2014/03/24 14:04

モンゴルでのカメラ設置に関する旅のお話は今回で終わりです。
今回は、Ulaanbaatarに帰るまでの最終日のお話です。

まずはこの一枚!
さて、私はどこにいるでしょう(笑)?

長い間お世話になった遊牧民の家族が飼っている羊と山羊たち。
たーくさんいるのが分かりますか!?
遊牧民の彼らにとって、羊と山羊は大切な財産になります。
羊や山羊は食用だけでなく、彼らを売ってモノを買ったりもします。

ゲルを去る日の朝、羊を解体するということで、その作業を見させてもらいました。
解体はものの15分ほどで終わり。とても素早かったです。
羊も鳴くことなく、血を一滴もたらさずにすべてを取り分けました。
遊牧民の彼らは、血の一滴すらムダにすることなく腸に詰めて大事にいただきます。
毛皮も、服やゲルの壁に使って暖を取ります。

ここには密接に動物と人の関係があり、
動物や自然の尊さを彼らは強く知っています。
豊かな自然がなければ、彼らの生活は成り立ちません。
この滞在期間を通じて、彼らは私たちにたくさん教えてくれました。
「ユキヒョウやたくさんの動物、植物があること」
それは彼らの生活の場が豊かであることの象徴なのです。






BagaBogdからArvaikheerまで7時間のジープ、
そしてさらに長距離バスに7時間乗ってUlaanbaatarに帰ってきました。
この日のUlaanbaatarの最低気温は-19度…。



空気が澄み渡っていたBagaBogdとは違って、
Ulaanbaatarの町は灰色の煙に巻かれ、
黙々と白い煙があちらこちらから湧き出ていました。




人が求める「豊かさ」とは何か?
BagaBogdからUlaanbaatarに帰ってきた私たちの胸には、
今までになかった疑問が心の中に芽生えました。

最後の写真はUlaanbaatarの上空から。
青い空の下には、灰色の煙が街を一面に覆っています。



人が求める「豊かさ」は、人の数だけ多様です。
社会が大きく変化していく中で、何が正解で何が間違っているのか…
線引きをすることはとても難しいことです。
ただ、鉱山の開発が進む中で、動物たちの生息地は減り、遊牧民の生活の場も年々縮小しています。

大草原のモンゴルと、経済が急成長しているモンゴル。
できるかぎり、多くの人々にとって豊かである社会を、私たちは望んでいきたいと思います。