昨年11月、オペラ団体《Teatro Grazie》が上演したヴェルディの喜劇オペラ「ファルスタッフ」が大好評を博しました。

お客様からの熱い声援を受け、私たちは本作の継続公演を決意しました。

しかし、総合芸術であるオペラの制作には多大な費用がかかります。

より多くの方にこの素晴らしい作品を届けるため、皆様のお力添えが必要です。

クラウドファンディングでは、「ファルスタッフ」の継続公演実現に向けて、皆様からのご支援を募ります。

上演機会の少ない名作オペラを、再び舞台に上げる。

その挑戦を、ぜひご支援ください。

皆様のご支援が、オペラ文化の継承と発展につながります。

日本のオペラシーンを共に盛り上げていきましょう！

この作品は、ヴェルディが人生の集大成として作曲したオペラの最高峰。 

シェイクスピアの戯曲「ウィンザーの陽気な女房たち」を原作に、

大食いで大酒飲みで好色で太っちょの老騎士ファルスタッフとその恋のターゲットである美しい人妻たち、その友人と家族、自身の手下たちの騒動を描いた笑いの物語です。

またヴェルディオペラならではの「激しい嫉妬」「疑惑」などシリアスな場面や、甘い恋の場面もあり、見どころ満載な作品です。

しかしこの愛すべき名作がオペラファンにもほとんど知られておらず、日本や世界で上演される機会は非常に少ないのが現状です。 

その理由は、難易度の高い音楽が切れ目なく続き、有名な独唱や重唱が皆無で、簡単には耳に残らないメロディラインが続くこと。

出演者には卓越した歌唱力とお客様を笑いの渦に巻き込む演技力と、

演出にもそうした舞台作りが必要とされ、制作側にも大きな労力がかかるのです。

だからこそ、この「ファルスタッフ」の上演に挑む意義は大きい。

本作の魅力を余すところなく伝え、より多くの人にその価値を知ってもらいたい。 

そうした熱い情熱を胸に、私たちは再演に臨みます。

スコア表紙

「ファルスタッフ」は、ヴェルディが80歳を超えて完成させた渾身の作品。

それまでの作品とは180度異なる、斬新な音楽とテンポよく展開していく台本が特徴です。

ストーリーの鍵を握る小道具には、演出家と出演者が拘って自ら作成したものもあります。

劇場では細部までお楽しみください！

2023年11月4日に公演を行った際、「ファルスタッフ」初挑戦である歌手やスタッフがほとんどでした。

コロナもだいぶおさまりつつあった当時、客席もほどよく埋まり、拍手喝采の大成功となりました。

公演後、観客の皆さまから「とても面白かった」「ぜひもう一度観たい」と、多くの声をいただきました。 

私たちの公演で「ファルスタッフ」の魅力をお客様に伝えることに成功したと自負しています。

お客様の期待の声が、再演への原動力となりました。 

またキャスト達は「ファルスタッフ」というオペラの、他にはない不思議な魅力に取り憑かれ、

もう一度歌い演じたい、より多くのオペラファンやオペラを知らない人にも観てもらいたいと熱望しました。

前回の感動を再び、いやそれ以上のものを届けたい。 

その熱い想いを胸に、再演の準備を進めてまいりました。

今回もほぼ前回の豪華出演者とスタッフが再び集結。

そして磨き上げた演出で臨みます。 

イタリアオペラの巨匠ヴェルディと、シェイクスピアの戯曲の面白さがこの上なく絶妙にマッチした

「ファルスタッフ」の独自世界を存分にご堪能いただけるはずです。

今回の公演の見どころの一つは、個性豊かな実力派オペラ歌手たちの競演です。

「ファルスタッフ」は合唱も非常に重要な役割を果たします。

オペラ合唱を数多くこなす強力なメンバーたちが集まってくれました。

また、本来オペラはオーケストラで演奏されますが、今回は劇場サイズにちょうど良い、ピアノと木管五重奏のアンサンブル編成。

オーケストラ経験豊富なオペラ好きメンバーです。

さらに今回、「すがも児童合唱団」の有志が共演してくれます。

最終幕での活躍を楽しみにご覧ください。

歌手、合唱、楽隊、それぞれのエネルギーの相乗効果と

「ファルスタッフ」というオペラに対する熱い愛が、130年前に作られた音楽に、現代にも新鮮に感じられる新しい生命を吹き込みます。

彼らが醸し出す新鮮なエネルギーが、「ファルスタッフ」の世界に新しい命を吹き込んでくれるはず。 

古典の中に新しい息吹を感じていただけると期待しています。

演出面でも、今回はいくつもの楽しい仕掛けを用意しています。

例えば、第2幕第2場。 

ファルスタッフがフォードの家に忍び込むも、フォードが帰宅してしまうという場面。 

