2017/12/03 22:46

 クラウドファンディング公開も残りわずか1週間となりまして、私どものプロジェクトを応援くださいまして誠にありがとうございます。今回は、荒川区にて催されましたブータンフェスティバルにて伺うことができました貴重なお話や体験について個人としての感想を述べられればと思います。

 フェスティバル第一部におきましては、以前早稲田大学のブータン・サロンでお会いしました早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター助教の平山雄大先生による「ブータンを知ろう」をテーマとしたお話を伺いました。ブータンの人口や政治形態といった基本的なところからブータン人の唐辛子好きによるキロ買いや仏間の配置まで面白いお話をざっくばらんに紹介されました。家族単位を大きくして暮らされている方や田舎への電化の進捗状況を一例ごとに取り上げられることで自分もブータンの山景色に参加しているかのような想像をしてしまうそんな気軽な感覚でブータンの情報に耳を傾けることができて大変楽しむことができました。とりわけ、お経が書かれてある色彩豊かな旗が一風ごとに詠まれる説明を聞きまして、自分がこのプロジェクトを邁進させたいと啓発された雑誌で見たブータンの旗景色を思い出すこともできました。

 荒川区で実施されていますGAHの見本とも言えるGNHについて、その理念と今後の展望を考えさせられました。GNHの4本の柱の提示から端を発して、世界48か国より世界への影響力を見据えたGNH in actionなどが話されたGNH国際会議の実施やGNH委員会の設立など、その構想はブータン第四代国王の提唱より注目されています。とりわけて、2008年に策定されましたブータン王国憲法第9条2項「国家は、国民総幸福量の追求を可能とする諸条件を促進させることに努めなければならない」とする記述は世界に例を見ないものであり、平山先生も「幸福を追い求めていくことを示したことは評価に値し、先進的と言える」と話されていました。日本では、日本国憲法第13条に明記されている幸福追求権の保障がこれに対応する文言ですが、その取り上げられ方には二国間に違いを見出せます。

 平和・人権・民主主義を中核とする日本国憲法において、中でも特徴的な憲法9条に表される平和主義的理念は、憲法制定70年を迎えて自衛隊合憲の第3項追加規定の提言等でその理念について議論が交わされており、日本国憲法制定当時の平和主義に対する思いへの変容をどう捉えていくかが最近の焦点です。ブータン王国憲法は、まだ制定間もないものであり、その特徴性ある幸福への理念への期待が大きいかと思います。グローバリゼーションや日本が現在直面する社会の変容の到来等とのバランスをどうとりながら、GNHの柱の一つである持続可能で公正な社会・経済発達を試みていくかがそういった意味で大きく関心を置ける点ではないかと思いました。

 平山先生がまとめられていた通り、ブータンの特殊な位置付けや状況がGNHを国家開発目標にまで掲げる推進力となり、いわば、私たちはその現状による判断分析に終始しない、大きな課題に向かい合う姿勢を見ていくことが重要であり、また、これはきっと私たちの生活にも応用できる考えになれるのではないかと思います。Henrik Sørensenの絵画である“The Dream of Peace”では、平和という目標が常に先に霞んで見え、私たちがそれを常に追い求める姿勢が重要であるというメッセージが、ブータンのGNH政策に向けられる努める姿勢に共通するのではないかと少しばかり感じました。

 また、第一部で最後に取り上げられました関健作さんの映像資料でまさに私たちWell-Bのプロジェクトに共通する質問となる「あなたにとって幸せとは何ですか?」に対するブータンの学校生徒の返答が大変興味深いものでした。回答者の多くは「人との関係性」に基づく自らの幸福を述べていました。「親が喧嘩しないで穏やかでいる時」「昔の先生が会いに来てくれる時」「友人とバドミントンをする時」「母が幸せな時」「親を幸せにし続けること」「親しい友人ができた時」などがこれに代表されるものです。これは、実際にブータンフェスティバルの第二部にてブータンからの留学生とお話しした時にも共通する点でした。彼女は、日本に来て他国の人々の生活を見て、日本では仕事やお金のために常に走っている感覚が感じられると答えていました。ましてや、就活時期を迎える大学では、子供の頃にエンジニアになりたいなどの夢より、もう何でもいいから仕事が欲しいという状態を彼女は身の回りに感じているという。現に、彼女も夢の仕事のために日本に留学に来ている背景から、仕事や金銭のためという日本のイメージが持ちやすいのかもしれません。これに比べて、ブータンに戻ることで、貧乏でも金銭を気にする関係性ではなく、人間関係を大切にできる環境がとても安心できると話していました。家族や知人が祖国にいることで彼らと共に過ごせることが彼女にとってとても重要であることだとお話しを伺うなかで伝わりました。

 「あなたにとって幸せとは何ですか?」という質問に対して、年齢層によった返答内容の違いも少なからず感じました。高校生のクラスでは、「国」や「自分」を意識した「平和なブータンに生まれたこと」「国を守ること」「僕が幸せなこと」という返答や、大人では「仕事をすること」「牛の面倒を見ること」「踊ること・歌うこと」などその年齢に沿った活動についての幸福観も見られました。

 これらの返答内容について、「人との関係性」を重要視する要因が何に由来するものなのか、その幸福観の育みの中で期待される効果はあるのか、どういったものであるのか、また、GNH政策に代表されるGNH教育との関連性はあるのかどうか等が私たちの調査を遂行していく上でも重要な視点になるのではないかと思いました。

 このほか、第二部では、上に添付されている写真の通り、男性民族衣装のゴを現にブータンの方に着付けさせていただきました。私としては、初めてゴを着る体験となりまして、ブータンの文化を渡航前一味先に味わえることができました。ゴを着ている最中、フェスティバル参加者よりブータン人と間違えられて質問をされることがありました故、少なからず自分はブータン人として振る舞える風体は持ち合わせていると確認できました。衣装は、想像より大きいサイズのもので、比較的厚い生地であり、着るのに少々手こずりました。衣装の袖などについて詳しく平山先生に教えていただくこともできまして、着ることができて肌身にもしっくりくる感覚のものでした。女性のキラはまた男性と異なり、足の方まで隠れる仕様のものが用意されていました。

 また、日本人の方と国際結婚されているブータンの男性の方による演奏を聴くことができました。楽器は、ダムニェンというチベットを中心として、その隣接地域であるネパール,ブータン,シッキムおよび中国のチベット族の間で用いられるリュート属の撥弦楽器を用いていました。歌における激しい振れ幅はなく、聞いていてとても落ち着く演奏でした。日本では、ブータン人による演奏を聴く機会も貴重なため、とても充足感を感じられることができたと思います。

 以上、ブータンフェスティバルにおけるお話や体験の簡単な紹介と感想になりましたが、ブータンの文化に触れることができまして渡航前の心の持ちようを準備できる貴重な体験になったと思います。今回、新たに気づくことができました点も踏まえてプロジェクトの準備を万全にできるよう進めていきたいと思います。

 クラウドファンディングも残り1週間となりますが、皆様の期待に応えられますようWell-B一同努めてまいりたいと思います。何卒皆さまの応援のほどどうぞよろしくお願いいたします。

 

Well-B一同

 

企画詳細の方は下記のホームページよりご覧になれます。

オフィシャルウェブサイト:http://isyhappier.wixsite.com/bhutan-studytour

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