2014/01/21 21:35
今回もUst valleyで行ったカメラ設置について報告します。

前回のカメラ設置場所から、さらに15分ほど降りたところに大きな岩がありました。
その岩に黒く点々とユキヒョウがしたと思われる尿スプレーの跡(青い輪)を発見!
(尿スプレーの説明については「赤外線カメラ設置記録inモンゴル~その3~」をご覧ください。)



その近くに、少し溶けかけてはいますがユキヒョウのものらしき足跡(緑の輪)も見つけました。



今回はこの辺りを狙ってカメラを設置。
前回に続き、ここでも動画と静止画モード用に2台のカメラを仕掛けました。





この日のカメラ設置はこれで終了。
歩きつづけてもなかなか体が温まらず、全身が凍りそうでした。
でも、そんな中、ドライバーは暖房のない車の中で寒さに堪えながら、私たちの帰りを待っていてくれました。



帰りの道中、一軒のゲルに寄って、ユキヒョウの目撃調査をしました。
このお宅はユキヒョウによる被害はなかったとのことでしたが、近年、餌となる草食動物の減少に伴って、家畜を狙いに来るユキヒョウが増えてきています。
ユキヒョウが人を襲った経歴はありませんが、家畜はこれまでにもたくさん襲われています。
遊牧民にとって家畜は収入源となる大切な財産ですので、襲われると重大な被害となります。

私たちがBaga Bogdで調査を終えた数週間後、下記のリンクのような報告がありました。

http://wildnet.org/updates/snow-leopard-roof

幸い人と家畜に怪我はなく、ユキヒョウも殺されずに山に返されました。
かつて、このような状況でユキヒョウが発見された場合は殺されることが多かったのですが、最近では遊牧民のユキヒョウ保全への理解が深まり、殺さずに山へ返すケースが増えてきているようです。

1軒1軒、目撃調査でゲルを周ることは大変ですが、
同時に遊牧民の保全意識を高めることにもつながるため、とても大切な活動となっています。

温暖化などの影響で、ユキヒョウや餌となる草食動物たちの生息地が減り、遊牧民との生活距離が近くなっています。
問題を解決するために私たちにできることは何か?
日々その問いを自分に投げかけながら、活動を進めていきたいと思います。

つづく。