2019/04/11 00:42

こんばんは。今沢カゲロウです。

千歳空港から北海道に入りました。気温があまり東京と変わらなかった。

マフラー持って来たんですが、皆さん思いのほかしていないなと。

これから【オール北海道復興支援!】のテーマで制作中の20枚目のアルバムの仕上げにかかります。バンド編成ではもう2月に録音が終わっているのですが、ラフミックスを一通り何度も何度も聴いて、「うーん、やはりここはもう一つ何か・・・」みたいな部分がいくつかあり、追加録音に来ました。東京からでもスカイプで何か出来たような気もしましたが、私はやはりエンジニアと対面でがっつりやりたい派なので、急遽チケットとりました。これもパトロンの皆さんの応援から活用させて頂きます。ありがとうございます!

滞在中にはアルバム参加メンバーと札幌でライヴを行ったり、希望者には加速進化クリニックを合間に行ったり、時間が許せばオフ会的な交流も行えたらと思っています。つかの間の5日間滞在ですが、ご縁がありますように。

さて、今回書きたかったのは、今回の参加ミュージシャンの人選についてです。前作19枚目の『Blue Moon』は、インドの超絶リズムのセルヴァガネーシュ(ジョン・マクラフリン・リメンバー・シャクティ)との共演という事で、ミュージシャンのネームバリューの段階で、ある種の大きな化学反応を期待された方も結構いらっしゃったのではないかと思います。

一方、今回はクラウドファンディングの段階ではいっさい共演者を明かしませんでした。にもかかわらずサクセス出来たのは、皆さんの素敵な感性による未来への投資のおかげだと思っています。

今回私がこだわったのは①私の表現したい世界観の構築に一役買って頂ける存在でありながら、②今沢の共演者として、他の誰も予測することが出来ないイメージの裏をかく4人の組み合わせ、③一方で確実に私の生まれ育った街であり、北海道を代表できる存在であること、④それぞれがチームプレイに徹することが出来る存在であること、⑤私がアラフィフなので、40代、30代、20代など、世代を横断するアンサンブルであること、でした。

ご存知の方も多いかと思いますが、北海道は在住であれ出身であれ、才能あるミュージシャンの宝庫です。ありとあらゆる組み合わせが考えられます。しかしながら、私は確実にこの組み合わせを北海道の誇りとして、北海道発で配信先の世界134ヵ国に地球唯一の音として堂々発信する音にしたかった。

そこでまず私は今までの今沢の作品と【オール北海道復興支援!】をつなぐ存在として、17thアルバム『spin, spin...』に参加していた工藤拓人(kb)氏にお願いする事にしました。工藤氏は17thアルバム制作時に某店Aのマスターの大推薦によりご縁があり、それ以来の再会でした。その時はこちらのコンセプトの都合で饒舌に奏でて頂いたフレーズ以上にその時の音響を重視する作風であったために、氏のプレイの素晴らしさを寸止めせざるを得ない部分がありました。そのあたりを今回は存分にやって頂けるスペースがあるのではないかと思い、忙しい中でオファーをさせて頂きました。

次に私は北海道江別市出身の人間として、今現在の北海道江別市の音楽文化をど真ん中で支えている存在にも是非参加頂きたいと思い、江別のミュージックパブ『ターンアラウンド』のマスター、吉岡祥一(g)氏に参加をお願いしました。楽器の一音の良さにこだわるタイプの方であることは知っていたので、トリッキーなプレイではなく、絶対にベースでは出せないフリークエンシーかつ、ギターでしか表現できない、ギターの旨み成分を存分に伝えて頂けたらと思いました。おそらく世の中の誰が吉岡さんにギターお願いしても、このような部分を強調しないのではないかという、そんな所をチェック頂けたらと思います。

2人とも、個々人の演奏のみならず、チームプレイとしても、抜群の結果で応えて頂きました。

さて、最後まで難航したのはドラムでした。先述の某店Aのマスターもキーボードは工藤さんを大推薦頂いたものの、ドラムに関しては「カゲロウさんの求めている感じだと、いないです」、お店のマスターでもある吉岡さんも沢山の素晴らしい道産子ドラマーを知っていますが「ドラムは・・・難しいですよね。」と。

そこで、全くジャンルが違い、かつて16thアルバム『HOPE』のレコーディングでオーケストラ録音時にお世話になった某店Bの店長にきいてみました。すると「今沢さんに合うかどうかはわからないが、何人かきいてみて欲しいドラムはいます。みんな上手いし、それぞれに今沢さんとの組み合わせは面白そうではあるのですが、一人明らかにバックグラウンドが違うドラマーがいます。その人を今沢さんが気に入るかどうかはわかりませんが、チェックして頂きたい存在ではあります。ただ、ある要素においては突出しているかもしれない。それも含めて好みではありますが・・・。」という主旨の返答を頂きました。そのことを頭に入れつつ、さらに本当に沢山の道産子ドラマーを有名無名問わずチェックしました。

おそらく私の好みそうなドラマーとして、皆さんの中では非常にタイトであったり、手数があったり、変拍子に強かったりなど、様々なイメージがあるかもしれませんが、私は実は全く興味がありませんでした。そのあたりが卓越したドラマーは沢山いるのですが、それ以上に響きそのものであったり、その人にしか出せないものなど、即物的な要素を全て排してもまだ残っている部分に興味がありました。それを自分の世界観の中で融合出来ないかなと。それで、私と親子ほど年の離れた、元々は(というか私の感覚ではつい最近まで)和太鼓奏者であった、りゅー(岩崎隆太郎)氏(Ds)(喃語、the hatch)にオファーしました。あくまでネットでさらったレベルですが、バックグラウンドのユニークさに驚き、さらに昨年末に札幌サウンドクルーで私のソロライヴ後にサプライズで行った15分強のジャムで、「いける」と思いました。あまりライヴ告知的な事はここでは書きたくないのですが、4月12日(金)は札幌くうで20時から二人だけで演奏します。もしよろしかったら。

加えて、曲中でエレクトロニクスが必要だったので、その部分は昨年の北海道地震で震源地となってしまったかつての録音現場で2001年の冬に合宿し、6thアルバム『Ⅱ』を共に作ったエンジニアの坂本嘉之氏にお願いしました。

2月の大寒波到来の直前に、この5人編成で化学反応のような14テイクが出来あがり、今はそこからポストプロ、そして週末には私の最後のフレーズ群を注入します。

引き続き、応援よろしくお願いいたします。

(写真:昨年5月3日、千歳水族館にて。サイエンスカフェ「音楽の未来、昆虫の未来、地球の未来」~千歳の昆虫との瞬間作曲コンサート~より)