2022/02/18 14:54

制作のご報告が中村圭一氏より届いておりますので、ご紹介させていただきます。

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錫光代表兼職人の中村です。
皆様、その節は沢山のご支援ありがとうございました。2月17日付で原料の錫を調達しましたのでご報告致します。
さすがに高過ぎてしまって、いつもよりも量を減らしましたが、錫師としては言うに及ばず、錫はなくてはならないもので調達できてホッとしています。
鋳込み場の鉄鍋の底をつきそうで心許なかったところ、やっと満杯にすることが出来ます。これもひとえに皆様のお陰様でございます。

ところで、リターン品の製作ですが、この錫調達を充てにして先行して作業に入っています。下記写真は、「花ことば」1.5合片口と、タンブラーオールド9オンス「カオス黒赤」です。
特に片口の内側にご注目頂きたいのですが、なにやら帯状にボコボコとうねっているものが見えます。これは、2つのパーツを焼合わせと言って、溶かして接合した跡です。これをロクロ挽きで削って除去し滑らかに仕上げていきます。

更に、その後、1.5合ですから、約270mlの目安のところに、細筋を1本入れています。上から約2cm強下のところになりましょうか。取り扱い時に容易にこぼれない様、余裕を持った容量になっています。

この後、漆を塗るための下準備としてサンドブラストで表面を荒らし、拭き漆で漆を施して参ります。錫光では、複数回漆を塗り、口をつけたり、内側を削ったりの作業を進めつつ、塗り終わりから後、漆が落ち着く据置期間として少なくとも1週間経過してから出荷の準備をするようにしています。
今しばらくお待ち願います。