2023/07/30 10:38

「いのちのほとり」の第1章、
「いのちのほとり」は、
「なぜ生きるのか」という副題がついています。
この問いは、私が思春期の頃からずっと抱えていた謎。
幼少期から家庭内で精神的虐待を受け、
学校でもいじめにあった私は、
この世に居場所も安らぎもない。
それなのに、なぜ明日を目指さなければならないのか分からず病みました。
この物語では、ふたりの登場人物がいます。
ひとりは、ただ本能のまま、
暗いミノの中で一生を過ごすミノムシ。
もうひとりは、母に捨てられ、
ホームレスとなり、自分をゴミだと思う男性。
ふたりは逃げ場のない人生の中で、
何度も考えます。
「どうして生きているんだろう……」
そんなふたりが出会う時。
それは、薄紅が終わりの花びらを散らす、
駆け抜けた一生のこたえの時間でした。
ふたりの描いた、
なぜ生きるのか、とは……?