あたふたと隠れ場所を探すファルスタッフを、女たちは洗濯物の中に隠そうとします。

舞台上を舞い踊る大量の洗濯物の中、それぞれの思惑を胸に、ドタバタな大混乱が繰り広げられます。

オペラとは、貴族社会の高尚な文化で近寄りがたいものなのか？と思いきや、随分と庶民的な日常世界。

しかし時折、驚くほど激しい、またはハッとする様な甘美な音楽が現れることもあります。

「ファルスタッフ」は、シェイクスピアの戯曲が原作。

 奇想天外なストーリー展開とユーモアに富んだ台詞。

登場人物はそれぞれクセの強いキャラクターばかりで、その絡み合いもまた物語の面白さに一役かっているところが魅力です。

オペラ鑑賞には言語の違いが高いハードルとなりがちです。

舞台の歌手達の動きを目で追いながら無理なく読める字幕を工夫してご用意しました。

まったくのオペラ初心者の方にも「ファルスタッフ」の面白さ、オペラの楽しさを味わっていただけます。

これまで私たちは、自費を投じてオペラ公演を続けてきました。

しかし、総合芸術であるオペラの制作には多大な費用と労力がかかります。

クラウドファンディングを通じてオペラ文化を支援することは、単に一つの公演を成功させるだけでなく、日本の文化芸術の発展に寄与する重要な意義があります。

皆様の支援が、才能ある歌手たちの活躍の場を広げ、オペラ文化の継承と発展につながります。

コロナ禍により一時期オペラ公演は苦境に立たされましたが、動画配信やライブ配信などにより、

これまでと違う地域のお客様たちに遠方のオペラを鑑賞していただくきっかけを得られました。また、配信等により鑑賞したオペラを劇場で生で聴いてみたいと言う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ピンチをチャンスに変えて、いかにオペラファンのご要望に応えるか。

また今まで全くオペラに縁がなかった方々に、いかにその魅力を知ってもらうか。

クラウドファンディングは、その新たな航路の一つになると信じています。

支援してくださる皆さまお一人おひとりとの絆が、私たちの公演を支える大きな力になります。 

大規模な公演ではない舞台にも素晴らしい歌手たちが全力で歌い演じている熱い公演があることを知っていただけたら幸いです。

オペラは、ごく一部の人だけのものではなく、誰でも気軽に楽しむことが出来るエンターテイメントのひとつであると感じています。

リターンには公演チケットをはじめ、出演者との交流会など、特別な体験もご用意しました。

 支援者の皆さまに、より深くオペラの魅力を味わっていただく機会になれば幸いです。

この公演が、多くの方に「ファルスタッフ」の素晴らしさを認知していただくきっかけになること。

 そして、今回出演する才能溢れるオペラ歌手たちの存在を、多くの方々に知っていただく場になること。

 そんな願いを込めて、私たちは再演の舞台に立ちます。

《Teatro Grazie》代表の西川朝子です。

このたびは、オペラ『ファルスタッフ』東京公演プロジェクトをご覧くださりありがとうございます。

前回公演では、お客様から

『全く知らないオペラだったけどすごく楽しかった』
『ぜひ次の公演も観に行きたい』

と、多くの感動の声をいただきました。 

あの興奮と感激を、もう一度、皆さまと分かち合いたい。 

その強い想いから、今回の再演を決意しました。

『ファルスタッフ』は、悲劇の名オペラばかり遺したヴェルディの最後の作品がまさかの喜劇という、音楽的にも非常に優れており、

そののちのオペラ史に大きく影響を与えたであろう究極の作品にもかかわらず、日本でもほとんど上演される機会がないのがちょっぴり残念な現状です。

だからこそ、この機会に一人でも多くの方に、『ファルスタッフ』の楽しさを知っていただきたい。

 今回集まった実力派歌い手たちの熱演が、必ずやこのオペラの新鮮な魅力を伝えてくれるはずです。

クラウドファンディングという新しい挑戦を通じて、中小規模オペラ団体も躍進を遂げる。

そんな大きな夢を抱きながら、私たちは再演の準備を進めてまいりました。

支援してくださる皆さまお一人おひとりのお力が、この夢の実現を支えてくださっています。

 心より感謝申し上げますとともに、最高の舞台でお応えすることをお約束いたします。

『ファルスタッフ』の世界を、ぜひ劇場でご堪能ください。

または遠方の方は動画でお楽しみください。

 皆さまとご一緒に、オペラという素晴らしい芸術である娯楽を通して大笑いできる日を、心から楽しみにお待ちしております。

オペラ団体《Teatro Grazie》 代表　
西川朝子