注目のリターン
はじめまして。福島県会津若松市で漆作家をしている二瓶由布子と申します。価格などの理由で漆器を食卓に並べるのがむずかしい方や、食事時間を楽しみたい方、自分を大切にする時間を日常に取り入れたい方などに、漆器に触れていただくきっかけをつくりたいと考えています。
そこで、多くの方に食事という体験を通して、漆器の魅力を知っていただきたいと思い、貸し出し用漆器制作の資金調達をするため、クラウドファンディングに挑戦します。
私が制作している漆器は、見た目で癒しを与え、使っていて心が弾むような植物文様の絵付けを施した作風となっています。 ぜひ最後まで、ページをご覧いただけたら嬉しいです。
ほくるし堂という名前で活動をはじめて今年でちょうど10年が経ちました。
ほくるし堂の「ほく」には、「東北×ほくほく×北欧」という意味が込められています。北欧デザインを参考にした漆器でほっこりと、ほくほくしたあたたかい気持ちになってほしいという思いで、この名前にしました。
おかげさまで、たくさんの展示販売会の機会に恵まれ、お客様からのお声もたくさんいただけるようになりました。デザインや色合いもカラフルなものが多いので、学生さんや20代の方に興味を持っていただくことも増えました。
それと同時にとあるお客様のお声が、この「貸し出し用の漆器を作りたい!」という思いに火をつけました。
展示会でお会いした、20代前半の女性。漆器に興味をもっていただき、いろいろとお話をしたのですが「いいなぁ!もう少し大人になったら、そろえたいな~」と仰ってくれました。名残惜しそうな気持ちで会場を後にしたお客様の後ろ姿。
私も20代前半の時は、アルバイトをしながら漆器の制作をしていたので、彼女の気持ちはよく分かります。
量販店で購入できる食器とは裏腹に、漆器は販売価格が1万円を超えることも珍しくありません。購入するときに躊躇するのは当たり前です。
原材料である漆は、漆の木を大切に育てて樹液を採取します。漆がとれるようになるまでかかる時間は15年ほど。さらには1本の漆の木からはわずか200㎖の漆しか採れないという背景があります。
各工程の職人がすべての作業を終えるまでにかかる時間は、3ヶ月~6ヶ月ほど。お客様に長く愛される漆器を作りたいからこそ、技術を磨いた職人が互いに関わり、時間をかけて丁寧に制作しているのです。
原材料が貴重であり、手仕事だからこそ、どうしてもこの価格になってしまいます。
私が手掛けた漆器は現代的なデザインなので、10代、20代の方にも興味を持っていただくことも多いのですが、その中で購入のハードルを越えた方は少ない。漆器は使ってこそ、魅力を感じられるのに…。
また、30代~40代の世代となると電子レンジや食洗機にかけられない漆器は、忙しい子育て世代のお客様にとって少し使い勝手の悪い一面もあります。私自身、育児や仕事、生活をしていく中で、漆器を使用する場面が以前より減ってしまう日もあるのが現状です。
しかし、そのような忙しい中でも、漆器を問わず作家ものの器を見るのは好きですし、カフェなどで素敵な器が出てくると嬉しい気持ちになり、その時間を楽しく有意義に過ごすことができます。
毎日、漆器を使用することは難しくても、飲食店で気軽に器を楽しめる機会があればいいのになぁ。
そんな歯がゆさが続いていたときに浮かんだアイデアが、飲食店やシェフへの貸出用漆器の制作でした。
ここ数年、シェアキッチンなどで日替わり営業をするフリーランスのシェフの方が増えており、マルシェなどのイベントでお料理を提供されています。おいしい料理と私の漆器を組み合わせて、イベントで手に取っていただければ、かわいい漆器で実際に食事が出来る機会になるのではないかと考えました。
また、ギャラリーでも、カフェを併設されているところが数多くあります。展示会の時に、作品を見て購入できるだけではなく、実際に使い心地を試してから購入できる機会を提供できたらよいなと思います。
いずれにしろ、お客様に食事をご提供させていただく際には、北欧デザインや会津漆器の紹介文も一緒にお渡しし、私がなぜ貸出用漆器を作っているのか、どんな食事時間を過ごしていただきたいかなどをお伝えしていく予定です。
