私は今まで、フルコン(コンピューターのデーターを書き換えるもしくはコンピューターそのものを置き換える)が全てと考えていました。
20年ほど前は空燃比コントローラーなんかを使っていたのですが、「今の車には必要ないでしょ」と思う程、車は進化しているんですよ、という事でコントローラー類は使わない方向性でした。あるレベルまでは・・・
JAF公式戦の№付競技車両(公道をステージとする競技のラリーも含みます)を長年戦ってきた私にとって、車検に通ることが前提のナンバー付き競技車両が究極の公道を走る最高のチューニングと思っていました。
LSD(現在クラウドファンディング中)やクロスミッションの採用、吸気排気系、電気系のロス低減、性能の良い油脂類などが中心でした。
基本整備を完璧に行い、メーカーさんがコストの為に捨てた部分に手間をかけることで、機械的リスクのない楽しくて速い車を作ることができると信じていたんです。そこには航空機を学んだ私の工学基礎と競技経験(当然、先輩諸氏から学んだ事も)が生かされています。
そして、レベルアップしコンピュータープログラムの変更が必要である、と判断した場合のみ、現車合わせでりセッティングを行うこととしていました。今でもコンピューターのプログラムは、優秀でセンスのある方が同乗して、走行状況にあわせてリニアに変更を加えていく作業が一番だと思っています。
コンピューターの書き換えやセッティングはコスト&時間がかかるし、間違うと車検は通らないどころか、エンジンを壊してしまいます。
だから、今の優秀なフィードバック補正を活かす方向性が一番だと思っています。
ただ、そこには限界がありますが・・・
今の車のエンジンはほぼ間違いなく、可変バルブタイミング機構が備わっていて、走行条件(車の負荷とエンジン回転数)にあわせてバルブタイミングが変わる機構がついています。説明すると本が一冊できるくらいのことになるので説明は割愛させて頂きます。
その機能のおかげで、自由度の高いエンジン特性が実現しているわけです。
この可変バルブタイミングは各センサー&補器からの情報で点火時期や燃料噴射タイミングと併せて制御されています。
エンジンの出力はエンジン回転数が関係あるのですが、その過程において吸入混合気&排気ガスの慣性モーメントや火炎伝播速度というものを考えなければいけません。
高回転時はものすごいスピードでピストンが上下し、クランク角度が変わっています。点火タイミングは、火炎伝播速度によるタイムラグがあるために圧縮上死点の手前で点火させなければならなくなります。
純正コンピューターでもこの作業は行われているのですが、エンジンブローの回避や燃費性能重視などから安全マージンを考えた制御プログラムにされていて本来のピークパワーを出せていません。
それを任意にセッティングできるようにしたのがシエクルさんのMINICON-PROなんですね。
次は燃料噴射時期・・・
これは、エンジンが混合気を要求する爆発タイミングの前にいい条件で送り込むタイミングというのが条件です。
このタイミングや量もフィードバック制御で運用状況を見ながら純正コンピューターは行っています。
この部分を純正コンピューター+MINICON-PROに併せて適正化してくれるのがMINICON-αですね。
当社の考え方は、純正コンピューターの能力を活かすベース作りに「マジカルヒューズ」「バッテリーノイズキャンセラー」を最初に投入(電気系強化は今の車では必須)。そして吸気そのものの効率化に「レスポンスリング」「レスポンスブレード」を使います。
その後に「MINICON-PRO」「MINICON-α」を使うステップを踏みます。
「MINICON-α」以外はその気になれば自分ででも出来る作業(MINICON-PROのセッティングは時間がかかりますが自分で可能)です。
当社は小規模で設備がありません。
だから、私自身の能力をフルに使い、皆さんに寄り添った手法で車に向かう他ないんですね。
iQをテーマ車両に選んだのも、興味があった車ではあったけれど、80点主義のトヨタ車をどこまで成長させることができるか!そこに挑戦したかったからなんです。