2021/10/19 19:59

GAKUにて開催した「演劇と教育」をテーマにしたトークイベント「教室が劇場になること、劇場が教室になること」を開催。そのアーカイブ動画を公開しました。

GAKUでは、11月より演劇のクラス「新しい演劇のつくり方」が始まります。音楽、絵画、建築、文学、身体表現など。さまざまな要素からなる演劇は総合芸術とも呼ばれ、海外では演劇教育(ドラマ教育)が盛んです。日本でも、演劇を授業に取り入れる公立高校もみられる他、今年度より日本で初めて「芸術文化観光」を深く学ぶ「芸術文化観光専門職大学」が開校されるなど、その普及が進んでいます。一方で、そのような教育機関の数はまだ限られているのが現状です。演劇も教育も、ともに人の想像力と創造力があふれる時間と場所であるはず。演劇を人の学びという観点からみるとどうみえるか?逆に、教育を演劇の観点からみるとどうみえるか?今回は、劇作家で演出家で「範宙遊泳」代表の山本卓卓さん、東京学芸大学芸術・スポーツ科学系音楽・演劇講座演劇分野准教授の高尾隆さんのをお招きし、、異なる立場のお二人によるトークセッションを開催しました。

山本卓卓さん(劇作家・演出家/「範宙遊泳」代表)は、今回の新しい演劇のクラス「新しい演劇のつくり方」の講師を務められます。近年は日本国内のみならずアジア諸国からも注目を集め、マレーシア、タイ、インド、中国、シンガポール、ニューヨークで公演や共同制作も行われています。今回の「新しい演劇のつくり方」でも焦点をあてる作品「うまれてないからまだしねない」は、第59回岸田國士戯曲賞最終候補にノミネートされています。山本さんは、個人と集団と作品の豊かさは比例しなければならないとし、上からのトップダウン的な作品のつくり方ではなない、演劇のつくり方をつくるということに重きを置かれています。

高尾隆さん(東京学芸大学芸術・スポーツ科学系音楽・演劇講座演劇分野准教授)は、演劇教育者であり即興演劇を展開するキース・ジョンストンに師事し、ご自身も即興演劇ワークショップを開催しながら、教員を養成する大学で教鞭をとられています。高尾さんは、「インプロは創造性をあなたに与えない。しかし、あなたの中にすでにある創造性を掘り起こす手伝いをする。」とし、創造性がスポンタネティ(意識することなく自然)に生まれてくるための理論と実践を往復しながら活動をなされています。その理論の1つに「がんばらない」というものがあります。そこには、人の恐れや萎縮をどう対処していくべきかという考察があります。

立場は違えど、重なるところ。違うからこそ、浮かび上がってくるもの。お二人に、さまざまな問いかけをさせていただきつつ、お二人同士の対話やもちろん参加者の方からの投げかけをいただき、演劇と教育の重なるところを紐解いていきました。

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【トークイベント概要】
名称:教室が劇場になること、劇場が教室になること
日時:2021年10月17日(日)14:00〜17:00
会場:渋谷PARCO9階 GAKU
登壇:山本卓卓(劇作家・演出家/「範宙遊泳」代表)、高尾隆(東京学芸大学芸術・スポーツ科学系音楽・演劇講座演劇分野准教授)
進行:熊井晃史(GAKU事務局長)

【トークイベントテーマ】
・お二人の普段の活動は?
・ご自身の10代のときは学校は好きでしたか?文化との出会いは?
・演劇はハードルが高いもの?
・世界の、日本の演劇教育の現状は?
・創造力ってなんでしょう?
・創造性を育むために「頑張らない」とは?
・演出って何するの?
・個人・集団・作品の豊かさが比例するとは?
・演劇が劇場を飛び出たらどこへいく?

3時間弱と長尺となりますので、お時間ある際にぜひご活用いただけますと幸いです。