そして、使うからこそ分かる機能性の良さ、触り心地の良さ、食事時間を通して人生を豊かにする感覚を体験していただきたいと思っています。
私は、福島県会津若松市という場所で育ちました。父が蒔絵師(まきえし/漆器の絵付け職人)なので、手しごとや漆器が身近にある環境で育ちました。
蒔絵師を志そう!と思ったのは高校3年生のとき。進路に迷っている私に、「蒔絵師楽しいよ」と父が声をかけてくれたのがきっかけでした。もともと絵を描くのが好きだったこともあり、地元の短期大学に進学。漆を学べるゼミで2年間を過ごし、短大卒業後は漆器を本格的に学べる会津漆器技術後継者訓練校へ進学しました。
訓練校卒業後はいわゆる伝統的で日本らしい図案のものを中心に絵付けをしていたのですが、とある旅行がきっかけで作風がガラリと変わることに。
幼い頃からサンタクロースの存在を信じていた私。中学生になったある日、両親に「今年のクリスマスプレゼントは何がいい?」と聞かれ、今まで両親がプレゼントを用意してくれていたのか・・・と衝撃を受けました。しばらくはそれを受け入れられず現実逃避をする日々。諦めきれずサンタクロースについて調べていると、なんとフィンランドにサンタクロース村があるではありませんか!!
「いつかここに旅行に行ってみたい!デザインや建築も有名みたいだから、フィンランドが気になるなぁ」と漠然と興味を持った私は、訓練校を卒業してすぐにフィンランド旅行の計画を立てました。
何年もアルバイトを続け、ようやく貯まった旅行資金。心躍る初めての海外旅行。憧れの北欧の地。しかし、飛行機を降りた1歩目に思ったことが「会津にそっくりじゃん!」
真冬の2月に訪れたフィンランドの空はどんより暗く、雪もちらつき凍えるような寒さでした。まわりは木々や湖などの自然が多く、まるでそこは真冬の会津。
そんな気持ちを抱きつつ、フィンランドの公共施設を見学したり、街中のショッピングモールでは買い物を楽しみ、大自然でスノースポーツを満喫したりと、さまざまな面を見ることができました。
屋外は冬の会津に似ていると思う反面、室内の家具やインテリアは日本ではあまり見られないデザインの照明や、華やかなテキスタイルで彩られ、全体的に明るい印象でした。
1年の半分は寒く暗い季節が続くフィンランド。おのずと家の中で過ごす時間が増えます。日照時間が少ないと気分も沈みがちになりますが、少しでも明るい気分で過ごせるように北欧デザインは大胆な花柄のデザインや、質の良いインテリアが多いのだと、現地のコーディネーターさんから伺いました。
この思わず惹きつけられるデザインは、日常の何気ない瞬間を楽しく過ごすための知恵と工夫だということに感銘を受けました。
あぁ、こういう暮らしができるっていいなぁ…と、素直に思いました。
日本に帰国後、日常に戻った私は「なぜ漆器にはカラフルな色のものがないのだろう?」と疑問に思いました。昔は技術や材料が限られていて、赤と黒い顔料を使用するしかありませんでしたが、現在は様々な色の漆があります。
金や黒、赤などの重厚でシックなデザインの漆器は見た目も美しく、機能面も素晴らしいと思います。しかし、私は今までとは違う漆器を制作してみたいと思い、会津とフィンランドの冬の環境が似ていることから、北欧デザインのように人を明るく楽しい気持ちにさせるデザインの漆器作りを始めました。
私がフィンランドについて調べているとき、興味を惹いたことがあります。フィンランドは「世界幸福度ランキング1位」の国ということです。2024年の日本の順位は51位でした。幸福度ランキングで一概に日本人を不幸だと決めつけるわけではありません。しかし日本人は常に仕事を優先し、慌ただしい日々を送っているイメージがあります。また、そのほかにも子供の自己肯定感が低い国としても挙げられています。
過去の私は、忙しいときに食事をとっていると、何を食べたかも覚えてない時がありました。何も考えず、感じず・・・ただ口に運ばれる食事はむなしいものでした。
人は1日3回食事の時間があります。「人は食べ物でできている。」という言葉がありますが、文字通り食事の時間に、じっくり食べ物と向き合い、そして自分自身と向き合うことはとても大切なことではないでしょうか。
