっとドキッと目を引くピンク色…こわい…。これはタニシの卵で、畑さんいわく「タニシも悪さするんや〜」とのこと。学校の金魚水槽にたくさんいた思い出が蘇りますが、お米には良くないらしい。


こんなにピョンピョンで小さかったのに大きくなったものです。密度もだいぶ増しました。


「帰りたくない…」のどかな環境に癒やされ中の皆さま。

畑さんは、広い田んぼを毎日、朝夕2回様子を見に行きます。外から眺めるだけではなく田んぼの中に入って雑草を抜いたり、根がしっかり張っているか、稲の状態に応じて、水の加減を調節します。朝と夕で様子が変わることも多く、こまめに気にかけているそうです。もう機械は入れないのでこれは大変すぎる…。

畑さんは農薬を極力使わないようにと考えており、稲にはバッタがいたり、よく見ないと気づかない色んな生物が隠れていました。特に歓迎されるのが、陽が落ちて気温が下がってくるとやってくる赤とんぼ。彼らは虫を食べてくれるので良い虫なんだそうな。彼らの力を借りることも自然との共生ですね。赤とんぼを撮ろうということで、このあとみんなで赤とんぼ待ちしました。楽しい。