2021/12/08 17:23

小麦を炒って、砕き、大豆を蒸して麹菌を混ぜ込んだものが
醤油麹となるためには、3日間時間が必要です。

明治屋醤油の麹室は、大豆を蒸す釜の向こう側。
醤油造りの要となる大切な部屋は、工場の奥に鎮座されています。
ちょうど中二階の位置にあり、室の下には、様々な仕掛けが隠れています。

麹室の入り口

まずは、温度・湿度を管理するヒーター。
温度を設定すると自動で温度を調整してくれるそうです。
スチームで温める仕組みなので、麹菌が好きな湿度も保ってくれます。

麹室に空いた穴。この中に醤油麹を落としていきます。
そして、出来上がった麹をもろみ部屋へ送る瞬間移動装置。
床に空いた穴から醤油麹を入れると、空気の力でもろみ部屋に送られる仕組みです。
コンプレッサーを動かすとブオーっという爆音とともに、
醤油麹があれよあれよと運ばれて行きます。

コンプレッサーが動き出したら、ひたすらこの作業
古い工場なので、運ぶのにどんだけ人手が掛かるのかと思っていましたが、
600kgほどある醤油麹は、一時間ほどで桶の中へと移動して行きました。


醤油麹がホースで送られてきます
あとは、塩水を加えて混ぜれば、もろみの仕込みが完了です。


塩水を加えることで、麹菌の働きを抑制します


塩水はこの古い樽に保存され、必要な分量を混ぜ合わせます。
長年使用されてきた樽には、塩の結晶が付き、ここに流れてきた時間の長さを感じます。

ところどころに塩の結晶が雪のように積もっています

仕込みを終えたもろみは、1年半から3年の眠りにつきます。
凍てつく冷気とむせぶような暑さを繰りかえし感じながら、発酵が進みます。
さて、今年のもろみはどんな味になるのでしょう?

仕込んだばかりのもろみは、明るい土色こちらは、仕込んでから2年目のもろみ 発酵が進んでこっくりとした色合い