お気に入りの器に食べ物を盛り付けると気分が上がります。
漆器の素材である木には耐熱性があり、できたての熱い料理を盛り付けても「熱すぎて持てない」ということはありません。また保温性もあるため、あたたかい料理はあたたかい状態が、冷たい料理は冷たい状態が長続きします。
お味噌汁を漆器に入れて、手のひらで包み込んだ時のじんわりと温かいぬくもりはとても気持ちが癒されます。
また、漆器は自然素材ならではのぬくもりがあります。あえて言葉にするなら「しっとり」でしょうか。手で持つときも口に触れるときも、私たちの体にすっと馴染んでくれます。
陶器やガラスに比べて軽いのもいいところ。以前、親御さんに漆器のカップをプレゼントされたお客様から「お母さんが『もう漆器しか使えない』と言っています!」との感想をいただきました。それくらい軽く、どの世代でも親しみやすい器です。
北欧では物を長く大切に使う文化があります。壊れてもDIYで直したり、家族が何代にもわたって家具を大切にしていたり・・・。
このような文化も漆器と相性が良いなと感じる部分です。器は長く使っていたら、欠けたりヒビが入ったりすることもあります。漆には接着剤という役割があり、落として欠けたとしても修復が可能です。漆の塗装が剥げてしまっても塗り直しができます。
陶器を直す「金継ぎ」の素材も漆が使われているのです。
漆器には直しながら、表情を変えながら長く使える。そんな魅力があります。大量生産・大量消費の時代ですが、一つの器を長く楽しみ、その時間とともに次の世代へ引き継いでいける漆器のあたたかみを、知っていただけたら嬉しいです。
食事の時間を大切にし、器を大切に扱うことが自分自身を大切にするということにつながると、私は感じています。この貸出用漆器を通して、ひとりでも多くの方に漆器の魅力を知っていただき、食事を楽しんでいただければと思っています。
貸し出し用漆器の製造費用
2025年 1月 14日 クラウドファンディング開始
2025年 2月 22日 クラウドファンディング終了
2025年 4月 リターン品発送開始
Hawaiian Lomilomi Salon Kokualani 小椋 郁佳 さま
ほくるし堂さんのアトリエ"みつばち工芸舎"のひと部屋をお借りして、小さなロミロミサロンを営んでおります。
以前、東京の展示会を終えた由布子ちゃんが「私の漆器を使いはじめてから、食事が楽しくなったと言ってくれたお客様がいたの。」ととても嬉しそうに素敵なエピソードを教えてくれました。 ほくるし堂さんの漆器には、由布子ちゃんが大切にしてきたほくほく温かい" 文化 "と優しい" ぬくもり・想い "が宿っています。
今回の新しい取り組みで、より多くの方が漆器で食事を味わう時間が増え、「あ〜幸せ〜」という温かな笑顔が広がっていきますように♡
尊敬する由布子ちゃん・ほくるし堂さんを心から応援しております♪
漆とロック株式会社 貝沼 航 さま
二瓶さんの作り手としての魅力は、ほんわかとした雰囲気の中に秘められた「好きに真っ直ぐな気持ちと、他人の評価に左右されないブレない力」。全国でも唯一無二と言っていい「北欧風の漆器」を、苦労しながらも一切ブレずに活動を続けているのは本当に凄いことだなと純粋に尊敬しています。
ほくるし堂の漆器がなかったらおそらく一生漆器とは縁がなかった、そんな方々から漆器ファンの裾野を広げることは、これからの漆の未来にとても大切なことです。その第一歩となる今回のプロジェクト。心から応援しています。
漆器の良さは、使うからこそ分かる。漆作家になってからは特にそう感じていました。
なぜこんなに漆器に惹かれるのだろうと考えたときに気付いたのが、「食事を通して自分を大切にしている感覚になれる」ことでした。
それは、漆器ならではのぬくもり、しっとり感、軽さ、機能性、長い時間大切にできることなど、使い心地の良さから生まれる時間なのだと思います。
そんな、漆器が元々持つ魅力に北欧デザインをプラスすることで、さらに食事時間が豊かなものになるのではないか。それは何気ない日常において、自分が自分らしく在るために必要な時間なのではないか。そんな気がするのです。
買うのはむずかしくても、カフェなどの飲食店で実際に使えるのなら体験してみたい。
食事時間を今以上に大切にしていきたい。
そう思ってくださる方に応援していただけたら嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
最新の活動報告
もっと見る120万円達成いたしました!皆様、応援いただき本当にありがとうございます。
2025/02/04 17:27早いもので、プロジェクトの残り期間が2週間弱となりました。プロジェクトがはじまるまでは、「応援してくださる方はいるのかな」といった不安で押しつぶされそうになりながらも、自分の実現したいことや想いをできる限り伝えていこうと、前向きにSNSでの発信に取り組んでまいりました。これまでご支援いただいた方、取り組みを応援してくださる方、すべての方に、感謝の気持ちでいっぱいです。皆様からの温かい応援コメント、すべてありがたく読ませていただいています。中にはSNSを見ていたけれど、中々漆器を購入する機会がなくこの機会に購入してみました!という嬉しいお声がいくつもあり、クラウドファンディングをきっかけに、漆器に挑戦してみようかなと思われた方がいらっしゃったこと、大変嬉しく思っております。追加リターンも、ご用意しておりますので、ぜひリターン品を見てみてくださいね。漆器は職人による手作りのため、大量受注・大量生産というわけにはいきませんが、一つひとつ真心を込めて、皆様に喜んでいただけるよう丁寧に制作させていただいています。プロジェクト終了まで、2週間弱。引き続きどうぞ応援いただきますよう、よろしくお願いいたします。 もっと見る
クラウドファンディング限定品の追加リターン品をご用意しています!
2025/01/21 17:11クラウドファンディング開始から約1週間が経過しました。皆様の応援のおかげで、開始1日で当初の目標金額の50万円を達成することができ、現在ネクストゴールの100万円に挑戦中です!開始早々にこれほどまでたくさんのご支援をいただき、大変嬉しく思っております。そして皆様からの温かい応援コメントにも励まされております。これまでSNSをご覧になっていた方が、クラウドファンディングを機に漆器をお迎えしようと思ってくださったコメントなども拝見しまして、クラウドファンディングに挑戦してよかったなと感じました。ありがとうございます。この度、ネクストゴールへの挑戦に合わせ、リターン品を追加いたしました。クラウドファンディング限定デザインのフリーカップ、木目が美しいボタニカル文様のお椀をご用意いたします。この機会に漆の食器を食卓にお迎えしてみてはいかがでしょうか?^^ネクストゴール達成に向け頑張ってまいりますので、引き続き応援いただけますと幸いです。 もっと見る
【目標金額50万円達成いたしました】皆様の温かい応援のおかげです。ネクストゴールに挑戦いたします。
2025/01/16 17:121/14にプロジェクトをオープンいたしまして、1日で目標金額である50万円を達成することができました。続々と届く皆様からの応援コメントに、嬉しい気持ちでいっぱいです。今回のプロジェクトは、漆器の魅力を伝えるために飲食店向けに貸し出し用漆器をつくるために立ち上げたものです。貸し出し漆器をつくることで、より多くの方に、漆器に触れていただく機会を設けられる。漆器で食べるご飯の美味しさや、食卓時間が、より豊かで、そして心地よいものになる感覚を味わってほしいと、心より願っています。今回いただいた資金は、貸し出し用漆器を作るための費用として活用させていただきます。一つの漆器を作るのに、実に多くの職人さんが携わっています。どれも手作業で、愛情をこめて丁寧に作っています。私たちが漆器に込めた愛情や思いが、皆様に伝わることを信じています。ぜひ、漆器で食卓を囲む時間を楽しみにしていてくださいね。ネクストゴール挑戦に合わせて、クラウドファンディング限定の追加リターン品のご用意の準備をしています。そちらも合わせて、お楽しみに^^ もっと見る
コメント
もっと見る